あたしのセレクションには定評があって、常に高い評価を得てきた。
念入りに下調べをしたり、クチコミをチェックするというよりは、インスピレーションで選ぶことが多い。
つまりは、結構なギャンブル。
それなのに、なぜかコレが当たる。
特に海外では、失敗ナシのパーフェクト。
もちろん人それぞれ好みがあるから、あたしの選択が万人にハマるわけではない。
だけど、少なくとも両親・祖母・友人・夫からはお墨付きをもらっている。
親しい人、言い換えるなら、忌憚ない意見を言える人が下した評価だから、信憑性があると思うのだけど、どうだろうか。
訪れる場所や目的・一緒に旅をする相手によって、泊まる場所の条件は変わってくる。
リゾート地ならオシャレなホテルに泊まりたいし、温泉地なら趣のある旅館に泊まりたいし、バンガローやテント泊だって楽しい。
あたしも近しい人々も、最優先するのは食。
旅先では間違いなく美味しいモノを食べたいから、食事に関する情報だけは事細かく調査しておく。
逆に、そこさえクリアしていれば、概ね満足できるとも言える。
でも、もしかしたら最も大事なのは、働く人の雰囲気かもしれない。
どんなに美味しい料理を出されたって、横柄なスタッフがいたら台無し。
料理はそこそこでも(今はマズイご飯を提供する宿泊施設を探す方が大変な気がする)、素敵なスタッフがいれば満足できる。
あたしがまた行きたいと感じるのは、魅力的な人を出会った時。
どんなにゴージャスな部屋も、趣向を凝らした風呂も、ナイスキャラクターには敵わない。
星付きホテルや満足度ランキング上位の旅館にも泊まったことはある。
その瞬間には感動し、幸せな時間を過ごした。
それでも、今になって思い出すのは、突っ込みどころ満載のご夫婦従業員とか、気さくの度が過ぎてるオーナーとか…
やっぱり、人にまつわるエトセトラ。

無人島にひとりきりで行かない限り、誰とも関わらずに旅行なんてすることはできない。
旅とは宿であり、宿とは人である
つまり、旅とは人である
今度はハンモック泊を計画しているのだけれど、せっかく打ち立てた自説は果たして成立するのだろうか。