
初対面の人との会話で、政治・宗教・野球の話はタブーと言われます。
接客業に長く携わっていた経験からも、このことには深く共感します。
たとえそれが、長年の友人相手でもです。
それぞれの主義・主張が交錯する、答えのない議題。
関係性にしこりだけを残し、何ひとつ良いことはありません。
ストーリー・ガール
モンゴメリ
父親の仕事の都合で親戚の家に預けられることになった主人公。
都市から田舎の島へ渡った兄弟と、彼らを取り巻く小さな世界のお話。
父の故郷、プリンス・エドワード島には魅力的な場所と人々がいっぱい。
中でも親戚のセーラ=通称ストーリー・ガールは数々の面白い話で、みんなを虜にしている。
語られた話は、どれもこれも素敵な思い出と結び付いている。
ちょっとした小話に絡めて描かれる成長の物語。
既に亡くなっている作家の作品には、当然終わりがあります。
それらを制覇することは嬉しいけれど、あたしには寂しさのほうが強いです。
赤毛のアンで出会ってから、すっかり夢中になったモンゴメリ。
なぜか妙に気になって、最後の最後までとっておいたのがコレ。
想像が今にも飛び出してしまいそうな大自然の描写や、まるで自分の知り合いのように親しみの沸く登場人物達。
あたしの大好きなモンゴメリワールドがそこかしこに。
なのに、最後の作品をちっとも楽しめない。
宗教的な話が多すぎる。
何もあたしは説教じみた話を否定しているわけではないのです。
ただただ、内容が異教徒(あたしは便宜上仏教徒ですが本当は無宗教)にはちんぷんかんぷん、ということ。
聖書あるあるみたいな例えを出されても、全く理解できませんよ。
たぶんそれは、キリスト教徒の少年が日本の肝っ玉母ちゃんに「嘘ばっかりついてると閻魔様に舌を抜かれるよ!」って言われてるようなもんで…
少年、ポカーンですわ。
長期熟成させすぎて、勝手にハードル上げすぎて、何とも残念な終末を迎えてしまいました。
物事にはタイミングが大事。
政権交代なんかもね。
いけないいけない。
危うく、第2のタブーにも触れるところでした。
イライラウィークに突入し、ちょっと攻撃的気分なちゃんこーまいでした。