こんにちは。

 

 

いしいしんじさんの『マリアさま』を読みました。

 

29のお話が集まった短編集です。

 

ちくま文庫の新刊で、文庫本化に際し書き下ろしの「光あれ」が一編増補されているとのこと。

 

 

光の感じがちょっと妖しげに…

 

 

 

 

いしいしんじさんと言えば、私の中では『トリツカレ男』。

 

2012年に劇団キャラメルボックスの舞台を観て

 

すごく面白いと思ったのでした。

 

もう12年も前になるなんて驚きです。

 

 

舞台『トリツカレ男』のパンフレット

 

 

 

 

思えばこの頃がいちばん舞台をたくさん観ていた気がします

 

 

 

そしてそのあと他の本も読んでみたりしたのですが

 

ちょっと付いていけなかったものもあったような覚えが…

 

私は頭が固いのか笑、奇想天外なストーリーになると、時に付いていけなくなって心が途中下車してしまうことがあります💦

 

 

久しぶりの“いしいしんじワールド”はどうかなあ?と少し自分を試すような気持ちもあったのですが

 

一冊を通しての、現実の向こう側、あるいは、もうひとつ高いところ行き来するような感じが好きでした。

 

個人的な好みとしては、いしいしんじさんは短編の方がいいなあと思います。

 

 

 

解説で、ドイツ文学者の松永美穂さんが、「読者はもう、いしいワールドに取り込まれ、アトラクションに参加してしまっている」と書かれているのですが、

 

まさにそんな感じがします。

 

一編一編がアトラクション。

 

そこに入ってしまったら、不思議さや違和感をどうのこうのなんて言っていられない、

 

あれこれ考えたりしている間もなく、その世界を体験させられてしまう…そんな感じがします。

 

 

 

 

面白かったのは、作家の朝吹真理子さんや類人猿研究者の山際壽一さん、

 

俳人の正岡子規、漫才師の横山やすしさんといった実在の人物までが、奇想天外なストーリーの中に主人公として登場してくるところ。

 

そして、実在の人物が登場した方が、むしろ自然に感じられるところ。

 

 

 

『マリアさま』というタイトルがつけられていますが、マリアさまは出てきません。

 

関連していることと言えば、書き下ろしとして加えられた最後の一編「光あれ」に、聖書が使われているくらいでしょうか。

 

 

けれども、最後のこのお話のインパクトがなかなか強くて、そこから遡ってみると

 

どのお話にもどこか人間世界を超えた“光”のようなもの、ただの不思議や奇想天外とはまた違った何かが感じられるような気がします。

 

それは宗教的と言ったものとはまた違い、超越という感じでもなくて、人間的なものとの境界のたしかに感じられる光…

 

いしいしんじワールドの29のアトラクションに飛び込みで参加して、まだボーっとしているような感じがします。

 

 

 

お読みくださりありがとうございます。

 

 

 

さて、ブログを再開してから頻繁に更新して参りましたが、

 

また旅に出ますので、しばらくこちらを留守にいたします。

 

帰ってきましたら、また旅のことなど書いてみたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

それでは、皆さまどうぞお元気でお過ごしくださいませ。

 

またここでお会いできたら幸いです💛