ブックリスト27 | 熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

モンチッチのようなヨメが、ツキノワグマのようなダンさまとのゆる~りとした日常を綴ります。
果たして熊と猿は仲がいいのか悪いのか…。
今日も中年夫婦はとことんマイペースに暮らします。

東京生まれ東京育ちのあたしには、あまりピンとこない8月のお盆。
この時期に思いを馳せるのは終戦記念日。

戦争経験者が減り、生の声にふれる機会がなくなりつつあるらしい。
祖父母から直接話を聞けたあたしは、本当に恵まれていたと思う。
教科書や資料集なんかでは到底分からない、リアルな温度を感じることができた。

実際に戦いの中に身を置いた祖父。
一緒にお風呂に入っては、流れ弾を受けてできた傷を見せてもらい、ポツポツと当時の様子を教えてもらった。
だけど残念ながら、あたしが小学生の時に亡くなったので、話は掘り下げられないままに終わってしまった。
今になって、もっとたくさん喋っておけば良かったと後悔している。

祖母はと言えば、歩きも会話も達者な96歳。
写真を見ながら振り返り、昔を色々語ってくれるのが有り難い。
驚くのが、現在の姿とは似ても似つかない当時の体型。
あろうことか、戦時中の方が今の倍ほど太っている。
おまけに割りと身綺麗。
聞けば、食べ物には困らなかったようだし、そこまで大変な思いもしていない様子。
何ならいくつもの軍事施設で働いたおかげで、手に職を得たとさえ言うではないか。

どうも、学校で習った雰囲気とかテレビで報道されている感じと違う…

逞しい祖母の在り方に学びを覚える。




しっかり現実にふれると、どこかに逃げ道を探してしまう。
たっぷりフィクションの世界に浸ってバランスを取る。
怖いも辛いも体験していないくせに、伝聞すらも受け止めきれない。

絶対に戦争には反対だけど、戦争と共に行き、乗り越えた人々の勇気には頭が上がらない。