本業の合間のお気楽な仕事、という位置付けになるらしい。
いやいや、待ってよ。
書かれているのは、日常のちょっとした出来事とか、ふと気になった小さな疑問とか。
どちらかと言うと、どうでもいいようなコト。
そういう何気ない話で、読者の心を掴むって逆にすごくない?
初めましての作家さんにふれる時、あたしはまずエッセイを読んでみる。
何か感じるモノがあれば、間違いなく小説も好きになる。
お馴染みの作家さんだと、小説の世界観を崩したくないが故に、エッセイを敬遠してしまうことがある。
勇気を出して読んでみると、確実にもっと好きになる。
人気の有名作家さんだけど、イマイチあたしにはピンとこない場合がある。
エッセイを手にして納得する。
根本的に感覚が合わないことがわかる。
普段の自分やありのままの思いが綴られているからこそ、作家の人となりを知ることができる。
だからあたしはエッセイが好きだし、好きな人のエッセイは読みたいと思う。
世の中で最も尊敬する職業のひとつが、お笑い芸人。
人を笑わせるってすごいこと。
言葉・間・表情・動き・空気感で、それぞれの個性を活かす。
加えて、瞬発力・対応力・表現力・判断力・順応性で、漫才やコント・トーク番組なんかを構築していく。
本当にカッコいい。
憧れる。
なりたいけど、到底あたしには無理。
せめてお付き合いだけでもしてみたかった。
好きという感覚を越えて、もはや愛憎の域。
ただでさえ才能の塊なのに、中には文才にまで恵まれている人がいる。
雑誌で連載を持ったり、脚本を書いたり、はたまた小説家までも。
これはもう、憧れというより嫉妬。
わらじ、何足履いたら気が済むんだ!

尊敬してやまない芸人さんが書いたエッセイ。
面白くないわけがない。