先週、新刊が出ました。
 
きょうから、料理上手 コツがわかるから自信がつく きほんの10皿とアレンジ50
 
相方が数えたら、17冊目?もう宣伝しないで!って言われそうですが、
ああ、でも、本は自分の子供。
 
そしてこの本には、いつにも増して(いつもあるけど)強い思い入れがあるのです。
 
とにかく、使える、実用的な本で、
たのしい本が作りたかった。
 
少し、この本ができるまでのことを・・・本づくりの面白さでもあるので、(長いけど)よかったらお付き合いください。
 

 

【はじまりは、読者の方との出会いから】

 

今回、どういう本が作りたいですか?と家の光協会さんから聞いていただき、

実は・・・とお話ししたのが、『きょうから、料理上手』の内容でした。

 

というのも、『明日から料理上手(小学館)』という読み物の本を作ってみて、

はじめてわかったことがたくさんあったんです。

というか確信したこと、かな。

 

あるとき、とあるイベントに、

大学生の青年(ここ、ポイント!)がやってきて、

『あの本を見て、里芋の炊いたん、を10回以上つくりました。今は料理が楽しくなって、家族に喜ばれてます。』というではありませんか!

 

ええええー男子!

 

はたまたある女性が、

『私、20年くらい100%外食だったんですが、初めての料理で、この本を見て、ほぼぜんぶ10回作りました。

そしたら、彼がおいしー!と。なんか料理が楽しくなりました。』と。

 

ええーーはじめてで?

 

また別の女性は

『あの本で、料理への気持ちがガラッと変わりました。今はまず、基本を、くりかえしつくっています。白和えはもう20回は作りました。同じもののくりかえしでも喜ばれる、家族の好物です。』と。

 

うおおおお!

 

みなさま、初めてお会いする方々。

一瞬、鳩が豆鉄砲みたいな気持ちになり、すぐに、(こっそり)舞い上がりました。

 

あの本は、百花繚乱のレシピの森の中で、

実はいろいろ作るよりも、10皿くらいを何回も作ったほうが料理は上達するんじゃない?

そもそも、料理上手って、料理好きのことだからさあ、という私の思いをつづった本でした。

 

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それを体現してくださった奇特な方が目の前に表れて、

なんだか、自分で書いておきながら新鮮な感動があったのです。

 

そうだよね?やっぱり、やみくもにいろんなレシピを作るより、

コツやらおさえながら、同じものを何回か作ったほうが上手になるよね?

さらには、料理好きになるんじゃない?と。

 

これと合わせて、数年前に読んで、はげしく同感した本のことが頭にありました。

『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』(キャスリーン・フリン)という本です。

 

料理が苦手、自信がない、何をどうしたらいいのかわからない、でも料理はしなきゃなんだよー、という女性たちに

できあいのものやインスタントのテレビディナーなどから脱するべく料理を教える教室と

彼女たちの変化を追った本でした。

 

ああ、私が料理教室を始めたときに目指したのはこれだったのに・・・と。

なんかずれてきてるかも?

初心に帰って、本当に、日々料理することが必要な人たちに、料理は苦じゃなく、楽しいし、

なにより、自分と家族の健康を支えるものだし、シンプルに考えようよ!と伝えたい。

 

でも、気づいたら、

こんなおしゃれな組合わせもいいよ、こういう食材もおいしいよ、

というややハードルの高いレシピを紹介している自分がいたり。

おしゃれな本にしたいーと、写真集か?というような本を目指してしまったり。

 

考えたら、私は料理が好きでたまらないし、凝った料理も苦じゃなくたのしい、

世界中を食べ歩く食いしんぼう(体重増量中!)だけど、

それを伝えたい?わけではない。

 

毎日、やんなきゃいけない人や、

料理苦手ーと思う人に、料理の楽しさを伝えたいんじゃなかったんかい?

しかも、家にある材料と調味料で・・・と、

自分にツッコミをいれるようになっていました。

 

そこで、だれもが喜ぶ家庭料理を、何とかの素とか使わずに、

しかし、シンプルにできるように工夫して、

コツや理由(なんでそうするか)がしっかり、しつこく書いてあって、

すとんとはら落ちして、しかも、料理が楽しくなる本、そう楽しい本を作りたい、と。

あれ!も入れて・・・(むふふ。)

 

編集者さんも、

『わかった!作りましょう!』と言ってくれて、はじまりました。

 

【マンガをいれたい!しかも4コマ漫画!】

 

で、あれ!ってなにか?

私が、楽しい本にしたい&自分が大好き!という理由でご提案したのが、

 

漫画、マンガ!まんがをいれたい!

 

ということでした(笑)。しかも、イラストではなく、がっつり、4コマ漫画をいれたい!と。

たまたま、営業や販売の方の会議でも、マンガいいんじゃない?ってことになったようで、

(出版は、編集だけでなく、販売や営業の方のOKもいります)

レシピも探求しつつ、漫画家さん探しが始まりました。

 

プロとして活躍しているたくさんの方のマンガやイラストをいろいろ見て、

私がイメージする人、編集者Uさんの感触、デザイナーの高市さんの意見、

いろいろ交えて、ディスカッション!

しかし、なかなか見つからない~!!!涙。

 

そんな日々の中で、奇跡の出会いがあったのです。

 

私がこの数年、関わらせていただいているNHKの震災復興プロジェクトでのこと。

公開復興サポート明日への会場である宮城県名取市についたら、

スタッフの方々が、どストライク!ツボ!の漫画(女の子)が描かれたTシャツを着ているではないか!?

 

ご一緒したプロデューサーさんに、

あの、このイラストの女の子って?と聞いたら、

復興支援プロジェクトの、あしたブログ に登場する花ちゃんよ、と。

あわててサイト内を探したところ

これまで気づかなかった、漫画発見!

おおおお!!これって、探していたテイストじゃないか???と。

 

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そこでその日、スタッフのみなさんがそろう晩ごはんの席で、

『あの、花ちゃんの漫画、だれが書いているんですか?』と思い切って聞いてみたら、

『あ、私です・・けど?!』

ぬあんと、斜め前にいた、可憐なスリム女子が手をあげている!!!!

 

そんな奇跡の出会いを経て、

うにさんに、他のお仕事の合間に書いていただくことになったのでした。

 

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※絶賛赤字校正中・・・漫画は下書き中

 

まず、基本の10皿には、4コマ漫画をいれたい~ということで、

私がこれまでの教室でのエピソードや、自分の経験からネーム(セリフ)をお渡しして、

イイ感じの漫画にしていただく・・・のですが、

なにしろ私もはじめてのこと。

いろいろ紆余曲折、

このエピソードおもしろくな~い・・と、笑に厳しい編集者さまのダメ出しで、没になったり、

どこがおもしろいんですか?と真顔で聞かれたりしながら、汗

7つの4コマ漫画と、

2コマ漫画、1コマ漫画が生まれました。

 

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最初は細かく決めていなかったのですが、

うにさんのおかげで、

登場人物も、キャラクターも決まっていきました。

 

さっちゃん 30代 : 結婚して夫と二人暮らし。料理は苦戦中?!

※さっちゃんの夫は、高圧的ではなく優しく協力的な男子にして、と要望。

 

ママ(節子という名前だと明かされる、笑) 40代 : 小学生と中学生の娘のママ、いまひとつ料理に自信がない?

 

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※節子ママ。私とデザイナー高市さんのお気に入り、どや顔!“でしょーー。”も。

 

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※黄色いパーカーのさっちゃん。インスタントだしなど使わずにできるわけ、うま味のメカニズムも、さっちゃんと一緒に易しく。

 

たとえば、びしゃびしゃっと水っぽくならないサラダの作り方も、

この2コマ漫画で、つかみはOK、ぐっとわかりやすくなった?と思っています。

 

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私は、とにかく、とにかく、彼女の絵が大好き。

ひとめぼれでした。

3歳から筋金入りのマンガ好きですが、

ここまで好きな絵とセンスの方に、描いてもらえて、もう、とにかくうれしかった~。

 

これらエピソードには、

この本を作りたいというのと同じ思いで始めた

“きょうから、料理上手”というビギナーさん向けの料理教室@代官山で、

みなさんからお聞きした話もはいっています。

いつも、最近の失敗を話していただくのです。みんなで話せば、笑えます♪

 

この漫画を読んで、くすっと、していただけたら、うれしいな。

 

明日は?その2!

ラインナップした料理のことなども。

 

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きょうから、料理上手 コツがわかるから自信がつく きほんの10皿とアレンジ50

 

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