我が家は例年通り、何もしないしどこにも行かない。
人混み嫌いの家に生まれ、しっかり人混み嫌いに育ち、気づけば人混み嫌いと結婚。
この時期に、行楽地やイベントに出かけた記憶はほぼゼロ。
今までもこれからも、ひたすらのんびり過ごして終わるんだろうな。
だからと言って、まるで外に出ないで暮らすわけにもいかない。
こんなあたしにも、多少の予定はある。
ちょっとした雑貨をチェックしたり、近所では扱っていない食材を買ったり、誕生日・母の日のプレゼントを下見したり。
となれば、自然と向かう先は決まってくる。
時間と体力を考慮して、効率良く気持ち良く動きたい。
そのためには、品揃えと人材が確かな場所に行く必要がある。
つまり、百貨店。
流れとしては、まずはきっちり用事を済ませ、余裕があれば他を見て歩くという感じ。
そんな時、おばさんのハートを急スピードで捉えるのが催事場。
特に食がテーマとあれば、頬も財布も即ゆるゆる。
その最高峰は、何と言っても北海道物産展!
※完全に個人の意見です。
連休中には必ず、都内のどこかで企画されるほどの人気ぶり。
それぞれの名バイヤーが、しのぎを削って道内各地の名店を口説き落とす。
いかにベストなタイミング&ラインナップで仕掛けられるか、という腕が試される時。
信頼と実績がモノをいう世界。
まさに、食のバトルロワイアル。
だからこそ、老若男女が漏れなくトリコになってしまう。
ご多分に漏れず、仕事帰りにふらふら引き寄せられてしまったのは昨夜のこと。
何かゲットしなければ夕飯はない。
閉店間際の静けさ、店員数を遥かに下回る客数、疲れて思考回路の閉ざされた脳…
すると、目に飛び込んできたのは圧倒的な迫力のビジュアル。
一瞬固まったところへ、おじ様が優しく声をかけてくれる。
妙に話が盛り上がり、割り引きしてくれると聞いたら買わないわけにはいかない。

写真に写り込む自分の影を見て、いかに興奮していたかを知る。
あぁ、五臓六腑に染み渡る美味さ。
ビール片手に、幸せを噛み締める。
そして今夜、家計簿をつけて再び固まる。
割り引かれたとはいえ…
この弁当、日給の半分だぜ。
教訓:お買い物は冷静に。