今週の読書 26th week | 熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

モンチッチのようなヨメが、ツキノワグマのようなダンさまとのゆる~りとした日常を綴ります。
果たして熊と猿は仲がいいのか悪いのか…。
今日も中年夫婦はとことんマイペースに暮らします。

53、強く風が吹いている
三浦しをん

満室になったことのない、定員9名のオンボロ学生寮。
双子が住むことになり、全部屋が埋まって総勢10名。
その時、寮長役の男が動き出す。
ここは陸上部の寮であり、メンバーは陸上部員である。
全員で箱根駅伝を目指す。
宣言と言うよりは、ほぼ命令。
のんびり暮らしていた住人達が、突然スポ根の世界に引きずり込まれる。
個性的すぎるキャラクター。
それぞれが持ち味を活かして、お互いを刺激していく。
個人競技だけど、団体競技。
根っからの箱根駅伝ファンのあたしには、たまらない題材。
走りに打ち込む姿、ぶつかり合う感情、かけがえのない仲間…
まさに、青春!!
彼らの成長スピードが上がる度に、ページを繰る手も止まらなくなる。
いいなぁ、青春…
もう今から、来年の正月が楽しみ。



54、ペンギンハイウェイ
森見登美彦

SFってジャンルが苦手。
自他ともに認める妄想家でありながら、超リアリストなあたし(厄介!)には、想像を膨らますのが難しいから。
だけど、この人が書くんなら、楽しめるかもしれない。
はてさて、読み通り。
元々ワケのわからない設定の話が多い作家さんだから、SFだろうが何だろうが関係なかったみたい。
そもそも、科学とか数学とか、難しく考えるからいけないんだな。
早く言ってしまえばコレは、謎に包まれた魅力的なお姉さんに恋する、研究熱心な小学4年生の少年の話。
勉強とおっぱいが大好きな少年。
知的好奇心を満たしたい欲求と、そこへ辿り着くための犠牲。
謎の核心に迫るほど、何が正解なのか分からなくなる。
SFって、何だか切ない。
あたし、改めて実感しました。
設定がしっかりしていれば、どんな物語も面白くなる。
ジャンルなんて、後付け。