UTMB3回完走 3児のパパのトレラン日記

UTMB3回完走 3児のパパのトレラン日記

UTMB 2014/2015/2018、ウェスタンステイツ2016完走。3人娘のパパ。仕事ではRidge-iという会社を経営してます。

レース予定
1月 館山若潮マラソン(フル)
4月 UTMF(100マイル)
7月 富士登山競争
8月 UTMB(100マイル)
10月 神流

テーマ:

UTMB 2018 記録。フェレ峠からの後半です。

 

 

19:09 101km Ferret峠 発

 

フェレ峠からのLa Foulyまでの17kmの下りは走れる下りですが、固い地面で痛みは激しくなるばかり。今までならキロ6-7位で気持ちよく下れたところですが、キロ10位をキープするのが精いっぱい。

 

しかもこの時位から、なぜか胸元が水びだしになります。

チェックすると、なんとハイドレーションの口が破れているようで、ぽたぽたと流れ落ちて水がみるみる減っていく始末。

 

びちゃびちゃで気持ち悪いので、少し暑いですがずっと雨具を着たままで動きました。

途中のチェックポイントLa Peuleは前回水補給がありましたが、今回はない。少し水不足が心配になりながらも進みます。

 

すると、途中から今度は両足の外側が痛くなります。

どうも靴擦れが起きている模様。

 

ストップして靴を外すと、両足とも真っ赤になっています。履き替えた新しい靴がまだなじんでいないようで失敗だった。

実は履き替える時も、それまで履いていた900km位履古した靴が調子よかったので替えるか逡巡したのですが、思わず泥だらけだったので脱いでしまいました。

同じ靴にしておけば、、と後悔しながらも、嫁にまた電話をして、クールマイヨールで脱いだ履き古した靴をシャンペ湖に持ってこれないか依頼します。

 

中休止をして、テーピングで足指の外側にクッションを作ってまた走り始めます。

 

20時を過ぎると辺りは暗くなり、ライトを取り出し、とにかくLa Foulyまで耐える長い下り道。

 

膝はテーピングのおかげか痛みは少なく、その代り右脛の痛みがさらに悪化していきました。

 

 

21;04 110km  La Fouly 着 (制限 22:30)

 

予定表とぴったりの時間に着く。フェレ峠で稼いだ余裕は全部下りのスピードロスで使い果たしたことになりますが、やはり登りで稼いでおいて良かったと、戦略的に正しい判断ができていることに少し安心します。

 

ベルトーネの途中で10分位目をつむっただけだったので、さすがに眠気も出て、スープとレモンティを飲んで内臓を温めます。ユンケル顆粒とサプリ系を飲む。

それからバナナを食べ、壊れたハイドレーションに水も入れますがたぶんすぐこぼれるので、ソフトフラスコにスープと水を入れました。

 

そして恐る恐る脛を見ると、テーピングが届いていない際のあたりが梅干しのように腫れています。

たぶん固定用のテーピングの貼り際の部分が支点のようになってしまい、酷使されてしまった感覚。

 

その部分にロキソニンテープを貼って、伸縮性のテーピングで補強します。

あっという間に25分の休憩。

 

 

21:30 La Fouly 発  (制限 22:30 - 1時間前)

 

ここから9kmの下り。すでに外は暗闇。眠気と脛の痛みでフラフラするので、予定よりもすこし遅れるのは覚悟しながらも、ここからシャンペ湖への登りで復活するようにだけ気を付けます。

 

さらにここからガレガレした地面になるので、一歩一歩を気を付ける必要がでてきます。

 

実は、ここの辺りでほぼ気をうしなっていました。

 

少し早歩きしては、痛みがでたらゆっくり歩いて、をとにかく繰り返すうちに、徐々に記憶がうっすらしてきてしまい、なんと

 

「ハット 気づいたら3km歩いていた」

 

という状態でした。

 

とにかく下りきる、という単純な目的と、たぶん痛みとか、そういったものを忘れる脳内の何かが出ていたのかもしれません。

 

シャンぺ湖の登りに差し掛かるところの街で人の声が身に入り、ようやく脳に血が回り始めます。

 

いま思い返しても、いつも「ガレガレして走りずらいなー」とかいろいろ考えていた区間なのに、ほとんど思い出せない唯一の時間帯でした。

 

そして、シャンぺ湖の登り5kmに差し掛かります。

 

もう3回目ですので覚悟はできています。

 

とにかく急登でつらい区間。いつまでも近づかないエイドに悩まされる ということを知っています。

 

登りなら(あまり)痛くないし、記憶のない時間でどれだけ遅れたのかよくわからないので、またフェレ峠の時のように気合をいれて少しスピードアップします。

 

・・・ しかし、とにかく 長い。眠い。

 

明かりが見えたかな?エイドの歓声が聞こえるぞ?みたいな気がすると、だいたい間違いで、森の中の先がみえない暗闇の中を延々と進む。

 

初めてエイドの歓声が幻聴として聞こえました。

 

 

01:06 シャンペ湖 着

 

嫁が靴をもって待っててくれました!

つらい時に家族の顔を見ると元気がでます。

 

しかし、時計をみると予定からは一気に40分も遅れている。やはり気を失った区間がかなり遅かった模様。

 

全く余裕はなく、急いで靴を履き替えます。そして右脛を固定したテーピングを全部はがそうとしますが、すね毛が痛くてしょうがない。

レース前に貼るときはいつも剃っていたのですが、今回テーピングする予定があまりなかったので、その辺りの用意不足も響く。

水で冷やして粘着力を落として、さらにカッターで切りながら取り除きました。

 

そして右脛全体に伸縮性のテープで自己流のテーピングを行います。

 

5分だけ寝かして、と言って寝たら、ほんと一瞬で起こされました。

 

味噌汁とリポDを飲み、準備します。

 

01:30 124km シャンぺ湖 発 (制限2:30 - 1時間前)

 

当初50分休憩したかったですが、25分で切り上げて出発したので、これで予定より25分遅れ。

関門1時間前です。

 

さて、ここから12km の登りですが、やはりTrientへの下りのロスを考えると、頑張る区間。

ここで富士登山の練習で活きた登り筋肉が活きました!

 

眠気との闘いはありますが、登りで疲れる感触はあまりないので、ストックを駆使しながら、

太腿が疲れていないので、力強く登ることで脳に血も送ります。

 

予定よりハイペースで進めることを喜びます。

 

この辺りでまたKさんに追いつきました。

 

 

5;24 136.5km La Giete峠 着

 

なんと予定の5:30より6分早くつきました。この区間は30分位予定よりも早く登れた計算。

 

とはいえ、またまた痛ーい 痛ーい下りが5km始まるので、エイドでは休まずに

ロキソニンを1錠飲んでおきます。これで3錠目。明らかに内臓によくない量ですがしょうがない。

 

ハイドレーションの漏れは収まらず、下りでびちゃびちゃこぼれます。しかもソフトフラスコを飲もうとしても、なぜか出てきません。

 

スープの何かが詰まったのか・・?

なんとハイドレーションが2つとも壊れてしまいました。

 

仕方なくフラスコの蓋を外して飲みながら下りていきます。


とにかく色々な足の置き方を試しますが、痛いものは痛い。泣きそうになります。

 

 

6:42 141km Trient 着

 

予定の6:39とほぼ同じ時刻。やはり下りがロスが起きるので、登りを頑張らないと完走できない、ということがわかります。

 

トイレ休憩をしようとしたら予想以上に混んでいて10分位待ちました。

 

そして、嫁がまた待っていてくれました。味噌汁をお飲んで、少しだけ仮眠。

ジェルとサプリを補給して、足の痛みがある程度引くまで休ませていたら、なんと45分も休んでいました。

予定が30分休憩だったので少し誤算。

 

 

7:27 Trient 発 (制限時間8:00)

 

制限時間の30分前に出発。

 

大きい山はあと2つ。塔ノ岳2回くらい、もしくは蛭ヶ岳1往復くらいか、と考えます。

Vallocineから先が落石でルート変更されており、その地形がどうも巻き道に見えたので、Vallorcineまで行けば大丈夫かな、とか少し甘く考えたりします。(これが後で大変な思い違いだと痛感)

 

TrientからTseppes峠までは4.5kmで700m位あがる急登

 

登りの筋肉はまだ残っているので、比較的いいペースで登りますが、さすがに眠気が強い。

食べたくないですが、今回は吐き気まではいかない胃腸に感謝をして、ジェルを3本ぐらい流し込み、エネルギーを補給し、登りをとにかく頑張ります。

 

 

8:57 145km Tseppes 峠着

 

予定よりも数分早く登れたので、想定外の下りのロスをカバーできるくらい登りで稼げる足があって本当に良かった。

 

水とコーラを配っていたので、ソフトフラスコが壊れているのを思い出し、全部捨ててカップでコーラをもらいます。ここから7kmの下りに備えて、またロキソニン1錠飲みます。

 

そして、進み始めると、、

 

右足の痛みがこれまでよりもヤバイレベル

 

走るどころじゃありません。歩くのも嫌なくらい。

 

とはいえキロ10位で下りないと、すぐ関門に。

 

えっちらえっちら ストックでサポートしながら 泣く泣く下りていきます。

途中にヤギが断崖を登っているのをみかけて、思わず足を止めて写真を撮りました。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

このとき、またKさんが後ろから来ましたので、サプリのお礼をしつつ、先に行ってもらいます。

また、ハイドレーションのことを思い出して、嫁に電話をして、ペットボトルがないか探しといて、と頼みます。

 

 

しかしバロルシーヌへの下りが、どう考えても前回より長い。。とっくに5kmを超えても街の歓声すら聞こえない。

 

どうも前回とルートが少し変わったようです。

 

痛みは限界。さすがに足を止めて、呼吸を整えてから進む、の繰り返し。

どんどん抜かれていきます。

どうもこの辺りの時間帯に日本人が多かった気もします。みんなぎりぎり狙いだったとか?

 

 

ここまできて完走しない、という選択肢もないが、耐え難い激痛。

バロルシーヌの直前は 急斜面が待っている。

しょうがないので、またロキソニン1錠をかみ砕いて(超苦い)、早めに消化することを期待しました。

 


10:50 152km Vallorcine 着 (制限11;15)

 

関門の25分前着。サポートのある最後のエイド。嫁が来てくれて、なんと他のサポーターに相談して、500mlのペットボトルを2本用意してくれていました!

 

今回は装備の失策が多かったけど、ほんと嫁のサポートに助かりました。

前回はアシスタントなしだったので、それが今回起きていたらダメだったかも。

 

Kさんとの合流して挨拶。痛みとかはないようだったので、レースを楽しんでていいなぁ、とおもいました。

 

次のチェックポイントは4km で制限12:15。

 

とはいえルート変更もあり不安なので、壊れたハイドレーションやライトのバッテリーなどを渡して軽量化して、足早に出ます。

今思うと、足早にでていなかったら、タイムアウトになっていました。

 

 

11:02 Vallorcine 発 (制限13分前)

 

ここからじわじわした登りで、モンテ峠の方に向かいます。

しかし4km走っても、全然チェックポイントがない。ルート変更が直前でされているので、どこにあるのかわからず焦ってきます。

 

11:55ころ、サポートの人がいたのであとどれくらい?と聞くと あと1kmはあるよ!たぶん大丈夫と言われ一気に焦ります。

 

どうもバロルシーヌの看板の距離は、ルート変更前の表記で、実際は6kmはあったよう。

 

途中の小川で足を冷やしながらも、とにかくペースを上げます。

ロードの向こう側にようやくチェックポイントが見えました。

 

 

12:05 157km TreChamp着 (制限12:15 - 10分前)

 

ほんとうにやばかった。。。早く出て本当に良かったと少し安堵。

そしてあとは登りの巻き道だし、次の最終チェックポイント フレーゲの制限は14:45と2:30もある。

余裕があるんじゃないかな、と思いました。

 

気になったのは、フレーゲまで7kmで700mは上がるという表記でした。

しかし、この時はあまり深く考えず、巻き道なのに、制限時間が変わらないなんてサービスなのかな、と「「大きな勘違い」」をして、ゆっくり進みます。

 

周りもそう考えている人が多かったのか、みんな少し話したり、座って食べている人とかもいます。

 

気温はがんがんと上がる。左手にはシャモニーから見た山々が見えてきます。

 

 

 


じわじわとした登りを進みながらも、しかしまったくフレーゲが見えてきません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、なんと下りが始まります。そこにサポートの人がいて

 

「まだ4kmはあるよ~~」

 

と言われます。

 

「やばい、登りだけじゃないんだ。」とここから慌てます。

 

ペースアップをして進んで、見えてきた表記が

 

「フレーゲまで1h50m」

 

というルート上の案内

 

すでに時計が13:50 !!!! 関門は14:45 !!!

 

コースタイム1h50mを この足で50mでいかないと間に合わない!

 

ルート序盤で気を抜いたことを心から後悔しつつ、

 

「富士登山競争での雪辱を晴らす!!」

 

と決意し、もうがむしゃらに進みます。とにかく走る。

 

次の看板が見えてくる。

 

「フレーゲまで1h30m」

 

時計をみると7分で来ている。コースタイムの3分の1。 行ける!!

 

巻き道なので下りもあるけど、もう左足だけで着地という離れ業も駆使。

 

時計は刻々とすすみ、14:20。下りきったようで、登りがまた始まる。

 

途中でハイカーが来たので、フレーゲから何分かかった?と聞いたら

 

「45分!」

 

下りで45分なのに、登りを25分でいかないといけない!?

 

とにかく行くしかない。

 

そして、走っていくと、ついに周りが開けたゲレンデに到達。

 

なんと200m位上にフレーゲの小屋が見えます。

 

時計は14;27

 

ゲレンデ登りダッシュでどうにか行けそうか、どうかわからないながらも、がむしゃらに進みます。

 

上からは応援の人たちが、早くしないと間に合わないぞ~~~と声がけしながら下りてきます。

 

そして、どうにか登り切り、小屋の手前でタイムをみると

 

14;35 !

 

どうにか間に合いました。

 

すべてのアドレナリンを使ったかような感覚

 

後ろを見ると、遠くにまだ登ってくる人が見えます。

幸運を祈りながらも、時間がないのでエイドに入ります。

 

 

14:36 163km La Flegere着 (制限14:45 - 9分前)

 

エイドではコーラをもらって、ペットボトルにも詰めます。

足早でエイドをでて、いつもLa Tet Aux Venで撮るような写真をまったくとっていなかったので、カメラで一枚撮りました。

 

この辺りでKさんが写真を撮っていました。

 

 

 

 

 

 

 

しかしここからゲレンデの下りを含めて、シャモニーまで連続した8kmの下り。

 

ゴールの制限は16:30。

8kmを1:40で行くには、キロ12分。普段なら余裕でも、ここまで痛い足では、気が抜けないスピード。

痛みに備えてロキソニンをまた1錠 かみ砕きました。

 

そしてつづら折りを降りる所で、痛みがさらに増し、座って余ったロキソニンテープを張り替えたところで、

 

「テーピング分けてもらえません・・?」

 

と女性から声がけされます。

 

聞くと、ほぼ似た症状で、テーピングがなくなったとのこと。

 

固定用のテープは足首を固定するほどに残っていなかったので、距離も短いからと、一番最初のMedicalでやってもらった通り、前脛骨筋をぐるっと回す形でサポートしてあげます。

 

少し楽になった、といっていました。キロ13分を下回るスピードでどうにか頑張って!と伝えて先に行きました。

番号を記憶しなかったので、無事に完走されたことを祈っています。

 

 

自分自身も余裕はなく、どうにか痛みに耐えながらも下り続けます。

 

下り途中のレストラン フローリアの前を通ると、大声援。

 

ここからあと4km !

 

この辺りから街のにおいがしてきて、ゴールを確信し始めます。

 

途中の水量の多い谷で、全身を浴びてリフレッシュ。

 

徐々に、トレイルを登りながら応援してくれる人がきて残りキロを伝えてくれます。

 

残り2km!

 

残り1km!

 

そして、橋を渡り、ゼッケンを配布する会場のあたりの、シャモニー街の端っこに入ります。

 

タイムを見ると16:05

 

川沿いには父親が手を振ってくれているのが目に入ります。

 

涙がでてきました。よくこんな痛みに耐えて走りきれたと。

 

そして、父と一緒に走ると、ゴール手前の銅像には嫁と子供たちが待っていました!

 

4年前には急病で倒れて、ゴールを見れなかった母も来ています。

 

みんなで手をつないで合流。フィニッシュゲートに向かいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

家族でのゴールに、観客たちはみな同じリズムで 

 

バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

 

とレースわきの幕をたたいての大声援。

 

 

16:10 念願だった、家族全員でフィニッシュゲートをくぐりました。

 

 

 

 

レース後

46:10 というゴールは今まで一番遅いゴールでしたが、これまでの練習内容などを考えると、
 
完走できたのが不思議なくらい
 
だと思います。
 
・1ヶ月毎週徹夜で富士山で鍛えられた登りの筋肉と眠気への耐性
・富士登山競争で入った気を抜かないというスイッチ
・体調に合わせたペース配分
 
この辺りはうまくいったパートでしたが、
 
・序盤で出た下り足の鍛錬不足
・代替ルートの下調べ不足
・ハイドレーションの不良
・靴擦れ
 
は想像をはるかに超える困難となりました。
 
50km地点以降はずっとリタイヤするか悩むような状態でした。
 
クールマイヨールで抱きついてきた子供たち、嫁の代わりの子供たちを面倒見てくれた両親、そしてなにより全エイドに来てくれた嫁 のおかげでどうにか乗り切れました。
 
そして最後に後押ししたのは、写真のような手つなぎゴールのイメージを常に持ち続けられたこと。
夢がかなって感動は一塩です。
 
次の日は全く歩けないような状態でしたが、1週間たったいまでは、右脛の回復は順調に進んでいます。
 
「そんなにつらいことしてまでどうして?」
 
と聞かれますが、この夢がかなう瞬間、というのは何回でも病みつきになるもので、また来年のUTMBも申し込む予定です。

テーマ:

UTMB 2018に出走。

46:10で完走し、3回目のゴールを嫁+娘3人で手つなぎでするという夢を叶えることができました。

 

https://utmbmontblanc.com/jp/live/runner/1845

 

 

それにしても今までで一番「痛くてつらいレース」になりました。。エイドのMedical Serviceをここまで使った人はすくなかったかもしれません。

 

少し落ち着いたので振り返ってみます。

 

レース前

 

この半年間は会社経営の難しさと忙しさを痛感する日々でトレーニングもおざなり。月間距離も50km程度という状態でした。

 

 

4月のUTMFは風邪気味で出場して、レース中の回復を望みましたが、ずっと鼻炎が止まらず、50kmで念をとってDNF。6月のSPA TRAILは、仕事の都合でDNS。

そして、7月末に富士登山競争(山頂)コースに出たところ、体力を残しながら、まさかの8合目制限に3分引っかかるという始末。

 

これで火がつきました。

「勝負勘が衰えて、無我夢中にゴールする気持ち、1分を大事にする気持ちがおざなりになってる!」

 

それから毎週金曜日に御殿場にバスで向かい、UTMBまでの1ヶ月、毎週富士山を2-3往復、とにかく徹夜で追い込みました。嫁の実家(浜松)への帰省の途中でも、立ち寄って徹夜で御殿場口を往復して、また運転を再開するという具合。

 

1ヶ月で130kmの走行距離は全て富士山で、累積標高は10000m超え。御殿場口のタイムも3時間ちょっとと大幅にベスト更新。

 

直前の疲労抜きで内田治療院にお願いしたら、先生に「よく1ヶ月でここまで筋肉作ったね!」といってもらいました。足裏を痛めていたので激痛ですが、足裏にも「しっかり」鍼をうってもらって悶絶しました。。。

 

レース前

 

8/25

家族5人で経由地のミュンヘンへ渡航。そこで3泊して、観光。

 

8/28

ジュネーブにとび、いつものmountain dropoffのタクシーでシャモニー入り。両親とも合流します。

 

8/29

氷河を見に3女を背負いながら行きました。子供たちのmini UTMBイベントに出てもらおうと思っていたら、ちょうど直前に大雨が降ってしまい、あえなくDNSとしてクレープを食べてまったり。

 

8/30

10時前に荷物チェックに向かうと、いつも1時間は待つところ、朝イチではガラガラでスムーズでした。
UTMB限定グッズなどのショッピングを楽しみます。

 

レース直前

 

8/31 ついにレース当日。朝にコンロで餅を5個くらい食べて、また寝て、14時ころにまた起きて、餅をまた5個くらい食べて用意をします。

 

直前に

「Tet Aux Ventのルートは落石事故で代替ルートに変更」

「山頂は氷点下の荒天を予想。防寒具が必携」

 

とSMSが来ます。

 

短パンで行こうと思っていましたが、急いで、タイツをはき、スタートからキャプリーンに着替えました。羽毛ジャケットも持っていきます。

 

目標タイムは45:30で、各エイドの到着予定時間をシミュレートしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

17;40 スタート会場入り。いつも通りにぎわっています。

3分前頃、テーマソング「conquest of paradise]が鳴り響きます。3回目でも感動に熱くなります。

 

 

そして、レース開始!

 

18:00 スタート!家族と握手をして、出発。

前回はキロ5を切るスピードで飛ばしすぎて熱中症になった痛い思い出があるので、キロ7位で体調をみながら刻みます。

 

19:00 8km 最初の補給 Les Houches

ここはスルー。この辺りで6回完走している師匠のAさんに声がけされます。

 

 

21:10 21km 一つ目の山を越えて。Saint Gervais 着。

嫁が応援に来てくれていました。5分ほど休んで、水と食料を少し補給します。ここまでは体の不調はなく、懸念だった足裏の痛みもなく、快調にすすみます。ここからずっとじわじわした登り。

 

 

22:54 31.8km Contamine着。

アシスタントエイドがかなり混みあっていて、嫁と待ち合わせるのにすこし手間取ります。疲れも眠気もそこまでなかったのと、ユンケルだけ飲んで補充して、寒さも予想よりなかったので、羽毛ジャケットは渡しました。

ここから徐々に厳しい登りになり、Bonhomme峠まで続きます。

 

 

00:49 40km La Balme着。

焚火がある中腹のエイド。妙におなかが減っているので、初めてスープを飲み、エイドで配っている補給食のバナナベースのバーを食べます。意外とおいしい。

時間はほぼ予定通り。とはいえ、そこまで余裕はないので、そのまま進みます。

 

後ろには光の列がつならります。

 

 

 

 

2:33 45km Bonhomme峠。

多少眠気と空腹が止まらないので、少し休んでジェルを多く補給します。山頂は寒いので足早に通り過ぎ、さてここから得意な下り! と快調にスピードを上げたところで、

 

 

「右足脛が痛い!!!」

 

120km位で出るような痛みが、なんとこんな距離で出てしまいました。

 

一歩足を着くたびに ジワっと血が染み出すような感触。

前脛骨筋が痛んでいます。

 

マッサージクリーム(フラッシュバウンス)を塗ってもあまりよくならないので、とりあえずテーピングでサポートしてゆっくり下ります。

 

 

3:30 50.8km Chapieuxにホウホウの体で着。

 

Petzlの充電をしてもらいながら、急いでMedicalに行き、

「続けるつもりだから、走れるように足のテーピングをしてほしい。」と伝えます。

 

診察をしてくれたところ

「たぶん前脛骨筋が横に裂け始めてるね~。すこし止めるテーピングしとくよ」

といわれ、固定用の白いテーピングで右足首を固定し、脛は一周ぐるっと回るような形で押さえました。

手際はすごくよかったので助かります。

 

「エイド毎に次にいくべきか、悩んだらMedicalに相談してね。じゃ、see you in chamonix!」

 

という感じでわかれました。

 

治療中、思い至った原因は

「ロードのような固い地面での練習不足」

です。

 

富士山の練習しかしていなかったのですが、下りは砂走でずるずると滑りながら下りるので、実は脛への衝撃は少なく、主に踵から太ももで吸収して走っています。

 

でもUTMBの土はアスファルト並みに固い。そこをバタンバタンと踏み込んでしまったので、鍛えられていない筋肉がすぐに損傷してしまったのでしょう。

 

ロードやっとけばよかったなぁ。。。。と思いつつも、得意の下りを走れない足であと120km行けるのか?と考えると絶望に襲われます。

 

でも、時間は全然ないし、せめて痛みの(あまり)でない登りは頑張らなくては、と前向きに気持ちを切り替えながら、次の難関、セーニュ峠への登りを歩きます。

 

 

6:47 Seigne峠着。

ガレ場を下るピラミッドルートがキャンセルになってよかったと心から思いながらも、Combalまでの下りでの痛みを想像してげんなりします。

 

そんなところで、ちょうどラン仲間のKさん(女性)と遭遇。夜明けの幻想的なコンバル湖を一緒に写真を撮ったりしながら、話してすこし気持ちをリフレッシュ。

 

 

 

 

 

 

テーピングのおかげで、走れないまでも痛みは少し軽減されていました。

 

しかし、今度は

「右膝裏が痛い。。」

たぶん固定されすぎて、衝撃がそのまま膝に行っているようです。

 

 

 

7:35 66km Combal湖着。

 

またMedicalに行ったら、膝にオイルを塗ってくれました。セーニュ峠からの吹き降ろす風が冷たいエイドだったので、あったかいスープを飲んで、またバナナのバーを補給。

 

コンバル湖の絶景に心をどうにか癒しながら進みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ときどき牛が通せんぼ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9:02 Mont Favre着。

 

雄大なFavre山が目の前に聳えるチェックポイント。記念写真をとって進みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここからクールマイヨールまで9km連続の下り。。。。

 

 

 

予定とは1分差もないくらいぴったり。しかしここから時間がかかりすぎると一気に危ない。

こんな序盤で飲みたくなかったですがロキソニンを1錠飲んですすみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クールマイヨールは全く見えません。

 

楽しい下りが、こんな地獄になるとは、、と思いながら、なるべく右足の負担がないような足の置き方をして、下りていきます。

とはいえ、クールマイヨール手前のちょっとテクニカルな日本の山のようなつづら折りでは痛みが倍増。

 

正直、日本のレースだったら間違いなくリタイヤしたと思います。

 

 

10:49 クールマイヨール着。

 

両親・嫁・子供3人が待っていてくれました!

子供たちが抱き着いてきて、頑張って!と声援をくれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

アシスタントエイドには1人しか入れないので、嫁がはいりました。中は大混雑。
仕方なく床にすわって、靴を履き替えて、タイツを脱いで短パンに。シャツも着替えます。

無添加のアマノフーズの親子丼を開けたら、具だけでご飯はついてなかったのでガックシ。

でもかなりおいしいかったので、次回はα米も用意します。

 

あっという間に40分位立ち、出発の準備をします。

 

11:41 クールマイヨール発。

 

外で子供たちがまた待っていてくれたので、数分休んでから後半に挑みます。

 

12:00 クールマイヨールの広場。

Tシャツ一枚では思ったより寒いので、またキャプリーンに着替えます。

その時、高低表とタイム表を着替えの時のポケットに入れっぱなしにしたことに気づいたので、嫁に電話をして、メールで送ってもらいました。

 

そして去年熱中症で倒れたベルトーネの登りに入ります。

 

 

あーーつらい、と思いながらも富士山効果で登りの筋肉は残っています。

 

しかし中腹に来たところで、めまいがしていきなり動けない状態に。

 

クールマイヨールであまり補給しなかったのでハンガーノックかと思い、ジェルを2本補給してじっと休みます。

 

そこで、またKさんがちょうど登ってきて遭遇。

貧血かハンガーノックかも、と話したらグルタミンとオルチニンのパウダーをくれました。

早速それも飲んで5-10分位目をつむったところ、どうにか動けるように。

 

登りを再開しましたが、どうもベルトーネはいつもトラブルが起きる相性の悪い山です。。

 

 

13:59 84km ベルトーネ小屋 着。

 

予定の14:10より10分早いですが、トイレ休憩と補給であっという間に消化。

 

ここから左手にモンブランを見ながら細かいアップダウンを繰り返す絶景トレイルです。

走れたら気持ちいいんだろうなぁ、と思いながら満足に走れたこと一度もありません。(そして今回も。。)

 

 

 

 

 

 

 

 

そして下りで毎回起きる痛み。。左足に痛みがでたらリタイヤするしかないかも、と思いながら進みます。

 

15;53 91.5km Bonatti小屋 着。

予定(16:06)より10分早いですが、アルヌーバの下りで遅れることことを見越して、足早に出ます。

 

17:05 96.6km Arnouvaz着。

とにかく右膝と右脛が痛い!

トイレ休憩をしたあと、またMedicalに行くと、日本人のスタッフがいて1人待って、と言われ10分程まちます。

刻々とカットオフ時間の18:15が迫り焦ります。

 

「フェレ峠からの長い下りを走れるようにしてくれ」と無茶ぶりをします。

急ぐ?と聞かれましたが、しっかり巻いてくれた方があとで巻き返せるので、しっかりお願いします、と伝えました。そして、右膝にしっかり伸縮性のテーピングを巻いてくれました。

 

エイドを出ようとすると天候は悪化。長ズボンの着用が義務になったので、初めて履きました。

 

 

17:50  アルヌーバ発。

 

一気に予定から遅れ、関門25分前というヒリヒリした状態になります。

 

ここからは登り。テーピングはしてもらったとはいえ、また下りでロスをすることを考えると、全く余裕がありません。登りで時間を稼ぐしかない。

 

ここで富士登山競争での雪辱を晴らすべく

 

「フェレ峠まで全力ノンストップで登りきる」

 

と覚悟をきめて進みます。

 

たぶん100人位抜きました。

後ろを見ると氷河の切り開いた雄大な景色が広がりますが、写真も撮らずにモクモクと登ります。

 

 

19:09 Ferret 着。

 

1時間で登りきれた!一気に予定(19:26)からも15分前倒しになっており、想定よりも30分も早く登り切れました。

 

とはいえ、ここからが最大の難所。

 

22km の下り

 

です。

 

下りで激痛が起きるのにそれを22kmも。。。

 

日も暮れてきて、気持ちも真っ暗。でも行くしかない。

 

ロキソニンをまた1錠飲んで、進み始めました。

(つづく)


テーマ:

無事にキナバル山(4095m)を登頂しました。念願の4000m超えで夢が一つ叶いました。

さらにVia Feraata(ヴィア フェラータ)という、世界最高地点のクライミングアクティビティにも参加。怖かったけど楽しかった!

 

{8D711517-9395-4762-8874-27A738AB931A}
山頂は数人しか立てないです。

 

{EA1B0C72-9CC6-43AF-898E-FF914A823B1D}

 

3776mから垂直に600m降ります!

 

 

 

全体の日程として、シンガポール出張のついで無理やり繋げたのでかなりの急行軍でした。

現地のガイドの手配などは、キナバル自然と文化の旅というツアー会社に頼みました。細かいところまで質問に答えてくれてとても頼もしかったです。

http://www.nctravel.co.jp/Kinabalu/viaferrata.htm

 

以下は時系列です。

 

2/1

昼まで仕事

17:30 シンガポール発

20:30 コタキナバル空港着。そのままホテルにタクシーで向かう。夕食を食べて睡眠。

 

2/2

6:15 ツアーガイドがホテルまできてピックアップ。

9:30 公園管理事務局着。必要な手続きをして、登山ガイドと合流。登山口入り口まではバスで移動して登山開始。 

1900mからスタートなので単独なら日帰りで全然出来そうだけど、ガイド雇用+3200mの山小屋での宿泊が義務付けられています。

 

ここから山小屋まで6kmほど。1kmごとにトイレとゴミ箱のある休憩所があってとても整備されています。

 

{A063E20C-A6A6-4814-9094-F2B3CFC1C4A2}

 

{3142DF94-5C6C-4DA2-8248-C57A212477D3}
この紫の花がとても可愛い。

 

 

{DEE866CF-F8C1-44EA-B987-8C31B5E676CD}
{546C245C-E752-4858-AA24-682CCD8114E3}
熱帯樹林の中を登っていきます。

 

10:30 軽食 リスがたくさんやってきます。

 

{0DB9B448-8FDD-41BB-B7F1-B3427E68F02E}
食いしん坊なリスたち。
 
{71E5911F-AF86-4DAA-8845-130A19394171}

鳥も。

 

{498D8BA7-2CF6-41D4-ABBC-746328334EF2}

 

ウツボカズラ!30cmくらいあります。

 

{C65F52D2-E348-4238-87A7-29EAD3C1DCB6}
段々と木が低くなって、岩がゴツゴツしてきます。

 

12:50 3200mの山小屋に到着。昼食のある山小屋は綺麗で、色々なものが食べられます。

 

その後、ここでは電波が通じてしまったので2時間ほど仕事をしました。。。(泣

スマホと電波がある限り仕事から離れられないですね。

 

16:00 Via Ferrataに関するレクチャーを受講

17:00 夕食

20:00 就寝

 

{AB91A3C4-94B1-4812-AAA7-18165F92ACC2}

星が綺麗でした。

 

 

 

 

2/3 

2:00 起床。軽食でパンを4枚食べる。

2:45 登山開始

山小屋出た辺りは頭痛くてまずいな、と思っていましたが、3700mを超えたくらいから快調に。ガイドも先行っていいよと言ってくれた、先に進んで写真を沢山の撮りながら進みます。

月暈というには大きすぎる月がもう近くて最高でした。
 

{ED5043C7-8888-4572-AEA9-C9EF266A8B1E}

 

 

4:40 キナバル山登頂!

山頂に着いたらペースが早かったらしく1組しかおらず、しばらく山頂を独占する幸せな時間。

同行の日本人とガイドがくるのをしばらく待ちました。

 

 

{46262EC8-09DD-43E1-B421-2F30BF73C09B}

 

{4D98E886-D0C1-4C6D-B25F-7258DDFA768C}

 

眼下は雲海。

 

{6280EF63-4D0A-4D4C-9510-1D35506D778C}

 

東の空に暁光。

 

 

6:00 空が白んでくるも、山頂では前の山脈で見えづらいのがわかったので、急いで3800mのポイントにガイドと移動。

 

6:30 日の出。あいにく雲が東の空に多く、完璧ではありませんでしたが十分感動しました。

 

{D2294D6B-786C-419F-B714-5BC97B4F4E8E}

ご来光はいつ見てもいいですね。

 

 

6:50 3776m地点のVia Ferrataの開始地点に到着。

ここでガイドと別れて、専門のクライマーにエスコートしてもらいます。

ここから写真撮りたかったけど結構な高度でブルブル震えて、カメラを落としそうで諦めました。

 

9:30  Via Ferrata

 

{3004AA39-B596-4AEB-B6ED-036C8234438D}

 

 

 

 

9:50 山小屋に到着。またパンを食べて、シャワーを浴びて少し仮眠。

シャワーはぬるま湯と書いてありましたが、明らかに 「水」でした。

 

11:00 ガイドがきて下山開始

残り2kmくらいでスコールのような強い雨が始まります。

 

13:30 公園ゲートに到着。車で管理事務所まで向かいます。

証明書をもらって完了。

管理事務所近くのレストランで軽く食べた後、車でコタキナバル市街地へ向かいました。

 

 

16:00 キナバルのホテルに到着。

 

2/4 午前中にマーケットを散策。

14:30 キナバル空港発。シンガポール経由で日本に帰国(今ここ)

 

キナバル山は山全体がとても整備されてて、山小屋の食事も豊富だし、道中の休憩所のトイレも綺麗。高山病さえならなければ誰にとってもとても楽しい山でしょう。

今度来られたらキナバル山マラソンに出たいな。。

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス