暮れも押し迫った29日、地域包括支援センターのソーシャルワーカーから電話。独居で身寄りなくなんとか暮らしていたものの、足の蜂窩織炎で痛みあり、救急車で病院行くも本人治療は拒否、暴言もあり困っている等々。精神疾患も疑われるが診断もできてない由。
なんとか一晩と頼みこんで入った他の病院から、また転院を迫られ行き先が見つからない。
グレースケアと武蔵野ホームケアクリニックで行っているアパート事業での受け入れを相談。出向いてお会いし、確かに繰り返し一方的にお話し、難聴のため声も大きく、立ち歩こうとしてふらつきあり、病院の大部屋では難しい。本人はどうしたいか意向もはっきりしない。ただ私ぼけとらんよね、と所々で差しはさむので、相当不安いっぱいで高ぶっている様子はわかる。
市職員の方と包括の方と話し合い、クリニックの先生と相談、翌日もう一つのケアホームに打診し、難しければ再度検討することに。先生いわく、これまでも押し付けられて終わりということがあり、引き受けるならそれぞれが役割を担い合ってチームで取り組まないと、結局受けたところの負担ばかり大きい。連絡責任の所在、地域つながりの継続なども課題。
私も、自宅に戻ってそこへグレースケアから訪問する方法なども提案、ただ再び今度は地域・近隣等による善意の見守りや配慮に頼れるのか、電話・押しかけなど繰り返されてきた負担に、しかも正月だし包括もためらい。わかる…。経済的には、ご本人が懐にキャッシュを持っているらしい、金額不明という心もとなさ。
結局30日にケアホームの担当者が面談して、ご本人にはとりあえず行ってみましょうと急きょ入居。ただいつまでもいられる訳ではなく、とりあえず年越し。この件つづく。
と思うと30日には別のグレースケアの利用者の方を、ショートステイ先の有料老人ホームにお迎えし、車で自宅へ戻る。
年越しでショートステイか、自宅でヘルパー(朝夕で4時間)と過ごすか、遠距離のご家族間・ケアマネジャー意見分かれるも、なによりご本人は、自宅でリスクは高いが気ままな正月を希望。もっともちょっとヘルパーや周囲にはキビしく当たられるタイプで、今までも事業者やヘルパーが続かず何度も代わっている。
食事は配食サービスにお正月らしいものが入っているから特にいらないと聞いていたものの、ふたを開けてみたら1月1日のメニューは麻婆豆腐、うわおせちでもなんでもない。ご本人は立腹、グレースケアスタッフ、本人宅はガスも止まっているためやむなく自宅でお雑煮を作って持参し、正月気分を味わって頂こうと思ったら、餅が小指の先ほどで小さいとまたご立腹。詰まらないようにとの配慮がまたアダに。
その他その他でスタッフも心が折れ、3日は私が代わりに入り、ご本人希望で鏡餅を叩き割り、早々の鏡開きで入手の餅をレンジで煮て、缶詰の小豆でお汁粉、やっと正月がきたわとやっと笑顔でこちらもやっと胸をなでおろす。
ほか、特養に入所のお母様を家族に代わって花かごをもって訪ねたり、独居で頑張る認知症のおじいさんを後見人さんの依頼・相談で初詣にお誘いしたり、などなど。
施設なのか在宅なのか、そのボーダーのなかで、本人・家族・地域・専門職・その他の、思いと思惑、理想と現実、意欲と力量が絡んで揺れ動く。正月は特に家族の役割が社会的にも強調されるし、専門職も自分の家族に戻る時間ができるので、振幅が大きく現れる。
今年もいさぎよく振り回されつつ、左右への横揺れを勢いのよい縦ノリで突破していきたい。
「この人も困るけど、誰この踊ってる人? こっちも困るよ!!」
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