どこのふとん屋が作った?
先月末から、ぽつぽつ、
打ち直し仕立て替えの依頼が続きます。
お正月の来客に備えて、押入れをチェックしたところ、
昔作ったふとんがどっさり。
田舎家は、押入れ、納戸があり、モノが置けます。
しかし、このご時世では、かさばるふとんは枚数が必要ない。
処分(廃棄)するには、親が作ってくれたものだけに忍びない。
と、いうわけで仕立て替えとなります。
お客さまから持ち込まれるのは、最低でも4枚以上来ます。
掛と敷、二組、つまり結婚の際に作ったものでしょう。
お客様の年齢から推察するに、
30年以上は昔のものと思われます。
当時は、軽いポリ綿がよろこばれていた時代で、
木綿わたのふとんのはずが、
かなり高比率でポリ綿を混ぜた綿が使われています。
「ふわふわして気持ちいいんだけど、生地が古臭い。
寸法も今の若い子には小さいと思うねん。」
サイズのことはなるほどわかりますが、
このふわふわしたふとんは、どこの店で作ったもんやねん?
と、聞き返したくなります。
ふとん屋の良心として、
このまま打ち直しても、いいものになりませんので、
木綿わたをしっかり巻くなど工夫して仕立て、
お客さまに届けなければなりません。
参考価格として表示しているより、本当は余分に経費はかかります。
でもね、お客さまにはできるだけ参考価格通りでおさめます。
親御さんに作ってもらったふとんが、
あまりいいものじゃなかったよ、と言えますか?
いちおう、もとのふとんのわたの状態を見てもらうのに、
サンプルとして一部を切り取って、見てもらいますけど。
素人目にはなかなか見えにくい世界ではありますが、
使って寝心地がいい、本来の目的にかなうモノづくりは
忘れてはいけない顧客サービスだと、ダンナの強い主張です。(ちょっと照れ)
気の早い?水仙、店の花壇で咲き始めました。