あたしの人生、さらり・ゆるり。
じんわり心を寄せることはあっても、何かに猛烈に執着した経験はない。
だから、

そういう気持ちがよく分からない。
どうやら子供の頃から無機質で、感情の起伏に乏しかった模様。
予防接種・カミナリ・お化け屋敷等々、定番の泣き叫びポイントでも、ほとんど動じることがなかったと聞く。
逆に、誕生会・テーマパーク・おもちゃ売り場等々、定番の歓喜ポイントでも、ほとんど表情を変えることがなかったらしい。
それでも、年齢を重ね感情表現は少しずつ改善されてきた。
今では百面相と言われている。
変われば変わるものだ。
だけど、人や物に対する情熱は相変わらず。
決してアツアツになることはない。
あくまで、静かに穏やかに。
アイドルを一生懸命追いかける友達の娘、暇さえあれば山に登る友達のご両親、遠方まで趣味の収集品を買いに行く友達の夫…
よくもそこまで夢中になれるものだと呆れながら、どこか羨ましく思っている自分もいる。
きっとあたしには、一生味わえない感覚。
周りが見えなくなるくらい、何かに熱中してみたい。
現在、最も心を砕くのが、我がダンナ・つきのわさん。
主に怒ったり、イライラしたりだけど。
まさかあたしが、10年以上ひとつの対象に揺さぶられ続けることになるなんて…
自分も、付き合いが長い面々も、驚いている。
ただし、これを無邪気に幸せと言っていいのかは、いまだ不明。

