昨年に引き続き、完全に私の個人的趣味企画をやります。

私が今年観た101本の演劇作品の中から、私一人が審査員になって勝手に選出して勝手に贈賞するという演劇賞。私だけがメチャメチャ楽しい企画です。
部門は以下の通り。

作品賞
主演男優賞
主演女優賞
助演男優賞
助演女優賞


今年は私の演劇に対するスタンスが変わった年なので、より客観的にお芝居を観るようになったと思います。それまでは、俳優修行という意味も込めて劇場に足を運んでいましたが、今は完全に「お客さん」です。前は、つまんない芝居の時でも「何が悪いのだろう?」と少しでも学ぼう何か持ち帰ろうとしてましたが、今はつまんなければ寝ます(笑)。まあ、小劇場でそうそう寝れるもんではないですが。
昨年から私の中での観劇ブームが始まって、知り合いが出ていなくても面白そうな芝居を観に行くようになりました。なので、昨年は初見の劇団も多く衝撃がすごかった。それに比べると、今年はサプライズな感動は少なかったけど、観る前の段階で相当選んでるので、全体的にかなりハイレベルだった気がします。
とても、充実した観劇ライフでした。
来年からは自由な時間が減るので、100本越えは今年が最初で最後だろうなあ。寂しい・・・。

やっぱり、演劇はオモシロイのだ!!!



<助演女優賞>
○ノミネート
佐々木なふみ 「僕らの声の届かない場所」ろばの葉文庫
岡田あがさ 「露出狂」柿喰う客
新良エツ子 「露出狂」柿喰う客
玉手みずき 「あそび」山田ジャパン
長治佳子 「ガールズトークアパートメント」UDA☆MAP
ザンヨウコ 「UFOcm」あひるなんちゃら
小瀧万梨子 「忘却曲線」青☆組
※観劇日順

結果的に最激戦区でした。上に挙げた方々以外にも素晴らしい方々がいて、15人ぐらいの中から悩みました。今、演劇界で一番分厚いポジションなんですかね。
小劇場の女優さん達は、どうしても「女」を感じさせない人が多くて、悪く言うと照れや恥ずかしさから逃げてると感じてしまうことがある。そういうのを観ると、「ああ、自分のことを商品化できてないなあ」とガッカリしちゃう。別に色気を出せってことではないよ。余計な感情を持ってしまうことから、役作りに隙ができてしまっているってこと。単に役になりきれてないってことね。
今回、ノミネートした皆様は、みんな地に足のついた芝居で舞台上に存在していました。この人たちが出ているシーンは安心して観れた。
佐々木さんの若者をしなやかに振り回す芝居は素敵だった。岡田さんの怪演には驚愕し、爆笑した。新良さんの声の説得力にやられた。玉手さんの説教シーンには心をえぐられた。長治さんは役にドハマリしていた。ザンさんのゆるい空気にやられた。小瀧さんの女の迫力を見せるシーンにはドキドキした。
一人選ぶと言うのは非常に難しい。
でも、やっぱり客席最前列で号泣してしまった経験は大きいな。

そんなわけで、助演女優賞は・・・

玉手みずき 「あそび」山田ジャパン

に決定!!





<助演男優賞>
○ノミネート
三原一太 「僕らの声の届かない場所」ろばの葉文庫
チョウソンハ 「BLUE/ORANGE」CATプロデュース
安井順平 「プランクトンの踊り場」イキウメ
立浪伸一 「心の余白にわずかな涙を」elePHANTMoon
辻修 「The Lifemaker」DART’S
※観劇日順

チョウさんと安井さんはもう主役と言っていいほどのポジションでした。チョウさんは感情を爆発させるシーンが鬼気迫るものがあった。何気にかわいかったし。安井さんは今年最大のインパクトだったかも。理屈っぽいキャラクターを非常に好感持てる仕上がりで演じていた。あと、「図書館的人生vol.3」の教授役も良く、引き出しの多さを感じた。三原さんは派手さはないけど何故か感情移入してしまう存在感があった。韓国人を演じた立浪さんは苦悩の表現が素晴らしかった。辻さんは怖い芝居と言うのはこうゆものだという芝居で、純粋な悪意を魅せていた。
本当は短い出演時間でワンポイントで仕事をするような職人肌の役者さんを助演男優賞に選びたかったけど、今年は本編にガッツリ絡む方々を選びました。そういう意味ではインパクト重視ではなく、良質の作品に対して貢献度の高かった方々が気になった年だと思います。
総合的には、安井さんと辻さんの一騎打ちな感じですが、二作品にわたり目を惹かされた安井さんに今回は軍配かな。

そんなわけで、助演男優賞は・・・

安井順平 「プランクトンの踊り場」イキウメ

に決定!!





主演賞と作品賞は次の日記で。

つづく。