出先で一瞬関わった人とか、滅多に会わない人には言われない。
特徴のない黒髪、ほぼノーメイク、ベーシックな服装。
見た目でどうこう言われているわけではなさそうだ。
長男の嫁、義父母と同居、元管理職。
むしろ尊敬してくれても良いんじゃないか。
では、なぜ?
常識的に生きてきたつもりなのに。
若い頃は、奇抜な行動や個性的なスタイルの人を変わり者とする傾向にあった。
視覚で捉える情報が最優先だったから。
けれど歳を取ると、そんなのは大したことじゃないと分かる。
外見でアピールするタイプはすごく真面目で、誤解を恐れずに言うなら、むしろつまらない人が多い。
いわゆる、出オチってやつ。
真の変わり者は、本人にその自覚がない。
自分は普通だと思っている。
世間とのズレに気づいていない、気にしていない。
あたしが、そんな人間だと言うのか!?
おいおい、冗談じゃねーぞ。
己を頑なに貫く姿勢。
いくらトレンドでも気に入らない服は着ないし、流行っていなくても好きな格好をする。
あたしが良いと感じればソレは絶対だから、誰に何と言われようが信念は曲げない。
笑いを取るためなら犠牲はいとわないし、何なら喜んで飛び込んでいく。
それが普通だと思ってたけど…
違ったんだね。
あまりにも揺るがない人間は、変わり者になるんだね。
ごめん、みんな。
そしたらあたし、ほんのちょっとだけ変わり者かもしれない。
でも、全く世の中の流れを無視してるわけじゃないんだよ。
たまにはトレンドだっておさえるんだよ。
チーズタッカルビ。

ほらね?
肉は鶏じゃなくて豚だけど。
味付けはコチュジャンじゃなくて豆板醤だけど。
はいはい、こうやって我流を通すのがいけないのね。