邦楽だろうが洋楽だろうが、これまでほとんど関心を抱いたことがなかった。
とにかくメロディとボーカルの声が大事。
だって、音楽だよ?
音を楽しむと書いて音楽でしょ?
自分がそうだから、当然みんなもそうだと信じ込んでいた。
なぜ作詞家がもてはやされるのか全く理解できないし、職業として必要な理由も皆目見当がつかない。
ところが、多くの人は歌詞に対して熱い想いを抱いていると言うのだ。
時には感動して涙したり、深く共感して慰められたりするらしい。
驚いた。
あたしみたいに無頓着な人間の方が少数のようで、友人に冷ややかな目を向けられた。
勿体ないと軽蔑されもした。
心の底からびっくり。
何も、歌詞を全く無視しているわけではない。
いわゆる人気グループの、ボーカルが全て作詞作曲してます的なヤツが、あたしには合わないだけのこと。
ほぼほぼ毎回同じようなコード進行なのに、詞がすごく良いんだよね~なんて聞かされても…
それこそ、意味わかんない。
メッセージ性とかどうでもいいんだよ!音の方向性に神経使えよ!と言いたくなる。
※明らかに連想しているバンドがいますが、そこはご想像にお任せします。
あたしが素敵だなぁと思うのは、素敵を押し付けてこない歌。
君のためにとか、永遠に祈るとか言われても、全く響いてこない。
曲のために作られたワードという気がして、上滑りしている空気にかえって冷める。
むしろ、飾り気のない言葉とか日常会話みたいなフレーズの方が心に残る。
この人は、あたしに歌詞というモノを意識させてくれる貴重な歌い手のひとり。

まさか曲中にピーターラビットやタンタンが出てくるなんて、誰が想像しただろうか。
タイトルだけでも嬉しくなるのに、耳を傾けてみれば、まるでリズムとリリックが二人三脚しているよう。
心地好い音と、そこに滑らかに乗ってくる詞。
すごく可愛くて楽しくてウキウキする。
エッセイを読んで、再確認する。
あたしは、しっかりした自分を持っている人が好きなんだ。
そんな人が作り上げた作品だったら、カラダにストンと素直に入ってくるんだ。
納得。