他の家のことはよく分からないけれど、父と娘の在り方としては良好だと思う。
決してベタベタした関係ではなく、信頼の結びつきという感じ。
むしろ、仲の良い部類に入るんじゃないかな。
元々、似た性格であることは認識していた。
だからこそ気が合うのだろう。
2人だけでお酒を呑みに行ったり、旅行したりすることも多かった。
だけど最近、父のイヤなところほど遺伝している気がしてならない。
イヤなところだからこそ、より気になるだけなのかもしれないけど。
頑固、飽き性、面倒くさがり…
あんな風にだけはなりたくないと、冷たい目で見ているくせに年々似てきている。
父も娘も、平等に歳をとる。
それぞれのペースでカラダも衰える。
今までになかった不調があらわれてくる。
性格だけに止まらず、体質だってしっかり遺伝している。
10年程前に突如として、牛乳がダメになったと父からの報告。
あんなに好きで毎日飲んでいたのに?
どうしてもお腹が下ってしまうんだそうだ。
そう言われてみれば、あたしもほんのり思い当たるフシがある。
敏感肌、乾燥肌、アレルギー…
あんな風に苦労したくないと、恐々横目で見ていたのがどんどん似てきている。
既に体内にある菌なんかによって、病気が引き起こされることがあるらしい。
クラゲ刺されがもたらすアレルギー反応や、花粉症がもたらすアレルギー反応。
納豆で全身が赤くなったり、特定の果物で痒みを感じたり…
なるほど確かに、メロン・キウイ、パイナップルなんかが舌にチリチリする時がある。
そういうことだったのか。
それでも食べちゃう。
だって好きなんだもん。
血液検査で詳細を知れば、対策をとるのに有効なことは十分理解してる。
でもしない。
今まで何でもなかったモノにアレルギーがあったりしたら、それこそショックだもの。
知れば過敏になってしまう。
必要以上に怯えて暮らすのはイヤだ。
だからしない。
そのスタンスは父も一緒。
やっぱり遺伝の呪縛からは逃れられないらしい。
