2020年令和二年12月13日
朝からどんよりした曇天が広がる京都市内です。
こんにちは。
化学の知識と35年の経験実績による
「生地と汚れに最適のクリーニング&しみ抜き」
ヤスイスーパークリーン 店主の 村山です
ここしばらく毎週末は好天続きでしたが、
今日は朝から雲が広がってうすら寒いです。
明日以降本格的な寒波が来て「冬本番」になる予報ですので、
防寒対策しっかりなさって下さいね。
さて、こちらのブログでこれまでに
「有機溶剤」系の薬品で影響が出る生地
(ポリウレタン、アクリル)の事例を
アップしてきましたが、
今回は更に影響の有る生地
「アセテート・トリアセテート」の話です。
先日、「お宮参り」でご使用になられた
一つ身のお着物を持って来られてのご相談。
着物に「紅」がチョット付いてしまったので、
何処からかの情報で見たか聞いたかした
シミ抜きの方法で、
マニュキュアを取る「除光液」で取れると思い、
僅かだからとやってみようと擦っていたら、
生地が固くなって来た!
と、言う事で慌てて持ち込まれたケースです。
※今回は写真を撮る事が出来ませんでしたm(__)m
検品させて頂いたところ、
品質表示ラベルは付いていませんでしたが、
見頃や袖など、全体はポリエステルの化繊生地、
付属の飾りなどの生地が別の繊維のようでした。
今回「紅」が付いたのはその付属の飾りの生地で、
「除光液」で擦られた場所が固くなっていました。
元々光沢のある生地が「溶けて固まった」ような状態でした。
溶けるような熱いものを近づけた事はないとの事と
そうした経過から、これは
この部分の生地に「アセテート(又はトリアセテート)」が
使用されていると判断しました。
「アセテート(トリアセテート)」は
・絹やシルクのような柔らかさと光沢
・撥水性が高く水を弾く
と言う特徴があります。
※化学的に説明しますと、
アセテートを作る原料物に付加するアセチル基の数で呼び方が変わってきます。
アセチル基が2つ付いたものは「(ジ)アセテート」、3つ付いたものが「トリアセテート」となります。
アセテート(トリアセテート)の糸を造る際に
「除光液」の主成分である有機溶剤系の「アセトン」
が使われます。
簡単に言うと、
アセテートの元の原料の樹脂 「アセチルセルロース」 を
アセトンなどの有機溶剤で溶かして柔らくし、
それを小さな穴から引っ張り出して糸にします。
その為に「アセテート(トリアセテート)」の糸は
「アセトン」を含む有機溶剤で簡単に溶けてしまいます!
高価でおしゃれな衣類で使用される事が多いですが、
今回の様な着物などに部分的に使用されている事も有ります。
「紅」が付いてしまった場所が運悪くこの
「アセテート」生地で有った事と、
そこに安易に知識もなく
「除光液」でしみ抜きされた事が
今回の「事故」を起こしてしまいました。
残念ながらこうした状態ではもう元に戻せません。
ですが、
この溶けてしまった飾り部分を外すか、
他の飾りに付け変えるか、
または上から別の飾りを取り付けるか、
などが出来そうなので、
購入されたお店でご相談される事をご提案し、
ご納得されてお帰りになられました。
これまでもこちらのブログで申し上げてきましたが、
良くわからないで無理に作業されますと
今回の様に大変なことになります。
どうぞ、難しいなと思われましたら、
触らずに・そのまま・早めに
ご相談くださいね。
衣類の事でお困りの時は、
今回もお読み頂き有難う御座いました。
2020年12月13日
店頭ブラック&ホワイトボード「今日の名言」
京技術修染会公認復元加工師
太秦のクリーニング店 ヤスイスーパークリーン
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