母は春が好きだった…と思う
…思う、というのは、本人にどの季節が好きか聞いた事がなかったから、多分、春が好きだった。
全てが芽吹いて、生き生きとする季節
花を育てるのが好きな母。
どこからか風に乗ってきた種から芽吹く山草を嬉しそうに眺めたり、愛犬達とながーい距離を散歩しながら、山の色の眺めて、刺繍のデザインや色を考えたり…
春が一番楽しそうだった。
空を見上げると、母と見上げた春の空だなぁ…と流れる雲に思う
たくさんの刺繍作品がある
母が逝き、それらの日々…父も母も当たり前にいて、父は書斎でいつも勉強していて、母はいつも家族の食事を作る事を譲らずにいた頃…がとても遠い日になった。
食事だって、もうずっと前に母でなく私が作るようになっていたのに、母の作るご飯が食べたい。
喧嘩したりの日々がとても懐かしい。