2023年9月29〜10月26日 <抗がん剤治療3クール目> 手術から8ヶ月目
夫は3月に手術をして寝たきりになる前は、キャンプが趣味のアウトドア人間。
他にも携帯で小説を読んだりゲームをしたりネットショッピングをしたり、テレビを見ることも大好きだった。
それが手術をして目覚めた瞬間から、いっさい携帯とテレビへ興味を示さず、見ないまま半年以上が経った。
暇じゃないんだろうか?携帯がさわれないのはストレスじゃない?
と思ったこともあったけど、夫の世界では不要らしい。
夫の携帯の画面履歴には、倒れる直前まで見ていた小説のページや、キャンプ場の予約画面、ゲームの画面が残っていた。
テレビの録画一覧には、倒れた日以降の「未読」の文字が並んでいる。
本当に、「あの日」の前後で違う世界線にいるような感じだ
夫は、車椅子に乗れる回数は増えていないが、一度乗ったらだいぶ長時間座っていられるようになった。
(というか、一度乗ったら簡単にベッドへ戻れないので)
最近は車椅子に乗れた日は、テレビの前に連れていく。
最初は目をつむっているが、ちらちら見始めて、割とじっと見ていることも増えた!
絶対、脳に良い刺激になっていると思う!
過去の自分や体験を思い出してほしい、というのが本音だが、
まずは、いろんな映像、言葉、音楽に触れて、今の世界を感じてほしいなと思う
テレビを見ている時間は気が紛れるのか、幻覚・幻聴の症状が少なくなる。
テレビの内容がどこまで理解できているかはわからないが、時々笑ったりコメントを言ったりもしている
夕方子どもたちが学校から帰ってきて、8ヶ月ぶりに4人でテレビを見た。
また、こんな日が来るなんて!! 感極まる
子どもたちも私もハイテンション
さて、問題はこのあと車椅子からベッドへの移乗がスムーズにいくかどうか・・・
ちょっと長いことテレビを見させすぎたかな・・・ 夫は脳がしんどそう
「ここにベッドがあるよ。ここに今から移るよ」と認識させ、いざ夫を抱えようとすると、
私の抱え方が不安定で怖かったのか、夫は説得に応じない&暴言がで始めた。
「ここの柵を持って」という指示もなかなか入らない。
15歳の娘にも手伝ってもらいながら、1時間くらい格闘したけどもう無理!ってなって、
夫を強引に引っ張りベッドへ倒す
とりあえず足までベッドに上げて、ベッドの上で少しずつ夫を動かした。 ・・・腰が痛い 限界
そのあと、だいぶ時間が遅れたけど、夕飯の胃ろうをして、おむつを替えて寝る準備をして・・・
6歳の息子の宿題や明日の準備に付き合ってあげる時間と気力がない。いつもほったらかしでごめんね
今日の夫の異世界語録
「3、4年前に一回死んでる。前の葬式がひどかった」
(え、まさかの異世界転生系?!)
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重度認知症の夫が発する言葉は、いつも謎解き。それを私は「夫の異世界語」と心の中で呼んで、和ませてもらっています
いつか夫がいなくなって、涙が止まらなくなった時、これを見て笑顔になるきっかけにしようと思っています。
続きは4月16日(火)19時30ごろ更新します!
「車にひかれた!! ベッドから転げ落ちた夫」