隣り街にある昔ながらの洋菓子屋さん。
焼き菓子とケーキとジェラートを、腰の曲がったご主人が全てひとりで作っている。
我が家からは電車で8分、車で11分、自転車でも17分で行ける。
遠くはないけど用のない(と言いながら実は生前祖父母が住んでいた)場所。
つきのわさんが年に数回、営業で訪れた際に立ち寄って買ってきてくれていた。
案件も終わりすっかりご無沙汰していたのが、何の因果か、今度は私が仕事で近くを通ることになった。
地域の人々に永らく愛されているはずなのに、いつ覗いてもお客さんがいない。
私が買わねば!という謎の義務感に駆られ、ついドアを押してしまう。
懐かしさ溢れるアップルパイ。
昭和生まれには堪らない味と見た目。
購入は月1回まで!と、懸命に自分を制する通勤路。
読書メモ
37 白岩玄/たてがみを捨てたライオンたち プライドを保つための仕事・女へのマウント。少なからず男性にはある?持ち合わせない感情。つきのわさんにも見当たらない。
38 柴崎友香/春の庭 しっかりきっちり現実味があるのに、ずっとファンタジーの気配がつきまとう。地に足がついてると思ったら、急に空を飛んでるような…不思議。
39 重松清/ニワトリは一度だけ飛べる 左遷部署にとばされた高慢野郎と変わり者と普通の主人公。異動理由が伏線かと思いきや、ふれることなく終わりちょっとモヤモヤ。
40 坂井希久子/ほかほか蕗ご飯 また好きな時代小説ができた。美味しいモノを丁寧に作る人にはいつも好感を持たずにいられない。柔らかい人柄に惹かれるのも普遍的。
41 さくらももこ/ひとりずもう 笑ってはしゃいで怒られて逆ギレして…学生だけが許される行為を端から見てるだけの人がいる。ノリだけで生きてきた私には考えられない!
42 東海林さだお/パンダの丸かじり 今回もクスクスが止まらない。流行りのサラダチキンに手をつける一方で、芋けんぴを知らないという絶妙なバランスのおじいちゃん。
