猫しっぽ猫からだ猫からだ猫あたま{今までの勉強)
脳卒中患者のフィジカルアセスメント

疾患について

看護について

その他病態

小児


検査や治療について


黒猫しっぽ黒猫からだ黒猫からだ黒猫からだ黒猫からだ黒猫あたまキラキラ




以前、高齢の入院患者が医師からセクハラされたとニュースになったことがありますよね
実際、医師はそんなことしておらず、証拠もなくうやむやになってしまいましたが……
(もしかしたかもう終わった事件?)

医療スタッフからみたら
「これはせん妄や妄想の類いじゃない?」
と思ったものです。

一般的には知られていないせん妄…

私もまだ一般病棟1年目で、よく分からない部分が多いので勉強してみました!



せん妄とは
脳機能の失調によって起こる注意の障害を伴った軽い意識混濁を基盤とする症候群
(注意の障害とは?
ものごとを理解し、記憶し、判断するたの基本的な能力が障害されている。
スタッフの指示を聞いても守れない。認知できない)

現実と夢が混同しているような状態で、経験した患者はエピソードを思い出すことができる


例えば…

手術のために入院したのに、
手術の話は知らない!帰らせろ!
と点滴が挿入されているのに無理矢理引っこ抜いて、着替えず帰ろうとする

スタッフ以外誰もいないのに
業者がきてるから財布を取りに帰る!
と歩いてはいけないのに歩こうとする

など…
話が通じず、なにもしなければ治療の継続が難しい。
そんな感じです




診断基準

①注意力の変調
②元々の注意力や認識能力からの変化が急性に発症し、その症状の重さは一日の中で変動する
③認知機能の変調
④①と③は他の元々持つ障害で説明できるものではなく、重篤な意識レベルの低下の中で起こっているわけでもない
⑤病歴、身体検査、検査結果から上記の変調は投与される薬剤、薬物中毒、離脱症状、毒物への暴露、多様な病因によって起こっているという証拠がある



せん妄になると…
65歳以上の入院患者は約25~40%でおこる

せん亡を合併した高齢患者の一年以内の死亡率は35~40%

入院期間の延長と施設への転院率が3倍に増える
高齢者の手術では、
一般手術で46%、股関節手術で40%、下肢の動脈バイパス術で42%、冠動脈バイパス術で34%の確率で起こる

終末期のせん妄率は28~44%、死亡直前62~85%に発症

ベースに認知症があった場合、認知症でなかった者と比べて5.2倍の発症率


こんなにも多く起こるもので、
病棟あるある話なのですが、
実はメカニズムは不明な部分があるようです





3つの要因として

直接因子
→早期に治療することで予防する
手術
疾患
脱水
感染症(熱、CRP)
薬剤(オピオイド、睡眠薬、坑コリン薬)

~病棟でよくみる危険なもの~
※坑パーキンソン病薬:
※坑ヒスタミン薬:
※ベンゾジアゼピン系薬剤:ゾルピデム、エチゾラム、ブロチゾラム、リルマザホン、フルラゼパム、クアゼパム、ニトラゼパム、フルニトラゼパム
※バルビツール酸系薬剤:
※ステロイド:
※麻薬


誘発因子
→看護介入を中心に検討し予防する
環境の変化
感覚遮断(眼鏡や補聴器、時間がわかるようにする)
睡眠
身体面(便秘、疼痛、呼吸困難、排尿障害)


準備因子
高齢(予備能力の低下、適応力の低下、回復力の低下)
認知機能
脳血管障害
せん妄の既往(一度なるとまたなる)

があるようです。
これらが既往にないか確認が必要です


そして…

不穏=せん妄
ではない!
ということを理解しなくてはなりません
(不穏:攻撃的な行動)

せん妄には3種類があります。
過活動型
低活動型
(一般病棟だと60%くらい発症しているが、ケアに対し受け身で問題行動がないため見過ごされる。月日が分からなかったり、会話が噛み合ってないかなどで判断する必要あり)
混合型

これらが見分けられるようになる必要があります。






そもそも認知症って?

例)
加齢に伴う物忘れだと…
食事はしたけど、食事内容を忘れる。自覚はある。物を無くしても探す

認知症だと…
食事をしたことを忘れる。しかも自覚がない。物をなくすと盗られたと言う事がある


認知症とせん妄は似ています
認知症はゆるやかに発症し、せん妄は急性に発症するため、家族に自宅での様子を問診しておく必要があるのです




せん妄による危険行動の予防は必要であるが、抑制の必要性についてしっかり考える必要があります。

抑制の弊害として
筋力低下、褥瘡、食欲低下、関節委縮、拘束から逃げようとして皮膚損傷、転倒→(身体的弊害)
せん妄の頻発、精神的負担→(精神的弊害)
スタッフに対する不信感、偏見、在院日数の延長→(社会的弊害)
などがあげられ、抑制により約2.9倍のせん妄発症スクがあり、誘発しやすくなが引かせる(高齢者の抑制は4.4倍の発症危険率)ようです


抑制時に考えることとして、本当に抑制が必要かまず考える。可能であれば出きる範囲でやってみることが大切

①生命または身体が危険にさらされる可能性があるか
②他の方法はないか(チームカンファレンスなど)
③抑制は一時的なものであるか(不必要ならすぐに解除すべき)


せん妄であるかを判断するにはアセスメントが必要となります。
家族への問診が必須となるが、他にも判断基準がり…

スクリーニング
ニーチャム混乱・錯乱スケール(NEECHAM)
せん妄スクリーニング・ツール
ICDSC
DOSscale

診断
米国精神医学会診断基準(DSM-5)
CAM
CAMICU

重症度
MDAS
DRS
DRS-98
DI
等が使われます



治療について

薬物療法

不穏は寝かせればよい
では改善しない!
意識障害に対する治療が必要となるため、認知機能障害を回復させることが大切

使用する薬剤は抗精神薬がメインとなります

セレネース
コントミン→鎮静効果があるため、興奮が強いときに用いる
ジプレキサ
リスパダール→低活動性せん妄に効果アリ
セロクエル
エビリファイ→低活動性せん妄に効果アリ
など…

薬剤を使用した場合は、入眠時間、覚醒時間、熟眠感、言動や行動や表情、夜間の覚醒状態をしっかり観察していく!


看護目標

予防のためにはアセスメントと事前の介入が必要。
また、発症しても早期介入によって悪化させないこと!


(1)せん妄のハイリスク因子の確認
年齢や不安の有無、睡眠薬などの増悪因子の排除

(2)リアリティーオリエンテーション
理解度の確認、イメージできているか
また、その人を知ることで対策が考えられる場合もある

(3)環境の調整
環境の変化を最低限にするため使用物品の整理
眼鏡や補聴器、義歯などを装着し早期離床により感覚へアプローチしていく
時計やカレンダーなどで見当識を補い刺激を与える
昼夜がわからない環境にしない

※接するコツ
ゆっくり低い声で話す(患者のペースに合わせない)
短い文で具体的に話す
言葉に隠された内容を探る
目線は低めにし、視線は合わせて注意を向けさせる
落ち着くまで見守る事も大切
大人数で囲むと興奮する事もあるため注意
理解と指示を提供し、不安やよそよそしさをなくす


安心してもらえるような関わりが必要になるのですね。
これはスタッフだけではなく、家族も気を付けなければならないことかもしれません…