中小企業の安定的事業承継1~株式の信託 受託者が息子のケ-ス | 麹町の新参者こと中年税理士―中小企業の「ホームドクター」

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とある中小企業のメ-カ-、売上高は五億を少し超えるところだが、業績はほぼ安定しているものの、少し下降気味だ。親族企業で社長は父親。息子が取締役に入っている。株式の所有関係は遅々70%、息子10%。良くある状況だ。

 

 ここで新たな事業展開に目途が付いた。ただ、新たな設備投資が必要。自己資金だけでは当然賄えないので、金融機関に融資の申し入れにいったところ、今まで通り、父が債務者、息子が連帯保証人では融資は難しいとのこと。困った息子さんは、税理士のところに相談に行った。

 

その時の話

息子 融資が難しいと金融機関に言われたものの、新たなビジネス展開で、業務が上向くのは間違いないとおもっています。

 

税理士 そうですか。話の内容からすると、私もそれなりに行くのではと思えます。金融機関はなんといって融資を渋っているのですか。

 

息子 実は、父の年齢と私の財産の少なさと、なんといっても株式の保有割合について、問題だと言っています。

 

税理士 そうですか。確かに金融機関は心配するでしょうね。息子さんは、近い将来社長になる気き、あるようですね。お父さんは社長交代する気はありそうですか。

 

息子 金融機関からの要請があるのと、良いやり方があるのならば説得することはできるようには思っています。死ぬまで続けるという気持ちはないようですから。

 

税理士 それでは良い方法があります。信託契約をとることです。簡単に言えば、経営の安定的承継と成長を目的として、お父さんを委託者、息子さんが受託者で、受益者もお父さんにして、株式を信託財産とするのです。この場合にお父さんがまだ経営に関与していたいのであれば、株主権の中の議決権については、指図権を持つようにする、といった内容です。

 

息子 ということは、株式は、すべて受託してもらって、私が筆頭株主になるので、社長に就任し、受益者たる父は、株式の配当や、報酬を少しもらえるということですね。

 

税理士 はい。お父さんは、会長になってもらって、報酬をある程度下げ、しかも退職金を税務上問題のないようにだして、非常勤役員になってもらえるのならば、経済的にも全く困らないでしょうし、経営にも関与できます。会社にとっても退職金は経費算入が水戸締められますし。

 

息子 とてもいい話を聞けました。まず父と相談してみます。安定的に事業承継ができて、父の経営権と経済的利益も確保できるのならば、何も言わないでしょう。先生ありがとうございました。

 

税理士 信託契約の概要の説明と、信託契約自体には知り合いの専門家とともに、私どもが様々な点についてお話しを聞いて、お父さんの将来の会社への想いを実現するような信託契約書案を作成してみましょう。