寿司屋でつくづく思った。
例の、あらゆる魚で埋め尽くされた湯呑み。
何の気なしに眺めていたら、しみじみと感心してしまった。
サバは魚偏に青だ。
見た目をシンプルに表現してるなぁ。
サワラは魚偏に春でしょ。
季節の移り変わりを告げる旬のモノなんだよね。
カレイは魚偏に葉(くさかんむりナシ)。
あの平べったいフォルムがすぐに頭に浮かんでくる。
いやぁ、どれもこれも実に秀逸。
さて、今夜はイワシ。
魚偏に弱。
足が早くて傷みやすい。
悪くなる前にすぐ食べてくださいね、の意味だ。
特徴をよく捉えている上に、優しさがプラスされている。
確かに、新鮮そのもの!みたいなヤツを買ってきても、翌日になると目が真っ赤になってたりするもんなぁ。
油断禁物。
すぐに調理するべし。
今回は横着して、もうすでに開いてあるモノをゲット。
つきのわさんのリクエストでパン粉焼き。
しばらく出番がなかったから、残り具合いを全く把握していなかった。
冷凍庫の隅っこで小さくなっていたパン粉。
鰯の数に対して、明らかに少ない。
苦肉の策で、粉チーズを追加してかさ増し。
うっすらオリーブ油を塗ったところに、塩・胡椒&乾燥のミックスハーブをオン。
かさ増しパン粉をそっとのせて、グリルでじわじわ焼くだけ。
ちゃんとした感の出せる、手抜きメニュー。
揚げずに調理したのも、皮目に何もつけなかったのも、面倒だったからじゃない。
カロリーオフのため。
こう言い添えれば、良妻感さえも出せる。
チーズを効かせた、鰯の香草パン粉焼き。

魚を捌きもしない、下拵えさえ半分、仕上げは放ったらかし…
言わなければわからない。
聞いてみなけりゃわからない。
でも、字面だけ見ればすごく素敵に感じる。
やっぱ、日本人ってセンスある。