夏目友人帳・漆(しち) 第7期 2024年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

第一期 第一話

 

原作 緑川ゆき 発表(2003) 『LaLa』『LaLa DX』連載中

テレビアニメ
第一期 2008年 第二期 2009年 第三期 2011年
第四期 2012年 第五期 2016年 第六期 2017年
第七期 2024年

キャスト


夏目 貴志(なつめ たかし) - 神谷浩史
ニャンコ先生/斑(まだら)  - 井上和彦
夏目 レイコ        - 小林沙苗 貴志の祖母。故人
藤原 滋            - 伊藤栄次  貴志の保護者(遠縁)
藤原 塔子           - 伊藤美紀  滋の妻
貴志の友人
田沼 要(たぬま かなめ)       - 堀江一眞
多軌 透(たき とおる)        - 佐藤利奈
西村 悟(にしむら さとる)    - 木村良平
北本 篤史(きたもと あつし) - 菅沼久義
笹田 純(ささだ じゅん)       - 沢城みゆき
祓い屋
名取 周一(なとり しゅういち) - 石田彰
的場 静司(まとば せいじ)       - 諏訪部順一
七瀬(ななせ)          - 土井美加 的場一門の秘書
妖怪
ヒノエ              - 岡村明美 呪詛使いの女妖。1期12話 
三篠(みすず)  - 黒田崇矢 馬と人の合体。1期3話


感想
前提の再確認のため第一期の第一話を先日アップした。
今回の第七期まではごくたまに観る程度で、詳細のいきさつまでは汲み取れないが、一応毎回完結なので特に支障ない。
さすがに祓い屋の名取や的場とのやりとりでは、前シリーズの知識が欲しいと思った・・・

感想動画(雰囲気は十分伝わる)
1話  2話  3話  4話  5話  6話  7話  8話  9話  10話  11話  12話


あらすじ
第一話「破片は愁う」10/8
ある日、名を返した妖(あやかし)からお礼に灰を貰った夏目は、田沼から粘土を貰って混ぜ、ミニのニャンコ先生を作る。
それ以来、ミニニャンコ先生の周りで奇妙な事が起き始める。
ある日そのミニニャンコ先生が、この体と木の茶碗を譲って欲しいと言って去って行った。それを追う夏目とニャンコ先生。
途中妖に襲われるが、ミニニャンコ先生が撃退してくれた。
実はミニニャンコ先生は仏像のかけらで、魂が彷徨っていたところミニニャンコ先生に入ったらしい。
妖に襲われてミニニャンコ先生が壊れてしまった。


壊れたミニニャンコ先生を、お椀に入れて川に流すと、元の仏像と合流すべく川を上って行った。




第二話「いつかの庭」10/15
花の苗を貰って来た塔子さんのために花壇を作り始める夏目だが、その囲った石が夜のうちになくなる。
次の夜、あとを尾ける夏目。翁の面をつけた妖らが木箱の中の庭と屋敷を直していた。数十年ぶりに訪れる神様のためだという。
修復を手伝うことになった夏目だが、お人よしに心配の田沼。


苦労の末に箱屋敷と、塔子さんの花壇も完成。
訪れた「しだ神様」は感謝した。


花が咲いたと喜ぶ塔子さん。

 
第三話「とおかんや」10/22
仲間の妖怪に誘われて菓子屋に行く途中、山に登って行くカカシの群れを見掛ける夏目。気になって夜、その辺りを歩く夏目は、カカシが数体家の中に入るのを見る。だがそれは夢だった。
夢の記憶を辿って行くとカカシが入って行った屋敷から、再びカカシの群れが出て来て去った。表札は「雨沢」
そこに現れた祓い屋の名取。ここの家人が、妙な気配を感じて眠れないと聞き出向いた。カカシが何か言っていたと言う夏目。それは「とおかんや」心当りがあると言って連れて行かれる夏目。
相手は依島(よりしま)という男性。昔は祓いに一族だった。
彼が言うには人と妖(あやかし)の勝負。「十完夜」だという。
そこの家人に対し、一日に一度訪れる妖が脅して、家人が家を空ければ妖の勝ちで家を明け渡す。人が持ち堪えれば、妖は人に富みを与える。勝負と聞いて祖母 レイコを思い出す夏目。
カカシの妖について訊くと、禁術で作られたものだと言う依島。
辞する夏目の気配を気にする依島。

雨沢氏に会う夏目と名取。最近、追い回される夢を見るという。
異変が起き始めて昨夜で九日目だと言った。今晩堪えれば異変は去ると言う名取。今晩、それに備えて結界作りを提案。
依島について、妖に左手を食われたが翌日戻ったと言う名取。
罠の陣を屋敷の各所に描いた名取。夜になってカカシが来た。
マダラになったニャンコ先生が一匹追い出す。あと九匹。
夏目がおとりになって、陣に飲み込ませたり外に出したり。
九体までやっつけたが、残る一体が見つからない。
寝ていた雨沢氏が起き出し、箒に向かって「譲ってはやれない」と言った。それはたちまちカカシの姿になって去って行った。



第四話「頁の奥」10/29
同級生の北本と歩く夏目。いつもは閉まっている古本屋が、珍しく開いていると言った北本。誘われて中に入るが、何かの気配を感じた夏目は、家でニャンコ先生にその話をした。
怪しいものには近づくなと警告する先生。
再びその古本屋で本を探す北本。開いた本に紙が挟んであった。
その時、制服の女学生が声をかける。


学校で友人の西村に、北本の様子がおかしいと言われる夏目。

学校帰り、北本をつける夏目。あの古本屋に入って行った。
北本に話を聞くと、昔父が探していた本を見つけたいと言う。
だが、開く本に時々字を書いた紙が挟んであると話す北本。
それを見つけた夏目。妖文字が書かれていた。「舌」と読めた。それに反応するニャンコ先生。そこに例の女学生が来て、危険だから出て行けと命令。そこを出た二人。
あの女は妖者で、店内は妖の世と繋がっていると言う先生。
店番のおばあさんは普通の人だという。
普通の人は気付かない。そしてあの紙は呪詛だと言った。
「舌をちょうだい」と言う妖怪の夢を見た夏目。あの紙・・・
古本屋に行った夏目をまた咎める女学生。妖だと認めた。妖「デイ」を封じ直さねばならないと言う。夏目が見つけた紙に「奴の気配だ」と言った。昔がらこの店に悪鬼を封じた書物があったが、店を再開する時に封が解かれ、店内に放たれた。
女学生は「カエダ」持ち主が寝ている間、家を守るのが役目。
最初にこれを見た者に呪いをかけ、その力を抜く・・
数枚見た北本に呪いが掛かっている。再び封じることが出来れば、と言うカエダ。そのために紙を集めるカエダと夏目。
北本とのやりとりを続けていた事を話すカエダ。
そんな時に北本が来た。忙しくなるから当分来れないと言って、カエダに読ませる短編集を持って来た。北本の手が透けていたと言う先生。奴が力をつけ始めた(見つけ易くもなる)
気配から「デイ」の手首を掴んだ夏目。すかさず先生がマダラに変身して動きを止める。カエダが本を開いて呪文を唱えた。
「デイ」が吸い込まれて行った。本は閉じられた。
呪詛の破片が本から離脱して行った。北本も夏目も元に戻った。
カエダは、力を使い過ぎたと言って北本の本を夏目に託し、本の世界に帰って行った。


第五話「ちょびの宝物」11/5
同級生と別れて歩く夏目は、夕暮れの空を飛ぶ龍を見る。
その龍は時折り光を振りまいていた。
翌日、学校でも龍を見た夏目。先生は見た事がないと言う。
先生と共に白龍探しを始めた夏目だが、探すと現れない。
そんな時、前を歩くちょびを見つける。突然倒れた。
夏目が事情を訊くと、いつもヒゲの手入れに使っている櫛が、折れてしまったという。昔オオガイから作ったという。修理しようかと夏目が申し出るが、髭が引っ掛かると断られる。
学校で田沼に訊かれ、その話をする夏目。
父から貰った螺鈿の小物入れの思い出を話す田沼。
また龍を見た夏目。キラキラ光るのは龍の鱗だった。
あれで櫛が作れたら、と追いかけ始める夏目。だが果たせず。
力になってくれているちょびの役に立ちたいとの思い。
その話を聞いた先生は、仲間を集めて鱗探しに協力する。
だがなかなか見つからない。いつの間にか現れた妖が、あの龍は鱗が生え変わる時だけ飛んで、古い鱗を落とすのだと言った。

妖の仲間が、木の上に鱗らしきものが光っていると言って来た。
それは崖の上の松の木。手伝おうかという妖を制して、自分で取りにに行った夏目。苦労の末に鱗が手に入った。
それをちょびに渡す夏目。「これが特別なものだと}とちょび。
だがそれは思い込みだったかも知れない。ちょびがそれをこすると輝き出した。そして突然櫛になった。
「うん、確かに良き櫛のようであります」
それで髭を梳くと、それがニョキニョキと伸びた。
そして突然あの龍に変身したちょび。
「夏目殿、大事にするのであります」と言って、龍は櫛を咥えて飛んで行った。




第六話「廃駅・ふたつの輪」11/12
急に雨が降り始め、雨宿りで古い駅に入る夏目とニャンコ先生。
そこに先客の的場がいた。昔のいきさつがあり警戒する夏目。
的場は風呂敷で隠した鳥籠を持っていた。中から小鳥の声が。
たった今捕まえて来た、たちの悪い妖怪だという。知り合いの旧家から家を見て欲しいと言われ、行くとモチの木に宿ったこれを捕まえたという。先生はそれを「ヒトクビ」だと言った。
こいつを処分すると言う的場だが、その時地響きがして、巨大な妖怪が出て来る。的場に言われ目を閉じる夏目。
去って行った巨大妖怪。それに「ヒトクビ」を持って行ったもらった言う的場。雨も上がり、去って行った的場。

箱崎邸を訪れる夏目と先生。祖父が妖祓いの研究をしていた。
今は孫の紅子が片付けのために通っているが、家の周りで変な気配がするので、夏目に見てもらおうと呼んだ。
ただ、祓い屋とは関わりたくない・・・ここの祖父が、自分の祖母のレイコと関わりがないかと訊く夏目だが、紅子は知らない。
家の周りを夏目が探していると、木から何かが落ちて割れた。
見るとそれは鏡。そこに現れたのは的場。傘をさしている。
配下が仕損じた妖がこの辺りに逃げ込んだという。この家でも何かありそうだと言ったら、渋々通してくれたと言った。
妖怪が逃げないよう結界を張ったので、先生も出られない。
やむなく協力する夏目。その妖怪は、配下の者が集めた妖の小物を人形に宿らせる禁術を使ったために出来たもの。

的場が持つ傘が気になる夏目。今回とは関係ないが、的場の右目を狙う妖怪に魔除けとして作用させるものらしい。
屋敷の周囲を探す夏目。的場一門の者も動き回っている。そこに的場の秘書 七瀬も居た。彼女も傘を持っている。頭の悪い妖怪との攻防が以前から続いている。開くと目玉に似てる。
そこに人形の妖が現れる。追い掛ける七瀬は、屋敷のあちこちに仕掛けがしてあると言った。鏡が落ちていたと言う夏目は「まずいね、カケラでもいいから鏡を幹に刺して」と頼んだ。
木に向かう夏目。先生は、禁術で出来たものは祓えないらしい。
的場が人形を陣におびき寄せる。だが仕掛けが不十分。
間一髪で夏目が取付けた鏡の反射で、人形が砕け散る。
その時、別の妖怪か空から。「こんな時に来やがった」と七瀬。
傘めがけて落ちた。危うく逃げた門人。的場家の右目を狙う妖怪の姿が現れた。

まだ倒れ切っていない人形を妖怪に襲わせる的場。

頭からそれを食い尽くした妖怪は、這いながら去った。
的場一門と妖の関係に、心がざわつく夏目。


第七話「苦手なふたり」11/19
西村が、多軌透に美形の彼氏がいると夏目に嘆いて来た。
多軌にはいつも話を聞いてもらうばかりだ、と呟く夏目。
その多軌からもらったというエクレアを食べている先生。
ベンチに掛けて悩んでいる多軌に、声をかける夏目。
兄か帰って来たと言う多軌。彼女の両親は仕事で海外に居ることが多く、6歳上の兄は離れた大学に行っていると聞いていた。
亡き祖父と仲の良かった多軌と違い、兄は祖父が苦手だった。
それが最近、突然帰って来たものの家になかなかおらず、食事も外食。私の料理を食べたくないのか、との悩み。
兄さんが何をしに帰って来たのかをお前が訊け、と先生。

その兄、イサムと多軌の家でお茶をする夏目。
家に帰った理由を夏目が訊ねると、プイと散歩に出たイサム。あとを追った夏目。そのイサムの背中からぼんやりと妖が見えた。
最近妙なことはなかったかと訊く夏目。イサムは郷土研究のサークルで、迷信めいたものを否定して回る活動をしているという。
最近黒影が出る噂を聞いて出掛けたが、何もなかったと言った。
昔から、祖父と多軌との輪に入りたかったがダメだった・・
手伝って欲しいことがあるから、明日家に来てと言うイサム。

夏目が家に行くと、イサムが庭にテントを張って中に居た。
夏目と多軌も呼ばれて中に入る。荷物整理をしていたら、子供の頃の日記帳が出て来て、その裏表紙に鍵が貼り付けてあった。
それでこの鍵穴を探しに帰って来たという。それで探し始めたが、家に入ると具合が悪くなると言った。イサムの背中から、また妖が現れた。イサムに憑りついている。
先生が覗きに来て、慌てて排除する夏目。先生の話では、多軌の祖父が残した結界や術が残っており、イサムに付いた妖の具合が悪くなるのだろうとの事。ただ、妖に害はなさそう。
たまたま先生に触れて具合が良くなったイサムに、先生を預けた夏目。それを見て、兄に妖が憑いている事を知る多軌。

皆で手分けして探すが、鍵穴はなかなか見つからない。
イサムと話すうちに彼の妖が出て来た。彼から離れてくれと頼む夏目に、今は離れられないが、詫びに警告をと言った。
「鳳凰の書棚、人の子、下敷き」
イサムに聞くと、蔵に鳥のレリーフがある書棚が、と言った。
走る二人。多軌が書棚の前に居る時、箱が落ちて来た。多軌の体を守るイサム。多軌が話す祖父の事で、全て思い出したイサム。
書棚をズラそうとするのに皆が手伝った。
その壁にあったのは鍵穴の付いた扉。鍵はピッタリと入った。
そして中にあった石を多軌に渡した。
透が生まれる前の日に、花の模様のある石を祖父と探したが見つからず、仕方なくキレイな石を拾って帰り、花の絵を描いた。


いつか妹にプレゼントするまでは、二人だけの秘密・・・
それをやっと思い出したイサム。

君になら透を任せてもいいかも、と言って去るイサム。
イサムに憑いていた妖は、大学裏の祠にいたものだったらしい。


第八話「月夜の夏目」11/26
学校で、頼まれて荷物運びをする西村は、そこでカラスと話している夏目を見掛けて声を掛けた。走り去る夏目。
そこにカラスが人形の指を落として行った。拾った西村。
夜、二階の自分の部屋に居る西村は、窓の外に夏目を見つけて仰天する。西村が人形の指を見せると「しばらく持っていてくれないか」と言い、誰にも言わないでと言って去った夏目。

学校でも、秘密と言われた事を守って、夏目にその話をしなかった西村。夏目自身は全くいつもと変わりない。
その晩も夏目が来て指を確認し、去って行った。
次の晩も夏目は来て、指を確認して行った。
その後もそんなやり取りが続くが、学校ではいつも通りの夏目。
寝不足気味の西村を気にする夏目。
いつもの様に夏目が確認に来た時、鼻歌を歌っていた。
それを西村が言うと「良く歌ってくれたんだ」と言う夏目。
誰に?と訊くと「忘れた」と言う夏目。そして西村に名前を訊くが「まあいいや」と言って去って行った。
もう一度友達になった気分の西村。

他の友人から、西村の体調が悪そうだと聞いて話しかける夏目。
目覚めるが「今は昼か、じゃあ秘密だな」と返した。
「大丈夫だよ、夏目」と言う西村を見つめる夏目。
「ごめんな西村。何とかするから」と西村の目を見る夏目。

次の夜来た夏目は、西村に指を持たせて散歩に誘った。
連れ立って歩く二人。鼻歌を歌う夏目。
廃屋の様な洋館に西村を誘う夏目。先にスタスタと行く夏目を追って二階に行った西村。そこの窓際にカラスの羽根が散らばり、少女の人形が倒れていた。
「左の手、中指を嵌めてくれ」
いつの間にか後ろに居た夏目が言った。
言われたように指を嵌め、少女を椅子に座らせた西村。
だが振り返ると夏目はいなかった。
突然人形が動き出す。慌てて逃げる西村は階段を踏み外した。
「西村!」夏目に呼ばれて目覚める西村。
人形や指の話をする西村だが、夏目には意味が分からない。
「変なことに巻き込んだみたいだ」と謝る夏目。
問題は解決したが、何故か寂しさを感じる西村。

ニャンコ先生と、事の顛末を話す夏目。カラスが咥えているものに、妙な感じがしていた。それがあの館の人形のものだった。
人形は、カラスに奪われた指を探して念を飛ばし、西村に近づいた。その念が夏目の姿。だが、何故今夜だったんだろう。
「満月じゃからな」と先生。月の力で強くなる妖だったか・・
階段を落ちかけた西村を掴んでいたのは人形の手。


西村が言っていた鼻歌の事が気になる夏目。


第九話「儀式を阻む者」12/3
祓い屋の名取に誘われて、旧依島邸の枇杷を取りに行った夏目。
かかしの妖怪の時、世話になったあの依島。名取はその屋敷から本を取って来る代わりに、好きなだけ庭の枇杷を取っていいと依島から言われていた。
ニャンコ先生と枇杷を取っていた夏目は、隣の家のポールに掲げられていた旗の紐を、誰かがハサミで切るのを見た。
その旗が流れて来て、夏目の頭に絡まって来た。


落ちる夏目を危うく受け止めた名取。事情を説明して、その家に向かった夏目と名取。何気なく玄関を開けた名取。
紙人形が座っており「オイデナサイマシ」と挨拶。
そこに出て来たのは的場。ここは三春家の屋敷で、家は絶えたものの、御柱様を受け入れる儀式の代行を的場一門が請けていた。
数十年に一度、この家の守り神である、三体の妖の一体がやって来る。「交代制の座敷わらしか」と言う先生。
三体が交代で九回来るという約束を律儀に守っている妖。
家が絶えている事が認識出来ていないか・・・
名取が玄関を開けてしまったので、術のかけ直しが必要だと言う的場。いきがかり上、協力する名取と夏目。

迎え入れる柱の間を紹介する的場。前回の迎え入れは40年前。
三体は「シロツメの君」「坊々頭巾」「アカニエ」
どれかが来るが、昨日まで守っていたのは「シロツメの君」
ここに来た理由を訊かれ、布が飛んで来た事を話す名取。
ヒイラギが出て来て、夏目をサポートすると言った。
旗の紐を切る者の手を見たと的場に伝える夏目。
儀式を妨害しようとしている者が居る・・・
妨害者を探してくれる様頼む的場に不満の名取。
そんな的場と名取が、洋間からの異音に気付き中に入ると、閉じ込められてしまった。
回りが騒がしくなり、迎え入れが迫るのを知る夏目と先生。
そんな時、戸が開いて「鞠あげる、子供は外で遊べ」との声。

一方閉じ込められた的場と名取。的場が窓に椅子をぶつけるが割れない。部屋に術がかけられている。息苦しさを感じる名取。
玄関に現れた妖。当主不在で迎えの言葉を読み上げる七瀬。
鞠を投げつけた妖を追う夏目と先生。落とし穴の仕掛けに落ちそうになった夏目の手を引く妖。一つ目の体から直接手足が出ている。長い髪。なぜ妨害するかと訊くと「三春に消えて欲しいから」そして皆が落とし穴に落ちた。


第十話「約束の残る家(十話の後編)」12/10
洋間の的場と名取。呪いの元さえ分かれば解けると言って、護摩木を焚いた煙で部屋を調べる的場。壁の一角に煙が集まる。
名取に神落としの解術を頼んだ的場。実行した名取。

一方落ちた夏目を先生は、妖からいきさつを聞くことになった。
三春の祓い屋「マサキヨ」の話を始める妖。屋敷に凶悪な妖が入り込んで、家人が困っていたのを三春が容赦なく祓った。
そして自分も祓われそうになったが、力がない事で見逃された。
助けてもらった恩を返すため、それ以降マサキヨに附いて回った妖。だが全く相手にしないマサキヨ。
一度だけ彼が泣いているのを見たと言う。その時「三春の家なんて、無くなってしまえばいい・・」との言葉を聞いた。
それでこの家を壊そうとしたが、御柱のせいかままならず。
だから御柱を怒らせたら三春の家が壊されると考えた・・・
邪魔をする事を思い出して去って行った妖。

的場が戻り、玄関から妖を迎え入れた。柱の間へ案内する。
脱出した夏目は、一つ目が邪魔しようとするのを止めた。気付いた名取が、札を使って一つ目をけん制すると逃げて行った。
柱の間に入った御柱にまじないを読み上げると、本来の姿へと変化し、酌をして飲んでくれれば儀式は終わる。
柱の間に再び出て来た一つ目。名取の説得にも応じず、前に出ようとする。その体を全身で受け止め気絶した夏目。



姿を現したのは「坊々頭巾」だった。酒を捧げる的場。
儀式が終わった事を知って脱力する一つ目。倒れた夏目。
何もかも遅いという事に気付いた一つ目。
「好きに生きるがいい」というマサキヨの言葉を伝える夏目。


第十一話「名前を教えて」12/17
四方谷の大オバケの噂を聞いて向かう夏目。レイコが取った名を返してもらいたいのかも、と考えていた。
そこに現れた妖(ソラノメ)。名を返してもらえるのか?と訊かれ友人帳を繰ろうとすると「一枚目だ」と言った。
夏目レイコの事を聞かせて欲しいと言った夏目。
一瞬だが相手の心が読めるというソラノメは、話を始めた。

最近この辺りを人の子がうろついている、という噂をする妖。
ある日ソラノメが寝床に戻ると、そこにレイコが寝ていた。


その後も時々森で見掛けた。いつも一人を楽しんでいる。
そんな時、レイコとは違う女学生が来て、本を読んでいた。
それをレイコが見つけて咎めた。
「この森を一人でウロつくのは良くないの」
引っ越して来たばかりで話がしたいという彼女に「いやよ」と言って離れて行ったレイコ。
翌日も来た女学生。レイコが落とした校章を渡した。
また来ている女学生に声をかけるレイコ。まだ学校に馴染めないと言う彼女。その隣に寝て「帰る時起こして」と言うレイコ。
ちょっかいを出す妖から守っていると感じたソラノメ。
そんな毎日が続いたある日、女学生がレイコの名を訊いた。
彼女は森永蒼子と名乗った。断るレイコだが、勝負をして勝ったら教えてと言う蒼子。岩に小石をぶつける勝負。レイコの勝ち。

それから蒼子は、毎日レイコに勝負を挑んでは負けていた。
走った時は具合を悪くした蒼子。庭に花を植えたいと言って寝てしまう。この森の向こうに綺麗な花が咲く原っぱがあると呟くレイコ。そんな、知らない原っぱに思いを馳せるソラノメ。

レイコに噂話をする蒼子。隣町には変わり者の乱暴な女の子がいるから、あまり行かない方がいいと言われた。それは夏目レイコというのだと話した。あなたに何かあったら心配・・・
「そう」と返すレイコ。
次の日、以前やった岩に小石を当てる勝負を挑む蒼子。
見事に当てた。『今なら名を知られて態度を変えられても』とわざと外したレイコ。
友だちになりたいと言う蒼子に「夏目レイコよ」と名乗った。
雨も降り、帰るよう促すレイコ。

レイコはもう来ないと思ったソラノメだが、来なかったのは蒼子。次の日も待つレイコ。だが蒼子は来なかった。
隣で泣くソラノメを連れて先を歩くレイコ。
そこには真っ青に咲き誇る花のじゅうたんがあった。
そこで相手と勝負を始めるレイコ。負けたソラノメは名を書いて渡した。それっきりレイコは二度と来なかった。

その次の日、蒼子が来た。咳き込んでいたから数日寝込んでいたのだろう。その次の日も、次の日も来た蒼子。ソラノメはレイコが来た事を話したが、彼女には聞こえなかった。
孫なら、一片でもレイコが住んでいるかも知れないな、と言い名を返してもらいたいと言うソラノメ。
儀式に則り、名を返した夏目。


第十二話「夢路より」(最終回)12/24
学校の帰り、擦れ違った女子学生の話をする西村らと歩く夏目。
皆と別れ、ポケットから出した折り紙人形に夕焼け空を見せる夏目。あまり外に出すなと忠告するニャンコ先生。

数日前、家を訪れて名前を返してもらった妖がいた。旅をする妖だった。寂しくないかと問う夏目に「一人ではない」との返事。
その夜、庭で誰かが泣いている夢を見た夏目は、その庭で折り紙の人形を見つけた。

そこに凧が落ちて来てガラス戸に当たる。
昨日の妖だった。どこぞに折り紙人形が落ちていなかったかと訊く。それが妖の旅仲間だった。落としてしまったという。
凧に念を託していた。自分が着くまで守っていてくれとの願い。

その晩、素敵な夢を見た夏目。先生も同様だという。
それ以来、毎晩美しい夢を見る夏目(先生も)
先生が折り紙に話しかける。会話が成立している様だ。
折り紙に妖が入っているという。そして夢は礼なのだと言った。
旅で見た風景を、預かってくれる礼に見せている。

街へ出歩く時に折り紙をポケットに入れて出る夏目。
先生を介してポストや花屋、本屋などを教える夏目。
翌朝、折り紙の周囲が少し汚れているのに気付く夏目。
学校の帰り道、多岐と話して別れた後、妙な気配を感じる夏目。
翌朝にも折り紙の周りが汚れていた。何かが起こっている?
翌日の学校。階段の途中で妖の気配を感じて驚く夏目。
折り紙の言葉を伝える先生。明日には旅仲間が迎えに来る・・・
その夜、夢で折り紙の本当の姿を見る夏目。
「きれいな夕日を、ありがとう」と言った折り紙。

翌朝、夏目と先生が目覚めると折り紙はおらず、部屋一面に花柄が描かれていた。これを描くために練習していた折り紙。
妖の墨はじきに消えると言う先生。