授業計画案にもあんちょこがあるの | 中学受験の小箱 by 元私立中学教師 yamesen

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塾とは別の角度から学校選択のヒントを書いています。

 近所の公立小学校1年生の国語の授業改善プランを読んでみました。
「昔話や神話や伝統などの読み聞かせをしたり、百人一首に取り組ませたりする」。
 神話は昔話と区別して取り上げるほど大事なことになりつつあるようです。
「伝統などの読み聞かせ」というのは伝統行事を教えることでしょうか。国語力が気にかかります。
 
 6年生の算数の改善事項には「重要事項をしっかり確認させる」というのもありました。今まで何をしていたのか、心配になりました。

 同じく6年生の体育で身につけさせたいのは……

◇オリンピック・パラリンピックがフェアプレーを重視していること知り、日常生活においてフェアプレーの精神を実践しようとする力。
 ……招致の段階で破綻していますね。


◇児童が進んで外国人と「おもてなし」の心をもって交流しようとする力。
 ……これは体育か?

 近所では私立小学校に通うお子さんが増えています。そうでなくても塾に通わせたいという意見に納得します。

 そもそもこのプラン、HP上に公開されているのですが、保護者が読むことを想定しているのでしょうか。
 教育委員会への書類提出という印象を受けます。

 何かを写した印象が否めません。

 私立中学・高校で授業計画にわざわざシラバスという名前をつけて冊子にして配付していることを自慢する学校があります。なんのつもりでしょうか。「シラバスを作っています」と宣伝したいがための行為のように思えます。

 4月の段階で、その学年の生徒の過去の学習を確認し、今後の学習を想定に入れて、かつ1年間を見通した授業プランを作るのは、数時間でできるものではありません。

 私はシラバスを作ることになった時「これは大変」と思ったのですが、「それくらいなんでもない」という同僚がいました。教師用指導書の丸写しで済ませるらしい。いまや、予めシラバスの形式にまとめられたものもあります。コピーアンドペーストの世界です。

 生徒には厳しいのに……。 

「なんでもやります」の成れの果てです。お粗末なシラバスでも作成には時間はかかります。優先順位を考えてほしいものです。