
25、田舎教師
田山花袋
世の中には二通りの人間がいる。
モテるヤツと、モテないヤツ。
つまり、異性に対しての経験が豊富なヤツと、そうでないヤツによって書かれた文章がある。
花袋は、どう考えても後者。
主人公はそれなりの顔をしていて、しっかりとした仕事もしているのに、女の扱いとなるとからっきし。
これって書いてる本人が女心を理解できてないからなんだろうな、きっと。
イイ男がどんなもんかってのが、わかんないんだもの。
コレ、褒めてるんです。
そういう素朴な感じがいいんです。
四角い顔した花袋、ずんぐりむっくりの花袋。
モテたはずが、ない!
そこが可愛い。
母性本能をくすぐられます。
そんなわけで、やたらと後ろ向きな男の話です。

26、この女
森絵都
全編に関西弁がギッシリ。
江戸弁で育ったあたしには新鮮で楽しい。
何だか色んな人が登場し、わちゃわちゃ話が展開し、みんな最後は自分の居場所におさまる。
いや…
自分の居場所を見つけるために、色んな人と関わりあって、わちゃわちゃやってみるのかな。
そんなことをたくさん重ねた人が、自分の居場所にたどり着けるんだろうなぁ。
何となく生きる。
きちんと逃げる。
しっかり休む。
何かを変えたい時には、一生懸命頑張る。
あんまり気持ちが盛り上らない、今日この頃。
あたしも、ちょっと張り切ってみようかな。