《このコラムの解説》
私、細井康生が執筆している幻想SF小説「PSYBORG〜精神感応義体〜」シリーズで参考にした本を気軽にご紹介するコラムです

このコラムは比較的楽しく、
自費出版する「PSYBORG」の参考書籍を

「読んでみてー楽しいよ!面白いよ〜!」

という視点で本をご紹介しているんですが、

今日は 重い です。

真剣にみなさんに問題提起をしたくて、紹介します。


古谷美登里 訳
亜紀書房 刊

2001年9月11日
深夜のニュース速報。

私は布団に入り、リモコン片手に寝る準備をしていた。

モウモウと立ち込める黒煙と悲鳴。

ただの映画の宣伝かと思い、いつ
「人類は生き残れるのか!12月ロードショー」

の文字が出てくるのだろうか?と六畳一間のアパートでボンヤリとブラウン管を眺めていた。

しかし。それが今、現実に起きているのだと気づいた時、たまらない恐怖を感じた。

その後、パパブッシュの言いがかりとも思える宣戦布告でイラク戦争が始まったんだ…。

多くの人々が戦地に送られた。

しかし、私はそれからも
当たり前のように朝起きて仕事に行って
飯食って、風呂入って、寝て
「あーあ、明日仕事行きたくないなぁ」
なんて愚痴を言う毎日。

自衛隊の派遣問題で国会は紛糾し「日本は憲法9条が!」と毎日のように街頭演説を聴きながら会社に向かう。

日常は変わらなかった。

20世紀の二度の大戦や、ベトナム戦争のように、
人同士が直接殺しあうような、そんな情報は伝わっこない。

ステルス戦闘機のピンポイント爆撃の映像は、ただのゲーム画面にしか見えなかった。

ベトナム戦争以降、帰還兵たちは「国家の英雄」から「殺人者」に変わった。

それを払拭するために、国を挙げての「国家高揚」

随分と今と似てるじゃないか?
ねぇトランプさん。

戦争が落ち着いて、次々と帰還する兵士たち。
彼らの戦争はそこから始まったんだ。

PTSD

そんな事でくくれるような、そんな生易しいものではない。

著者のデイビット フィンケルは、実際に戦地に赴いてジャーナリストとして活躍していました。
多くの兵士達と話し、真実を伝えてきたんですが、帰還兵達のその後を追っていくうちに、
「本当の戦争がここから始まっている」

と感じ、この本を書いたと言います。

取材した帰還兵達は、ほとんどが鬼籍に入っています。
自らの手によって…。

生き残った人も、重いPTSDによって今も苦しんでいます。

戦争は多くの死体と、心の壊れた生きた屍を生み出します。

我々の力は微力です。
でも、なんらかの問題提起はできるはずです。

私が今回自費出版の「PSYBORG〜精神感応義体〜」に収録した1編「静寂」はそんな想いを込めて書いたものです。

ゲームのようなピンポイント爆撃の映像

捕虜虐待の様子を記念写真にとり、それをSNSで拡散して得意げになる兵士達

今回はかなり重めの内容になってしまいましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。