NHK Eテレ クラシック音楽館 ブラームス4番、1番 12/3放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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ブラームスは20代の頃、1年以上入院した折りに良く聴いた。

また定期的に東京出張があった際も、オーディオプレーヤーでたまに聴いていた。
最近では交響曲にキチンと向き合って聴くという事がなく、そんな折りに新聞でこの番組を見て録画しておいたが、昨日ようやく時間を取ってじっくりと聴いた。


指揮者            クリストフ・エッシェンバッハ
コンサート・マスター   ライナー・キュッヒル 
収録日            2017年10月25日
場所              サントリーホール

 


ブラームス 交響曲 第4番 ホ短調 作品98

 

エッシェンバッハのコメント
4番はそれまでの3曲(1、2、3番)とは違う(独特)。
第一楽章が一つの完全なメロディーではなく、メロディーの断片で出来ている。音楽家と指揮者は、それを主題の展開としてしっかり掴み、理解しなければならない。

 

第三楽章は、別の世界から来たみたいにとても変わっている。

幸せな楽章で、この交響曲の中で何が起きたのかと、多くの人が疑問を持った。
私も長い間そうだったが、今はこのホ短調の悲劇的な雰囲気には、どこかでポジティブな離脱が必要だと判った。それが第三楽章。
最終楽章の、とても厳格なバロック時代の形式、パッサカリアが始まる前に必要だった。

 

私にとっての聴きどころは、この交響曲の抒情的なクライマックスである、ホ短調の変奏の部分。
そしてこのパッサカリアは、全く妥協のない悲劇的な最後で終わる、本当に悲劇的な方法で終わる交響曲のひとつ。

 

ベートーベンの交響曲は、どこかポジティブな要素を持って終わる。
別の形の悲劇で終わる第3番以外は、ブラームスの交響曲も同じ。
だがこの4番は妥協なき悲劇で終わる。パッサカリアは譲歩することなく、徹底的に最後まで続く。


感想
悲劇的な最終楽章を引き立てる形での第三楽章。今までそんな聴き方をしていなかったので、今回そこに意識を集中してみると、確かにそのメリハリに圧倒される。最終楽章の、何と陰鬱なことか。
しかしコントラバス8本、やはり低音部を出すには容積が必要なんだ・・・・

ホルンがイイ。ホルンは高校で吹奏部に入った一時期試したが、音程を安定させるのが本当に難しい楽器。

 

指揮者は違うが(バーンスタイン)コチラで雰囲気を・・・

 

 

ブラームス 交響曲 第1番 ハ短調 作品68

 

エッシェンバッハのコメント
第一楽章から驚くべきもの。ティンパニーが指揮者になっている。
そこに緊張感あふれるメロディーが絡み付く。その後とてもドラマチックなアレグロが現れる。
この楽章にはちゃんとした第二主題がなく、一枚岩のようなかたまり。

 

第二楽章の聴きどころは、バイオリン、ホルン、オーボエのソロ。特にバイオリンはブラームスの素晴らしいアイデア。各楽器の絡み合いの後のバイオリンソロ。

ブラームスは第一楽章の作曲にとても時間がかかった。

 

多くの人に、ベートーベンの5番みたいだと言われた。
しかし、これは彼の本当に最初の交響曲。3番、2番、そして4番を聴いた後で、ベートーベンの模倣ではなく、ブラームスがいかに交響曲を作り始めたかを知るのは素晴らしいこと。

ブラームスは全てを学び、独自の個性を出せるまで、長い時間が必要だった。


感想
第一楽章。確かにティンパニーが主導する流れは、交響曲としては珍しいのだろう。
第二楽章の、大きな流れの中でふわっと浮き上がるバイオリン、ホルン、フルートなどの各パートが何とも心地よい。
最終楽章で、前半の盛り上がりの後、一旦静寂の後の、雄大な大河の流れのようなメロディー。

ここが一番の聴きどころ(だと自分では思っている)。

 

何にしても、クラシックの感想を言葉で表すのは難しい。その交響曲と数十分対峙した時の充足感。それが全てだろう。

 

カール・ベームの映像付きの演奏はコチラ

 

 

エッシェンバッハの公演、この2曲の前に3番、2番の演奏もやっていたとの事(公演が10/20、放送は11/12)。気付かず聴き逃してしてしまった。全く残念なことだ。
この2曲は別指揮者で、また改めて聴こう。