今週読書 9th week | 熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

モンチッチのようなヨメが、ツキノワグマのようなダンさまとのゆる~りとした日常を綴ります。
果たして熊と猿は仲がいいのか悪いのか…。
今日も中年夫婦はとことんマイペースに暮らします。


17、ひまわり事件
荻原浩

500ページを越える、なかなかのボリュームの文庫。
同じ敷地内にあるホームと幼稚園。
仕切りの壁が外され、不思議な化学反応が起こる。
噛み合わない会話、思うように動かない体、爆発するエネルギー、内に秘めた情熱。
可愛くて、もどかしくて、ワクワクして、ハラハラして…つい応援したくなる。
一見、無力そうな老人と子供。
経験で身に付けた知恵と、無邪気な行動力が組み合わされた時、運命が動き出す。
押し付けがましい政治家に、いつしかみんなが一丸となる。
いつの時代にも、敵は共通。
フィクションとは分かっているけど、あいつらやっぱり嫌いだわぁ。




18、ひさしぶりの海苔弁
平松洋子

美味しいモノが好きな人のオススメは、絶対美味しい。
美味しいモノが好きな人の書き方は、すごく美味しそう。
食べるコトが好きな人が好き。
食べるコトに情熱を傾けられる人が好き。
ただし、うるさい蘊蓄ヤロウと違いのわからない高級志向ヤロウを除く。
平松洋子さんはたくさんの文学に触れてきただけあって、言葉選びのセンスが素晴らしい。
専門用語は一切ないのに、色んなことに精通しているのがよくわかる。
知識は控えめに、情報はしっかりと。
たくさんの料理と、それを作り出す人や物に出会って、あたしもココロ豊かに暮らしたいものです。