2006//
「甘食♪甘食♪ラヴ♪」って名曲だなあ。顔がかわいければひきこもり・食い逃げ・ストーキングもオッケーがテーマです(いや違う)。
一見ヤク中っぽいたま子こと山田麻衣子はややひきこもり。サイケなファッションと装飾された鉄カブトをいつも装着。 日進月歩堂の甘食(菓子パンのご先祖)さえあれば幸せ。
そんなたま子を美容師の母:岸本加世子はせっつきながらも暖かく見守り、料理上手な弟は弟で姉思いで、 離婚した半芸術家の父:竹中直人は近所で工場を営み、たま子が遊びに行くとめいっぱいかまってくれて、 近所の住職は「たま子ラブ!」といつも気遣ってくれて。
しかしある日、住職と母が恋におち、そろってたま子シカト。
弟は男性初のバスガイドになる!と夢に向かってたま子放置。
父:竹中直人はアート雑誌に取材され、渡米する!とたま子にグッバイ。
日進月歩堂のじっちゃんは入院でたま子、というかこの世にグッバイ寸前。
今まで自分の狭い世界を形成していた人たちロスト。
どしても甘食が食べたい!と勇気を振り絞ってじっちゃんの元弟子のパン屋を紹介してもらうが、このダンディーなパン屋に弟子入りを断られる。
ここでもうひと勇気を振り絞ってパン屋をストーキング・人気のないところで不意打ち・取っ組み合いの末強引に弟子にしてもらう。 果たして世間知らずのたま子はうまくやっていけるのか?
前半シュール狙いすぎか、わかりにくい奇妙な事象が多々発生。 妖精か幽霊か知らんが妙な少年・道に突然出来た穴・ 何がトラウマでたま子がああなったのか(離婚後も両親仲悪くないのに、かなりいろいろ恵まれているのに) など等、ちょっと強引かも。
だけどパン屋に弟子入りしてからのたま子がドンドン素敵になっていくと妙にほっこりした気分になれます。 ラスト「パンなら焼けま~す!」とすっかり普通の人になってパン屋の衣装の似合うこと。ああこの人こんなに可愛かったんだあ、とサプライズ。
弟の「日本初の男性バスガイド」ってのが、ただ女装しているだけ、ってのはなんか違うな~。ここも残念。 まあ疑問点もファンタジーだと割り切って観ていると不思議にハッピーになれる映画です。