長嶋有
震災後に始まった、ある作家によるツイッターでの言葉遊び。
前後のわからない文章に対して、それぞれが勝手に答えていくというもの。
次第に参加者が増え、ひとつのコミュニティとして成長していく。
当日は何が起こったかわからなくて、ただ必死に動いてたな。
知らない者同士がみんなで助け合って、すごく心強くて有り難かった。
実際に人の動きや優しさに触れたからなのかな。
それ以上の何かが欲しいとは思わなかった。
でも、"何か"が必要な人もいたんだな。
不安とか悲しみとか喪失感とかを紛らわせる"何か"。
きっと、それが誰かとのつながり。
呼びかければ誰かが応えてくれる。
だけど、干渉されることはない。
不思議なツール。
友人関係断捨離中のあたしには全くない発想。
本を読んで、久し振りに心が空っぽになった。
吉田篤弘
長いタイトルだなぁ。
だけど読めば、まさにタイトル通り。
会社を辞めてふらふらしていた男が、ひょんなことからサンドイッチ屋さんで働くことになる。
覇気のなかった生活に変化が生まれ、少しずつ彩りとなっていく。
初めはぎこちなかった調理にも余裕が出て来て、新メニューの開発を任される。
そこで思い付いたのがスープ。
簡単なようで、奥の深い料理。
人生の巡り合わせで、スープ作りの達人と出逢う。
レシピや作り方を教わり、頭の中はスープのことでいっぱい。
すごく優しいヨーロッパの映画を観ているようで、しみじみ幸せな気分になる。
思った通りの展開なんだけど、思ってた通りになってくれて、とっても嬉しかった。

