VW(フォルクスワーゲン)問題 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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一応技術屋でメシを食って来た者として、この問題は非常に衝撃的だった。

本日(10/10)での米議会における公聴会では、VW米国法人社長マイケル・ホーンが、一部のエンジニアがやった事だと、会社ぐるみの不正を否定したが、そんなバカな事はない。一部のエンジニアとしてシッポ切りされる前に身を挺して真実を語ってもらいたいものだ。

 

私が知った最初は、多分米国環境保護庁が行った9/18の発表だと思うが、それを遡る部分を含め、判りやすく整理したサイトがある。

コチラ  コチラ2

これによると、VWはもともとトヨタに脅威を感じており、ハイブリッドに対抗するためにディーゼルに頼る戦略を立てた(2003年)。
2006年頃には制御ソフトによる対応を確立していた。

経緯を見て行くと、ボッシュ社の警告を無視して製品に搭載した時点で、犯罪であるとの認識があった筈。

VWの不正で驚くのは、計測モード以外の実運転モードで排ガス低減装置そのものを機能停止してしまっている事。環境を売りにしている企業として完全にアウト。

 

そもそも電熱器の様な、電源を入れれば必ず一定の出力が出る製品は、その性能を検査する事が簡単だが、車やエアコンの様に、負荷に応じて製品の能力が可変する装置については、ある性能を計測する場合に一定の能力で固定する必要が出て来る。よって多分、市場で走っている車のほとんどの排ガスは、試験条件よりも悪い結果になっている。当然試験条件よりも実運転の方が負荷が高かったりするのが避けられないからだ。
でもそこに排ガス低減装置をオフにするという発想をしてしまう、という事でモラル欠如が甚だしいが、それが開発者だけの智恵だとは思いたくない。

 

マツダという会社がある。40年以上前に「ロータリーエンジン」を開発したが、最初燃費の悪さに苦しみ、その後米国の制定した「マスキー法」クリヤーのため、辛酸を舐めた経験がある。それを乗り越えて今、ディーゼル乗用車は、クリーンディーゼルとして国内トップを走っている。
苦しんだからこそクリーンな製品に自信が持てる。企業とはこうあるべき。詳細はコチラ

 

しかしスズキ自動車も、もう1ケ月早く業務提携解消をしていれば、VW株を高く売り抜けただろうに(3割ぐらい損している)。