夜話2380 招魂社の行方
現靖国神社も創建当初は招魂社と言っていたはず。祀られた第一号の魂は久留米藩士だったはず。
その昔八女市が八女郡と言っていたころの名郡長田中慶介のころ 今の八女公園の高台に建てた碑文によれば旧八女郡関係の戦没者の為に招魂社をその高台の上に建てられた。
いまその招魂社は存在しない。
ただ戦後、福島町町役場の職員だったころ 遺族会係りだった 老生はその招魂社を仰ぐようにして今の八女公園で戦没者の慰霊祭を執行した。
役所を退職してすでに六十五年。その間いつの間にか招魂社も姿を消した。
あの社には維新後の各戦役の英霊が祀られていたはず。いま市役所にそれら英霊の氏名を聴いても担当係りの福祉事務所の職員は招魂社があったことも知らないばかりでなく 戦没者の氏名すら整理記録していないようだ。
個人情報を秘匿するという名目らしい。命を懸けて戦没又はそれに類した死没者の情報ということか それを公開しようとはしない。
老生広島原爆にもいささか関係があり その際の戦友の生死の情報を得ようとしてもそれができない。
個人情報の秘匿という名目で業務をさぼっているとしか思えない。
戦没者の氏名のみでもといっても役所はそれを秘匿する。近年の資料によれば自衛隊員の自殺者が一年間に五十人以上とか。
今後かれら自衛隊員が国のため戦没したとき やはり個人情報秘匿のため闇から闇に葬られる恐れがあると思う。
いまさら靖国神社を持ち出す時代ではないにしても。