カレー探偵、やみちゃんです。
『カレー探偵事務所』 開設9周年記念事業
◆◆ カレー遠征 2018 夏
『やみちゃん、光輝く島へ往く!』 編
第23話
「”仏歯寺”って通称であって、正式名称は別にあるんだね!」
・・古都キャンディはスリランカ第2の都市で、人口は約12万人。
シンハラ人による最後の王国の王都でもある。
(※西洋列強による植民地支配により滅亡)
スリランカでは仏歯(※)が王権の正統性の証しとされ、王都が移動するとともに仏歯も移動し、「仏歯の安置所」で祀られてきた。
※釈迦(ブッダ)の歯
僕は仏歯を納めたダラダー・マーリガーワ寺院(Dalada Maligava)、通称「仏歯寺」を目指していた。
西洋風の建物が多い。
しばらく歩くと白い寺院が見えてきた。
仏歯寺だ。
1982年、仏歯寺と旧王都はユネスコの世界遺産に「聖地キャンディ」として登録されている。
神聖な場所につき、中に入るには身体検査が必要。
大きな菩提樹。
当然ながら、脱帽して裸足で歩く。
(※ちなみにインド洋の海水で濡れてそのまま乾いた塩まみれのズボンを着用)
悲しいかな、偏平足の僕には雨上がりでドロドロな地面がダイレクトに伝わってきた。
人人の真摯な祈りの跡。
菩提樹の見学を終えると寺院の本殿に向かう。
外国人のみ、入場料(1500LKR)が発生。
ロビーのような空間。
象牙で飾られた中には何があるのだろう。
できれば、1日に3回のプージャー(お祈りの儀式)の時間に来れば賑やかな太鼓の演奏も見学できたのだが。。。
2階へのぼる。
花束をもった人たちでいっぱい。
向こう側に仏歯が納められ、手前には献花台があった。
思ったほど広くはなかったので、周辺もいろいろ歩いてみた。
ここは釈迦の一生を絵物語にして展示してある空間。
黄金のブッダ像。
なるほど、これが仏歯寺か、やっぱりプージャーの時間帯に来ないと本当の意味で見学したことにはならないかなあ、と思いながら寺院を後にした。
仏歯寺の見学を終え、晩ご飯までまだ時間の余裕があったので、キャンディ市内のマーケットをぶらつくことにした。
案内役はツーリストカーの運転手、シャン君。(写真左)
真面目な青年で、たいていの要望に「Yes, sir」と応えてくれる。
スリランカではガイド業と運転手の資格は別別であり、シャン君はガイドのライセンスは保有していない。
とはいえ、この日と、翌日の2日間は彼と2人だけでの行動であり、精神的な面でも大いに頼りにしていた。
シャン君が、僕にズボンの替えがないことを心配して、ムスリムの経営する衣料品店に案内してくれた。
店員の額には立派な祈りダコが出来ていた。
料金は安く、シャツは1000LKR、ズボンは2000LKR程度。
1枚ずつ購入。
これがなかなかしっかりした製品で、帰国した今でも愛用中。
(キャンディに住んでいたらヘビロテした店だ)
シャン君がリーバイス(※本物かどうか微妙)のジーンズを欲しそうにしていて、悩んだ末に料金(3000LKR)を訊いて諦めていたのが印象的だった。
なお、彼に民族衣装のサロマ(サロン)は着用しないのか訊いたところ、
「じじい臭いからイマドキの若い人は履きません、sir」
とのこと。
メインストリートに牛車がとおる。
その後、やや離れた場所に導かれて付いていった。
シャン「新しいショッピングセンターです、sir」
聖地キャンディにも近代化の波が押し寄せているのか。。
シャン君がうれしそうに、「この店は日本の店でしょう?、sir」
・・いやいやいや、これは名創優品(めいそうゆうひん、メイソウ)だし。
中国資本の、「偽ダイソー」、或いは「パクリ無印良品」だよと。
カタコトの英語で説明すると不思議そうに首をかしげていた。
レストランコーナー(フードコート)。
観光都市でもあるのでインド料理、イタリアン、タイ料理などが揃う。
【ランプライス】の看板があったので、シャン君に食べたことがあるか訊いてみると、「知りません、sir」と。
・・そう、日本ではスリランカ料理好きのあいだでは非常に有名な【ランプライス】だが、現地での知名度が意外に低いことには驚かされる。
もっとも、【ランプライス】という名称がまだ普及していないだけなのかもしれない。
というのも、それが指す料理(=バナナの葉に包まれたお弁当のようなもの)自体は誰もが知っているからだ。
ややこしい話だ。
なお、【ランプライス】は街中のベーカリー等で買うことができる。
とくに仏歯寺の対面にあるクイーンズホテルの横のベーカリーで売っている【ランプライス】は絶品らしい。
(※買う時間が無くて断念)
次回予告
「キャンディアンアーツで一人ディナー!」
***
※富山県のカレー界について22ページも取り上げられています。
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