ども、カレー探偵、やみちゃんです。
今回は富山大学前の無名なカレー店、SENインドストアー(富山市)を紹介したい。
<6/4昼 SENインド>
この店、ほとんど知名度がない。
大学前の通りにホームメイトのビルがある。
その2階に小さな看板が出ているのだが、分かるだろうか?
近くに行けばメニューボードが出ている。
よく見ないとカレー店だとは気づかずに通り過ぎてしまうだろう。
雑居ビルなのだが、奥に進むとOPENの文字が。
ちなみに、日曜・月曜が定休。
基本的に夜のみの営業だが、土曜のみ昼の営業をしている。
今回は土曜の昼に訪問した。
さらに登れと書いてある。
(2階)
2階に到着。
店はこのすぐ左側にある。
ガネーシャさまがお出迎え。
カレー屋がメインなのか、それともインド雑貨の販売がメインなのか?
私には聞けなかった。
ちなみに服の値段は1000~3000円程度。
テーブル席のみで、10人ほどが入ればいっぱいだろうか。
店の敷地は結構広いのだが、その大半をインド雑貨コーナーが占めている。
<メニューとオーダー>
テーブルにはメニューが。
なんでも、開店当時(2005年)に富山大学の学生が作ってくれたそうだ。
ただし、”卵カレー”は人気がなかったのでもうやっていないとのこと。
今回は”チキンカレー”と”シーフードカレー”の2種類のみということだった。
種類が少ない。選択肢がない。
私は”チキンカレー”をオーダー。
辛さを細かく聞いてくれるので、中辛にしてもらった。
<スタッフと調理の様子>
スタッフはオーナーシェフのSENさん1人。
客は私1人のみ。
SENさんはDVDを流してくれた。
インド舞踊が流れる。
SENさんは部屋の一角の2畳ほどの狭いスペースに消えた。
やがて、電子レンジの「チーン」という音が。
基本的に店内では調理はせずに、温めているだけのようだ。
たしかにタンドール釜を置くような規模の店でもない。
<チキンカレー>
5分ほどしてカレーがきた。
いい香り!
辛さもバッチリ。
スパイスのみで作られた本物のカレーだ。
しょうがとニンニク、たまねぎがたっぷりと使われている。
全体的に色が黄色く、ターメリック、クミンを中心に100%のスパイス感。
数分で身体全体がパーッと熱くなり、ポカポカして汗が出てくる。
チキンは小さめのものが所々にある程度。
あまりチキンが前面には出ていない。
ライスは残念ながら固めに炊いた日本米。
インディカ米への変更を求む。
容器が上げ底で量が少ない。
男子ならカレーのみでは満腹度70%だろう。
<SENさんとの対話>
SENさんは笑顔が絶えない好青年。
温厚でやさしい口調なので、実に話しやすい人だ。
いろいろ話したので分かった事を書いておこう。
・SENさんの年齢は36歳。
・12年前に24歳で来日。日本語ペラペラ。
・昔は旅行代理店で勤務していた。
・2005年に今の店を始めた。
・店舗は(株)ミタホームの社長が格安で貸してくれている。
(※やみちゃんメモ:ミタホーム社長はインド好きで有名。飲食店経営も手がける)
・コックの経験はなかったが、インドの母親に作り方を教えてもらった。お袋の味そのままに作っている。
・インドに帰ったときに雑貨とスパイスを大量に仕入れている。スパイスは毎回、数キロに及ぶ。
・インドではダール(豆)のカレーをよく食べるので自分の店でも出したい。でも、富山にはチャナは売っているけどムングダールなどは売っていない。売っている店を知っていたら教えてほしい。
(※やみちゃんメモ:カシミール(射水市)に売っている気がしたが、何となく言えなかった)
・次はフィッシュカレーを出す予定。お楽しみに。
・平日の昼は別の仕事をしているので店は開けない。
・2005年の開店時、勇気を出して日本人の女子大生に英語で話しかけた。そしたらその子が20人ぐらいの大学生を連れてきてくれたのがいまでも忘れられない。
(※やみちゃんメモ:店内にはそのメンバーの集合写真が展示されていた。)
・その当時、20人の中の一人がメニュー表を作ってくれた。カレーの価格も500円に決めてくれた。(500円ならお客さんがたくさん来るとアドバイスしてくれた。)
・現在の客は中高年も多く、上は80歳の人もいる。昨年、常連客8人をつれて自分が企画してインド旅行に連れて行った。
(※やみちゃんメモ:タージマハール前で撮影した記念写真を見せてくれた。50~80歳ぐらいの日本人8人がSENさんと一緒に写っていた。)
・インド旅行では、私の実家に無料で泊めてあげた。料理は妹に作らせた。料理代のみ実費をもらった。
・不定期でディナービュッフェをしている。2000円。10人ぐらいで集まろうという感じになったときに(たいていは土曜に)行う。夜11時すぎまでわいわいやっている。
(※やみちゃんメモ:インド人はこういうホームパーティが好きなのか?ビスト&ネギのビストさんもパーティをよくやっているが)
・昔は護国神社のフリーマーケットでインド雑貨を売っていた。その流れで今もインド雑貨を売っている。
・イベントでの出展にも興味がある。たとえば、五福公園の野球場の前でカレーを売りたい。でも手続きがわからない。むかし一度だけ何かのイベントで出展した。カレーとチャパティを出した。1時間で売り切れた。
・自分の店には調理設備がないので、毎日自宅でカレーを仕込んで店まで運んでいる。店内では調理していない。チャパティも出せない。
・インドのコルカタ(カルカッタ)出身。同じコルカタ出身シェフの多いカレー店、「デリー根塚店」に時々食べに行く。グリーンカシミールカレーが好き。辛さが病みつき。
(※やみちゃんメモ:グリーンカシミールは最高に辛い。翌日直腸が痛むほど)
<まとめ>
どうだろう。
SENさん、基本的にコック経験がない素人で、インドの母の味を忠実に守っているだけなのだ。
それゆえ、母の味、家庭の味そのまんま。
しかし、そのカレーの味は極めて純度の高い本格派。
メニュー選択の余地がないので”チキンカレー”と”シーフードカレー”の決め打ちとなるが、カレー・ローテーションの中には絶対に入れておきたい店だ。
タンドール釜がなくたっていいじゃない。
なにより、SENさんの誠実な人柄を知るに、なんとか店を盛り上げてあげたい、そう思わずにはいられなくなる。
そんな店なのだ。
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