11/28



後房雄氏


「イタリアの政治学者ノルベルト・ボッビオは左右の分岐点を「自由と平等のどちらに重点を置くのか」だと指摘しました。自由を重視する右、平等を重視する左という構図は、時代によってその中身は変わりながらも続くのです。」


五百旗頭真氏


「領土問題と対外関係の影響が圧倒的に大きい。対外関係が緊張するとナショナリズムが刺激され、右バネが働くものです。保守もリベラルも関係ない。国として国民の安全を守る、という話です」


「個人の自立や人格を脅かすような集団主義に抗する自由主義の立場です。日本を滅亡に至らしめた戦時の狭小な国家主義も、個人の尊厳を押しつぶす戦後のマルクス主義もいずれにも反対なんです」


「日本のやったことはすべて立派だ、と言いたいのでしょうが、それは違う。誰かにそそのかされた、だから私は悪くないなんて、リーダーとして聞くに堪えない話です。間違いを認識し、歴史に学ばねばならない。健全なナショナリズムは冷徹なリアリズムを踏まえたものです」


「満州事変を関東軍が起こしたとき、国民世論はドッと支持しました。社会が行き詰まり、もう耐えられないとなったとき、新しいものなら何にでも飛びついてしまう傾向が日本にはある。威勢のいい無責任な言葉が結局、国益をどれほど傷つけたか。尖閣問題がいい例です」


待鳥聡史氏


「日本では社民主義への評価は低い。これは社会党の責任です。観念論ばかりで現実的な政策を打ち出せず、地方に放漫財政をもたらした」


「自民党長期政権の特徴は、社会文化的な保守主義と経済的自由主義の二つの政治勢力が恒常的に連立を組み、社会主義勢力を政権から排除した。これは冷戦とうう特殊な状況だからこそ実現した話です」