今週の読書 23th week | 熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

モンチッチのようなヨメが、ツキノワグマのようなダンさまとのゆる~りとした日常を綴ります。
果たして熊と猿は仲がいいのか悪いのか…。
今日も中年夫婦はとことんマイペースに暮らします。


46、遊女のあと
諸田玲子

旦那の野蛮さに我慢ができず、訳アリ外国人を匿いながら国を棄てた漁師の女房・こなぎ。
ある日いきなり行方をくらました妻を追い、女討の命を受け国を出た鉄太郎。
もう設定からしてワクワクする!
相手を大事に想いながらも、外国人はこなぎと道を別にする。
子を亡くした悲しみに暮れた妻は、権力者に囲われていると聞く。
キーワードは尾張、目指すは名古屋。
そして出会った、こなぎと鉄太郎。
それぞれの秘密を隠しながら、互いに惹かれあっていく。
身分や立場を越えて、愛に生きることはできるのか。
タイミング・人柄・相性…
ちょっとした歯車で、噛み合ったり壊れたり。
時代という枷が、もどかしさや歯痒さをふくらませる。
言葉にするだけが、態度に示すだけが、愛情じゃない。
見守る・引く・飲み込む。
江戸に、引き算の愛を学ぶ。




47、にょにょにょっ記
穂村弘

現実妄想日記。
日常のアレコレに、勝手に想像をプラスしていく。
あくまでも自分勝手に、あくまでも頭の中だけで。
誰も知らないから、誰も気づかない。
言いたいことがあっても、ひとりでモヤモヤ思うだけ。
誰も気づかないけど、誰も傷つかない。
おじさん(しかも有名な歌人)の頭の中がこんなことになってるなんて…
とてもバカバカしい。
そして、とても可愛い。
職場のランチタイムにひとり、クスッ・ぷっ・ニヤニヤ。
ますます変な人扱いされる、ちゃんこーまい。
あたしのせいじゃないのに。
帰って自分の日記を見てみれば、ほとんどグチばかり。
ちっとも可愛くない。
ただただ、現実的。