〈世界のザダンカイ〉 中米パナマ――宝の友と心一つに歓喜の舞を2024年4月26日

陽気で軽快なリズムの伝統舞踊が披露された、第10本部の合同座談会(ロスサントス県ロスサントスで)

陽気で軽快なリズムの伝統舞踊が披露された、第10本部の合同座談会(ロスサントス県ロスサントスで)

 日本から約1万3500キロ離れた中米のパナマでも、多くのアミーゴ(友人)を招いての“ザダンカイ”が、にぎやかに開催されている。2月半ばに同国を訪れ、南部のエレーラ県とロスサントス県を広布の舞台とする「第10本部」の合同座談会を取材した。(記事=山科カミラ真美、写真=梅津賢太郎)

 首都パナマ市から、車で南西へ走る。パナマ運河に架かる「アメリカ橋」を抜けると、ビル群から一転して深い緑の景色が広がった。

 目指すのは、ロスサントス県のロスサントス。同行してくれたカイロ・オチョアさん(第10本部本部長)に地域の様子を尋ねると、「農業・畜産業に従事している人が多く、みんな素朴ですが、お祭り好きなんです」と語る。

本部内にあるエレーラ県チトレの町並み。奥には、太平洋の海が広がる

本部内にあるエレーラ県チトレの町並み。奥には、太平洋の海が広がる

 ここには、「ポジェラ」と呼ばれる伝統舞踊の衣装やアクセサリーを作る職人が多く存在し、年間を通じて祭りやパレードが開催されている。確かに、2月のカーニバルは終わったはずだが、まだ町全体にはお祭りの雰囲気が漂っていた。

 「相手を気にせず水を掛け合うイベントもやっているから、町を歩くときは要注意ですよ」と、オチョアさんはほほ笑む。

伝統衣装「ポジェラ」の髪飾り

伝統衣装「ポジェラ」の髪飾り

色鮮やかなブーゲンビリアの花

色鮮やかなブーゲンビリアの花

 「海が見えてきましたね。もうすぐ到着します」
 パナマ市から4時間。座談会の会場は、太平洋の海原が見渡せる場所にあった。車から降りると、太鼓のリズムとともに陽気な歌声が響いてくる。

 「オーウエイ♪ オーウエイ♪」。会場の入り口には、伝統衣装に身を包んだSGIメンバーが立っていた。猛烈な暑さにもめげず、踊りながら満面の笑みで友を出迎える。その温かな真心と躍動のリズムに触れ、参加者の心も歓喜に弾んでいく。

座談会場の入り口で、歌を歌いながら友を出迎える

座談会場の入り口で、歌を歌いながら友を出迎える

 この日は日曜日。午前10時、司会を務めるコリナ・アフーさんの第一声で座談会はスタートした。

 「きょうは素晴らしい海を眺めての集いに、多くの方が参加してくださっています。ムーチャス・グラシアス!(本当にありがとうございます!)」

 勤行・唱題の後、司会が伝統の歌を披露。続いて、婦人科医のソニア・ニコラス婦人部本部長が体験発表した。

笑顔の花咲く第10本部の合同座談会。さらなる前進を約し合った

笑顔の花咲く第10本部の合同座談会。さらなる前進を約し合った

 2月初め、ニコラスさんの83歳の父が倒れ、緊急搬送された。大腸に穴が空き、腹膜炎や腎不全の症状が出ており、危篤状態に。しかしニコラスさんは、信心を52年間貫いてきた父は必ず乗り越えられると信じていた。

 「何があっても題目をあげ抜く」との決意を胸に、同志と共に祈り抜いた。

 父の手術は成功。高齢であるにもかかわらず、医師が驚くほどの回復力を見せた。先日、無事に退院できたという。

 ニコラスさんが、「私たちは池田先生と共に勝利しました!」と感激の面持ちで語ると、会場から大きな拍手が湧き上がった。

伝統衣装に身を包んだ友の喜びがはじける

伝統衣装に身を包んだ友の喜びがはじける

 パナマSGIの第10本部は、昨年6月に新体制となった。新たな弘教・拡大のうねりを起こしたいと始めたのが、本部での合同座談会だ。

 合同座談会は、各地区での座談会とは別に不定期で開催。地域の人々になじみのある伝統舞踊や音楽のコーナーも取り入れている。

 ニコラス婦人部本部長は言う。
 「本部の中には、家族で一人、信心を貫いているメンバーが多くいます。ですので、未入会の家族も楽しめるように、合同座談会の内容を企画しています」

 今回の座談会には、未入会の家族や親戚、友人が多く参加した。その数はなんと20人。参加者の3分の1を占めていた。

座談会には、次代を担う青年部の友らも多数集った

座談会には、次代を担う青年部の友らも多数集った

 御書学習のコーナーでも友人に伝えやすい工夫がされていた。その特徴は“全員参加型”であること。

 婦人部のヌリア・デ・デルガドさんが、今回学ぶ御文を拝読した。

 「自他・彼此の心なく、水魚の思いを成して、異体同心にして……」(新1775・全1337)。解説した後、参加者に問いかけた。

 「さて、“異体同心”とは、どういう意味でしょうか?」

 「一人一人の個性は違っても、心は一つ」「皆で同じ目標に向かって団結すること」などの答えが飛び交う。

 さらに「水と魚の関係」について質問し、参加者に考えてもらいつつ、異体同心の団結の重要性について語った。

 「池田先生は教えてくださっています。“自己中心的で、傲慢な心は、団結を破壊する”と。私たちはどこまでも信心根本に、共に祈り、共に座談会に出て、共に幸福境涯を築いていきましょう!」

 デルガドさんが「よろしいでしょうか」と呼びかけると、参加者は「はい!」と元気いっぱいに応じた。

 座談会は、リカルド・アルメンドラス地区部長とオチョア本部長のあいさつで幕を閉じた――と思いきや、第2部がスタート。伝統舞踊が披露され、続いて和気あいあいとした懇談の花が咲いた。

未来部の友も皆で、伝統舞踊のパフォーマンスを楽しんだ

未来部の友も皆で、伝統舞踊のパフォーマンスを楽しんだ

座談会の第2部。海が見える広場で、ざっくばらんに語り合う

座談会の第2部。海が見える広場で、ざっくばらんに語り合う

 「楽しいところに、人々は集う」との池田先生の指針を象徴するかのような座談会。会場に、にぎやかな笑い声が響く。温かくて明るい、一つの“大きな家族”の集いのようだった。

 第10本部では、この半年で新たに3世帯が入会。座談会に参加していた友人は、「SGIの会合に参加すると、いつも元気になります」と。この友は間もなく御本尊を受持する予定だ。

 鮮やかな躍動の舞に、拡大の歓喜が光る。友の心には、本部のスローガンである「シエンプレ・ビクトリオッソ(常勝)」の魂が脈打っていた。

合同座談会に集った友が記念のカメラに

合同座談会に集った友が記念のカメラに