忙しい時期だから仕事が立て込むのか、仕事が立て込む時期だから忙しいのか…
こんな時に限って、プライベートでもバタバタ用事が入る。
街中では、初々しい新社会人の姿を見かける。
スーツが似合ってなくて、動きがカタくて、やたらテキパキしてる。
みんな可愛いなぁ。
20年前のあたしもそうだったのかしら。
懐かしい。
絶対、戻りたくはないけど。
どうして人を採用したばかりのタイミングなのに、あちこちからお声がかかるんだろう。
今月から始めた派遣の仕事。
いつどこへ行かされるのかは、直前になるまで分からない。
ちっとも依頼がこない、なんて噂も耳にしたりしてナーバスになっていたのに。
蓋を開けてみれば、ほとんど休みナシ状態。
有り難い、有り難いのだけど…
想像していたのと違う。
マイペースに働こうと思ってたからさぁ。

雇われていれば当然、食事や休憩というものがある。
昔から、ランチ・ブレイクのお供は文庫本。
なんせ、友達がいないから。
久しぶりに、誰にも邪魔されない読書タイムができて嬉しい。
読める量はグッと減ってしまうけど、じっくり本にだけ向き合っていられる時間があるのは幸せ。
労働の合間には、しっかり現実から離れられるタイトルがいい。
束の間の逃避行。
ひとりでニヤニヤしたり、顔をしかめたりしているかもしれない。
でも、これくらいは許してほしい。
その後には、仕事・家事・介護という、離れたくても離れられない現実が待っているんだもの。
