全国の善良なるカレー市民の皆さん。
カレー探偵、やみちゃんです。
富山カレー王国(王都/富山県射水市)にあるカレー探偵事務所の所長をしています。
この秋の中頃、岐阜へカレー遠征(※)をしてきたので、その内容を回を分けて記録していきたいと思います。
※主としてカレーを目的に旅行すること。ついでに観光も。
今回は第2回目です。
では最後までよろしくたのんますちゃ。
<カレー#2 カレーの文化屋食堂>
・外観
岐阜駅から車で数分ほどに位置するアーケード商店街、「柳ケ瀬」。
昼でも落ち着いたその雰囲気は、地元のオタヤ通りにも似て。
でも違うようで。
いやまてよ、夏に訪れた信州・大町?
それとも上越・高田?
まあ、こんな何とも言えない鄙びた昭和浪漫は、きっと全国いたるところにあるのでしょう。
たまらんちんです。(大好物です)
「カレーの文化屋食堂」
(岐阜県岐阜市徹明通2丁目4 松波ビル1F)
カレー探偵になっていなかったら、この通りも、この店も、知らないままに生きていたに違いありません。
・看板
なんだか可愛らしい胸キュン文字とイラストで書かれた看板。
メニューは全5種類。
これはきっとカレーJK(女子高生)の書いたものに違いない。
とすれば、女性恐怖症の私には敷居の高そうな店やちゃねえ。
・店内風景
意を決して入店すると、そこにはメガネをかけたマスター、柴田さん(推定年齢40歳)がいらっしゃいました。
やみ「あらら? カレーJKは居らんがや、なら安心やちゃ」
『無敵のインド』
『河童が覗いたインド』
など、往年の名著が並ぶカウンター中心のこぢんまりとしたお店。
柴田さんは物静かな雰囲気で黙々と作業をされていたので、まずはオーダーを済ませることにしました。
<食べる探偵>
・探偵の食卓
基本となるカレーは冒頭の胸キュン看板に書いてあった5種類のみです。
今回はそのうちの2品をご紹介します。
では、順にみていきましょう。
■ガラムガラムガラム 1180円
ちなみに、店主の柴田さんは寡黙な人なのかと思っていたら、まったくの誤解でした。
つまりは、こちらから話しかけ、「カレー談義することを好む人間です」というシグナルを出さない限りは話しかけてこない。
接客のお手本ですね。
※ちなみに私はたっぷりカレー談義していただき、とっても楽しい時間を過ごしました。
やみ 「ガラムガラムガラムって、なんで3回もガラムなが?」
柴田さん 「大事なことは3回言わないと!」
飴色タマネギの甘さがコッテリ濃厚なチキンキーマ。
じわじわ、じわじわ。
辛さが後追いで押し寄せます。
黒光り、してますよ?
なんともいえない複雑なスパイスのハーモニーは、まさに”柴田式ガラムマサラ”のなせる業なのでしょう。
やみ 「てか、文化屋食堂ってどういう意味ながです?」
柴田さん 「昔、この店はトンカツとかハンバーグの店で、そのときは”カレー”がついていない、たんなる『文化屋食堂』でした・・私はそのころは従業員の1人でしかなかったんだけど、ひょんなことからオーナーから店を譲り受けることになって。何年も前、10年はたっとらんけど、けっこう昔の話でね・・(遠い目)」
独立するに当たり、カレーに特化してアグレッシブに攻めていこう、この柳ケ瀬の街から”カレーの文化”を発信していこう、そう、思い立ったのだとか。
まさに柳ケ瀬ブルースですね。
とにかく、店主は昔、洋食のシェフであり、ドミグラスソースやミートソースもお手の物だったわけ。
なるほど、そういわれてみれば、「ガラムガラムガラム」には、たしかにそれらに通じる部分もあります。
深い深い、水の奥底にチラリと垣間見える程度に。。
なお、ダルも付いてきます。
イエロームングダール(緑豆の剥き割り)でつくったスープ状の一品。
これは【お豆チャン好き好き同盟】の主宰者たる私にとって無上の喜びですちゃね。
ライスはかために炊いた日本米のターメリックライス。
・食べ方指南
こうやってお手手で食べたら、手がきちゃなくなるがや。
だから柴田式スプーンで食べればOKなんだわ。
■プローンマサラ(カレーのみ) 930円
どうしてももう一品食べたかった私は、カレーのみ単品で追加オーダー。
※基本的にはライスやダルやサラダの付いたセットがオトクです。
マスタードシードがガン入りの濃厚なグレービー。
中には丁寧に殻を剥いて背ワタを除去した海老がゴロゴロリン。
えっ?
「海老が見えない」ですって?
もう、ほんと、欲しがるよなあ・・。
はい、清めましたよ。
(※良い子は真似しないでネ)
すぐに気がつくのは、海老の芯までカレーがしみこんでいるところ。
「黒ずんでますよ」
つまりは、それだけじっくりと海老を煮込んだ証拠ですよね。
万能マサラを作っておいて、オーダーを受けてから具材をトッピングしただけのなんちゃってエビカレーではありませんね。素晴らしい。
まあ、この店のように個人の真面目系オリジナルカレー店だからこそできる、こだわりの部分だと言えますし、柴田イズムの真髄ともいえる部分だと思います。
人まねでもレシピ本通りでもない。
また、効率のよさ、品揃えのよさも考えない。
毎日、5種類のカレーを、それぞれ別別に、まじめに作る。
それだけのことなんです。
じつに素晴らしい。
<カレー談義はつづくよ>
以下、柴田さんとの会話から、印象に残っている部分を抜粋。
・表の看板は、私(柴田)が書いたんですけど、それが何か?
・かわいい文字やイラストを描くのは得意ですね。
・柳ケ瀬の商店街には古くからやっている飲食店が多く、私なんてまだ10年程度だから、ひよっこみたいなもんです。
・ええ、商店街の先輩方からは、可愛がってもらってますよ。
・メディアにはあまり宣伝していません。あまりにもたくさんのお客さんに来ていただいても私一人では対応し切れませんから。
・でも、地元のフリーペーパーには数回掲載していただきました。おかげさまでじわじわ客も増え、週末には行列が出来る日も多いんですよ。
・一番人気? それは「覚醒カシミールカレー」ですかね。 えっ?食べてみたかった? じゃあ、次回来ていただいた時にどうぞ。笑
・カレーは試行錯誤しながらつくったオリジナル品です。
・スパイスをたくさん使った「薬膳カレー」というコンセプトで売っています。
・最近は大手チェーン店(※)のカレーや、似たり寄ったりの店が多いから、なんとか個性を出して行きたいですね。
(※愛知県はココイチの本拠地であり、岐阜も含めてココイチが物凄い勢力を誇っている)
・岐阜の街を『ぶらやみ』ですか? 岐阜城のある金華山はオススメです。
・金華山は徒歩でも登れますよ。(※ロープウェーあり)
・じつは、金華山の『リス園』のリスは、タイワン(台湾)リスなんですよね、私はその秘密を知っとるがや。
***
すっかり話し込んでしまった探偵さん。
カレーもうまいけど、話も楽しかったです。
やみ 「また今度きますちゃ~!」
柴田さん 「ありがとうございます。 ”オクスリ”煎じて、待っとるよ~」
君のハートに、やみちゃん・オータム。
***
カレーの文化屋食堂
(インドカレー
/ 名鉄岐阜駅
、岐阜駅
)
夜総合点★★★★☆ 4.0
***
やみ「次のカレー活動は、あなたの街のあの店です」
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