任侠ヘルパーのせつなさ | グレースケアのとんち介護教室

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時代の先端にして崖っぷち、ケアのトレンドを脱力レビュー。

せつないドラマだ、任侠ヘルパー。

今晩22時は「非婚アラフォーのシングル介護」。
草彅くん、今回は在宅ヘルパーをやるらしい。



津川雅彦は施設で暴力老人呼ばわりされ、でも失禁が1,2回あったからとオムツを強いられる(第2話)。

拒否して威張る元気はでも、シニア柔道のライバルがボケて寝たきりになりオムツをしている姿を見て、急に失せてしまう。

せつない。

栄光の盾や賞状を処分し、施設からも追い出され…。
そこで草剪が津川雅彦を男気で挑発し、砂浜で一本投げを食らってみせ、大笑い。


ただ、施設の経営者には、運営の効率を下げるやっかいものでしかない。

経営者「老人には老人であることを受け入れて欲しいの」
草彅「ジジババはプライドもっちゃいけねえのかよ!」


ミッキー・カーチスは職員のお尻を触りまくったり、車いす自走で他の居室へ夜這いをかけたりするエロじじい(第6話)。

そこに初恋の人が認知症で入居してくる。急に真面目にリハビリに励み、杖歩行でやっとデートの誘いに行くが彼女には「お父さん」と呼ばれる。何もしてないのに家族に誤解され、強引に彼女は自宅へ連れ戻される。

家族「あたしは家族です こんなこと我慢できません」
草彅「年寄りは好きになったらいけないってか」
家族「いけません。恥ずかしい」

介護主任「家族の心情はそういうものなんだよ。正常な判断能力のない人に言い寄ろうってのが間違っているよ」(任侠に殴りかかられる)

草彅「許されねえことばっかだな。年寄りってのは。惚れたはれたに年は関係ねえのにな」


任侠の一人が自宅に押しかけ土下座してデートを誘う。やっとこぎつけてベンチで待っているところに、草彅が駆けてくる。

「ばあさん、死んだ。肺炎をこじらせて、朝にはもう。だから…」

ミッキー・カーチスは身体を傾けながら、
「…もう少し、待ちたい。昔から、女の仕度の遅いのはしょうがないんだよ。でも待ってる。それがモテる男だ。ほんと女はしょうがねぇな…」。帽子を深くかぶって泣く。

せつない。


施設のルールに、報酬や人材の制約。
家族の思いに、しがらみ。
等しく同じように、受け身な「老人」であらねばならないという押し付け。


そこで直観的に、津川やミッキーのプライドや人生、生きがいを救い出すのが任侠ヘルパーの義侠心。
あきらめを強いる世間に対して、おきて破りの行動をとる。


まさに、ドラマ、ならでは。

でも、ここで「敵」をやっつけて喝采、というわけにいかないところが、09年の介護業界。

効率化を図る施設の経営者はワルなのか、、、と言えば

経営者「私は高齢者に、理解と協力を求めているわ。きれいごといったって料金が安ければ、サービスには限界がある」「その状況で介護する方法は2つ。ヘルパーがボランティア精神で働くか、利用者がその施設のレベルにあった介護を受け入れるか。それでも介護を受けられないよりマシでしょ」

草彅「…………。」


家族が冷淡すぎるのか、、、と言えば

食器を割ったりすぐ出かけようとするおばあちゃんに振り回され、中学生の娘は友だちを家に呼べず、近所の視線は厳しい。

他の回では、やはり追い込まれて虐待や、共働きで苦しく施設に預けるなどというエピソードもあった。


いい悪いを、ひとすじ縄ではくくれない、振り上げたこぶしの持っていきようのない任侠ヘルパー。


ただ、老人に集団処遇で我慢を強いるか、さもなくば職員にボランティアによる献身的な犠牲を強いるか、
経営者が繰り返す二項対立ではない、オルタナティブがどこかにあるはず。


いま、職員に過度な犠牲を求めるのをやめて、マニュアル化・効率化する、集団処遇に戻すなどという議論が出てきていて、劇中の経営者はそんなトレンドを反映している(『だから職員が辞めていく』岡田耕一郎や、『働きすぎる若者たち』阿部真大)。


でも、介護の職人としての働きがいや、技能を発揮できるやりがいはどこに行ってしまうのか?

そして、同時にお年寄りや家族ほか利用者も、満足できるようなケアは、現状では不可能なのか?


グレースケアでも、上質なサービスを提供しつつフェアな報酬で介護職の定着を図る事業で、その答えを模索しているのだけど、

草彅くんたち任侠ヘルパーが、この問いに、どう落とし前をつけてくれるのか、ますます目が離せません。


できれば役立てたいです、私たちのシノギにもあせる








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