はじめに


ザックリ内容


ロシア語を勉強してるときに聞いて、意味はよく分からなかったが、妙に惹かれた歌がある。

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『祈り』(吟遊詩人ブラート・オクジャワ)

神よ 人々に 持たざるものを 与えたまえ

賢い者には 頭を 臆病者には 馬を

幸せな者には お金を そして私のことも お忘れなく………

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それから、たくさん勉強してたら、「私」という存在が薄れ、自分の殻から解放され、生まれ変わる心地がした。
問一
◎自己の更新


進路選択の動機
→問二



外国語を学ぶこと
=母語ではとうにありふれたものになっていたものごとを、もうひとつの言語の世界でひとつひとつ覚えるたびに、見知った世界に新しい名前がついていく。
問三
◎世界認識の更新、既知が未知に


それは『祈り』のようでもある。この歌の解釈は多様だ。
→問四
◎自明の意味を再考、分かるようで分からないオモシロさ
(届きそうで届かない恋愛みたいな?ちゃうか)


この詩には言語への希求のようなものがあるように思えてならない。
この詩を読もうとすると、辞書的な言葉の意味を疑い、再考を迫られる。
「言葉」と「意味」はひとつにはならないーでもだからこそ面白い。
→問五
◎無限の解釈の可能性
=言葉の魅惑的な力
ソシュール言語学

のびお的まとめ

人は言葉により
何度も生まれ変われる

言葉は人により
無限の命を与えられる


  解答例


 問一

(1) 言語というものが思考の根本にあるからこそ得られる、言語学習者の特殊な幸福状態

どのような状態を指すのか

 外国語を学習することで、母語で身に付けた価値観や自己認識から解放され、怖れと好奇心の混じる未知の中で、新しい自分に生まれ変わるような、心身の恍惚状態。


※以下に注目
自分自身という殻から解放されて楽になるような気がして、

「私」という存在がもう一度生まれていく心地
→頭ではなく恍惚

後半がメルヘンチックになってる笑
子宮に浮かび、新しい言葉=へその緒からの栄養を取り入れ、産道から出ようとしてるイメージ

新しい世界とは怖くて愉しいもの宇宙人


 問二 

(2) 加えていうなら、逃げ場がないような崖っぷち、という場所を探してもいた。

読み取れる筆者の心情を説明せよ。

 世間体や常識、リスクなど気にせず、自分が本気で取り組みたい夢を追い求めようとする情熱。


※京大あるあるの受験生へアピール?
猪突猛進、攻めまくれ!


 問三 

新しい言語を学ぶ――その魅惑の行為を前に(3)人は新たに歩きはじめる。

どういうことか。

 外国語を学ぶことは、母語の意味や既存の概念を再考し、新しい視点で世界を認識するようになる、スリリングな行為だということ。


※問一が自己認識、問三は世界認識の更新について

傍線部の続き↓を説明
母語ではとうにありふれたものになっていたもの ごとを、もうひとつの言語の世界でひとつひとつ覚えるたびに、見知った世界に新しい名前がついていく。


 問四 

(4) この歌の解釈は多様で

筆者はこの歌をどのように考えているのか、本文全体を踏まえて説明せよ。

 常識や固定化された価値観を揺さぶるだけでなく、母語として自明とされている言葉の意味の再考を迫り、聞き手の認識を広げてくれる、多層的な解釈が可能な、スルメのように味わい深い歌。


詰め込みすぎ?
二文にした方がスマートかも。





 問五 

そうして緩やかにつながる言葉同士の関連性に目を凝らし、意味の核心に迫ろうとするが
(5)核心は近づいたかと思えばまた遠ざかる

のように筆者が言うのはなぜか、『祈り』の歌詞に触れつつ説明せよ。

 「賢さ」や「幸せ」の意味は文化や人によって多様な解釈ができるように、外国語を学ぶことで既知の言葉が新しい意味を持つが、それは学習により絶えず更新され続けるものだと考えられるから。



☆キーワード
言葉には多様な解釈の可能性がある
認識を更新し続ける=学び

言いたいのは、
外国語で新しい認識を得たら、既知の言葉への見方も変わって、また新しい意味が付与される。この繰り返し。。
→シニフィアンとシニフィエの関係

やっぱり説明ムズい!笑い泣き


これ、学問の姿勢に通ずるような。
研究は疑問が解決したと思ったら、解から新しい疑問が生まれる。

この繰り返しを楽しめるのが、真の学習者なのか!
解を出して満足する学びから卒業しよう、ということかしら。

「学びには答えがある」って考え自体が古いのかもしれない。。不安


  おわりに

これ東大(問四)と申し合わせしてる?笑  テーマ、設問が似てるぞ ↓


問五の感覚は、読書や性格にも繋がりそうなテーマでおもしろかった にっこり

☆同じ本でも人生ステージで異なる発見がある。
→筆者の主張や文章は同じでも読み手への「意味」は可変

★性格は、気分や関わる相手によって変わる
→環境との相互作用により可変
不変と思ってるのは自己認識の問題