新聞は土曜版と日曜版は内容が濃いと感じます。なぜなら、時間があってたくさん読める場合も多いから。時事はその場のその場で去っていくが、歴史や構造や未来を案ずるにはじっくり振り返って考えることが必要だから。

朝日新聞記事から。

「山崎正和は歴史と政治の分離を説いている。真実を追求し続ける学問的な営みと、当面の安寧秩序に配慮する現実政治の仕事は別物である。国家間の歴史問題の取り扱いでも、どちらか側の満足ではなく、両者の不満を最小限にとどめることで、よしとするほかない。」

アンゲラ・メリケルドイツ首相

物理学者出身で、法律家と違った枠組みを政治で生かしてきた首相は、いつも安い時計を身につけ、スーパーで自ら買い物をする。山歩きが趣味で夫は表舞台に出てこない、人らしい。ギリシャを発端にしたユーロ危機はまだ収束を得ていませんが、ドイツ経済好調の裏にはこうしたユーロ危機を長引かせることによる意図的なドイツのユーロ安を狙った打算があるのではないか、と思ったり。

「私が政治の世界に入ったのは、今こそ物事を変えることができる、何かをすることができると感じたからだ。私は政治に魅せられた。」

セバスチャン・コンラッド

「ドイツは英仏のどに比べて民主的な度合いか低く、強い議会システムを持たなかった。そうした社会的、政治的、文化的な遅れがナチズムを招いた」
「日本は二つの動きがある。ひとつはドイツと同じように、過去に向き合い、戦争中の行為について謝罪するという流れだ。もうひとつは、国家主義への肯定への回帰を求める動きだ。バブルが崩壊し、日本が経済力への自信をなくしていったことや、中国や北朝鮮に対する安全保障上の懸念も、新国家主義のトレンドを強めた。安倍政権が歴史認識を国家主義的な方向に変え、中国や韓国との緊張が高まるのか…世界の歴史をみれば、保守政権のほうが対立を抱えた国に対して大胆な妥協ができるケースもある」

ドイツ緑の党ヘルマン・オットー
「政治プロセスの中に入ると、目標を維持しつつも、達成可能な政策を探らなければならない。妥協しすぎず、ヴィジョンにこだわりすぎず、正しいバランスを維持することが、政治の芸術アートだ。」
緑の党が一時期は連立与党の一角を占め、非現実的な要求を取り下げ、現実主義の中で環境保護に取り組んだ実績は参考になるのではないかと思います。

厳しい環境基準を設けながら、技術革新により経済成長を促すのは、先進的な環境政策と経済成長を両立させてきた日本の先例があると。

ドイツの理念と現実主義は、現実に揉まれつつ、国としての哲学や理念を持ち続けると結んでますが、ドイツの製品と同じくかた苦しいがしっくりくるものです。


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