全国の善良なるカレー市民の皆さん。
カレー探偵、やみちゃんです。
富山カレー王国(王都/富山県射水市)にあるカレー探偵事務所の所長をしています。
この夏、関西方面へ3泊4日のカレー遠征(※)をしてきたので、その内容を回を分けて記録していきたいと思います。
※主としてカレーを目的に旅行すること。ついでに観光も。
今回は第3回目です。
では最後までよろしくたのんますちゃ。
<カレー#3 クスム本場家庭料理>
・外観
「クスム本場家庭料理」
(兵庫県神戸市中央区山本通2-12-21 異人プラザ 203)
僕「・・えーっと? この建物、かなあ?」
夏休みを利用して仲間6人で神戸の街までやって来た僕ら。
みんな同じ高校のクラスメートだ。
なんで神戸かって?
べつにどこでも良かったんだけど、青春18切符をつかって、とにかく西へ。
いけるところまでとことん行ってみようぜ、ってことになったんだ。
ちょっとした冒険心、ってやつかな?
実は6人のうち、1人はインド人。
名前はスーラジ君。
彼、見た目は完全にインド人なんだけど、実は神戸うまれの富山育ち。
だからヒンディー語もほとんど分からないとか。
いつもは富山弁で冗談を言い合ってるよ。
・僕たち
じつは、電車で神戸まで近づいたとき、誰かが、
「神戸か、じゃあさ、せっかくだからスーラジの実家(じいさんの家)に遊びに行ってみない? ガチのインド人なんだろ?」
って言い出してさ。
スーラジも
「OK、もうずっと爺さんの家に行ってないし、俺も気になるから神戸で降りようぜ」
って超、乗り気。
それで、神戸で降りたはいいけど、肝心の爺さんになかなか連絡がつかない。
なんか、もうめんどくさくなって予定変更。
北野の異人館を見学して、それからカレーを食べることにしたんだ。
・入り口
カレー屋はネットで調べた。
なんでも、異人館の近くに「クスム」って家族がやっている、ものすごい家庭的なカレー屋があるとかで、スーラジ君もかなり食いついちゃって。
迷いながら、ようやく店の前に辿り着いたってわけ。
・店内風景
僕「うわ、これってレストランなのか? 普通の住居じゃん?」
友人A「でも、ハラールって書いたスパイスとかめっちゃ売ってるし、おもしれーじゃん!」
友人B「おい、店の人がみんなインド人じゃん、日本語通じるのかよ?」
なんというか、店内は散らかっていて。
幼児(店の子ども?)が遊んでいた積み木が散らばったままになってたし、めっちゃ無愛想なスタッフがだるそうに転がっていたし。
まあ、5、6人のインド人ファミリーの家庭にお邪魔する感じかな。
じいちゃん、ばあちゃん、お母さん、お父さん、息子、嫁、子ども?
・天井
天井は青くペンキで塗られてたな。
<食べる>
・メニュー
それで、僕たちが一番奥の席に座ると、ほかにもカップルとか、白いシャツを着た男の人がいたりして、ちょっと安心したよ。
もちろん、その人たちはお客さん(日本人)で、かなりのカレーマニアみたいだった。
メニューは店の爺さんがもってきてくれたんだけど、なぜか一番上の「ランチセット」 980円のやつしか頼めないような感じ。
みんなそれを食べているみたい。
まあ、いいんだけど。
・サラダ
最初はサラダが運ばれてきた。
上にかかっている粉は塩っぽい。でもなにか違う。
なんだろ。
こんなときはインド人であるスーラジ君の出番だ。
僕「スーラジ君、この粉は何?」
友人C「これは塩コショウじゃね?」
スーラジ「うーん、なんだろう?」
スーラジ君、ちょっと見掛け倒しというか、インド人のくせにインドのことほんと分かってないもんなあ。
そういえば、見た目にだまされてか、クスムの人たち、めっちゃスーラジ君にヒンディー語で話しかけるんだもん。
スーラジ君、適当にうなづいたり、笑顔でごまかしたりしてたけど、実は全然話がわかってないことを僕は知ってるよ。
てか、隣りの席にいた白いシャツの人。
僕らの会話を耳をダンボにして聞いていたみたい。
白シャツ男「その粉は、チャットマサラやちゃ、かなり塩が含まれとるよ」
えっ?
富山弁?
なんでもその人、富山のカレー探偵事務所から来た探偵さんらしい。
びっくりしたよ、まさかの富山県民なんだもの。
あとから聞いたんだけど、奥にいたカップルは大阪の人たちだったけどね。
・サモサ
白シャツ・・探偵さんは、僕らを気に入ったみたいで、
探偵「良かったらサモサを食べてくれんけ~、もう腹ぱんぱんながいちゃ、実はショナルパったあとの2連チャンながいぜ~」
って。
2連続でカレーなんて、めっちゃ鬼やん。
すっごいスパルタンな生き様してる!
ありがたくサモサはもらって皆でじゃんけんして分けたよ。
(でも、あとからサモサもおかわり自由だって知ったけどね)
・食卓
料理については僕らの頼りどころだったスーラジ君が、じつはほとんど役に立たない状態。
彼はインド人だというだけで、料理については僕らと変わらない、あまり分かってないことが判明。
もっぱら隣りの探偵さんの説明で理解することになった。
カレーは3種。
・ダルカレー
チャナダルにカスリメティが効いた、スープ状の家庭的な味。
探偵さんは「お豆チャンが補給できたちゃ」って言ってた。
・アルーチャナ
ジャガイモとチャナ(ひよこ豆)が入ったカレー。
うす塩味。
探偵さんは「チャナ欠乏症の発作がおさまったちゃ」って言ってた。
・サヤインゲンとパニールのカレー
パニールっていうのはインドのカッテージチーズで、弾力のある豆腐みたいな食感。
探偵さんは「パニールの手作り感が激ウマ」って言ってた。
ぜんぶ食べ放題!
おかわり自由!
これって育ち盛りの僕らにはうれしすぎるんだけど!
黙っていても、クスムの爺ちゃんとかお母さんが、
「チャパティ!?」
とか、
「カレー!?」
とか、定期的に巡回してきて、お代わりがいるかどうか聞いてくれるんだ。
クスム爺さん、例によってスーラジ君にはヒンディー語で何かの説明を付け加えていくんだけど、もちろん彼は、にゃはは~って感じですべて受け流していたよ。
突然、店の女の子(3歳?)がガチャーンと荷物を崩してお母さんに大声で叱られて泣いていたり、アットホームというかなんというか。
インドの下町ってこんな感じなのかもね。
ほっこりして話も弾むね。
探偵さんはお代わりはせずに、反対側の大阪人カップルに話しかけて、大阪のオススメカレー店のこととかを聞いてた。
僕らは、エロ本の隠し場所とかの話題で盛り上がりながら、お代わりしまくってた。
探偵さん、僕らの様子を見て、「若いっていいなあ~」って目を細めていたなあ。
いえいえ、探偵さん。
あなたのような深い知識とカレー愛をもつ大人に、僕たちは憧れます。
・チャイ
チャイは超あまい!
しかも薄い!
紅茶の味も香りもまったくしないじゃん!
砂糖水といってよいなあ。
まあ、それもこの店の楽しみ方なのかもね。
・探偵さんの戦利品
探偵さんは物販コーナーで豆に食いついていた。
よっぽど豆好きなんだろうね。
見た目はインド人、中身は日本人なスーラジ君。
彼のルーツというか、アイデンティティーを探すためって言ったらちょっと大げさかな?
急遽立ち寄った「クスム」だったけど、探偵さんに出会えてちょっとだけ楽しかった。
帰り際、名前を聞いたら、「やみちゃん」って言ってた。
ありがとう、探偵さん。
僕らはこの後、姫路城でも見に行きます。
僕らのハートに、やみちゃん・サマー。
(BGM 「Stand By Me」 by Ben E. King )
***
クスム本場家庭料理
(インド料理
/ 三宮駅(神戸市営)
、三ノ宮駅(JR)
、神戸三宮駅(阪急)
)
昼総合点★★★☆☆ 3.8
***
※この話は事実を基にした一部フィクションです。
やみ「次のカレー活動は、あなたの街のあの店です」
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