朝倉山 真禅院 (岐阜) | 星の道

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先日、美濃国一宮の南雲大社と、南宮大社の神宮寺である真禅院へ参拝に行ってまいりました。



こちらのお寺はJR垂井駅からコミュニティバスに乗って移動し、最寄りのバス停から歩いて数分の所にあります。
元々は南雲大社にのみ早朝参拝に行く予定だったんですが、行き方を調べている時にたまたま南雲大社に関わりの深いこちらのお寺のことを知り、移動の関係で先にこちらに参拝させていただくことに。

(南雲大社行の巡回バスが垂井駅→真禅院前→南雲大社前→垂井駅というコースだったので)



石段を登った先にある山門をくぐると見える景色がこちら。
お寺の後ろには山号の由来となってる朝倉山が見えます。本当にお寺のすぐ後ろにお山がある感じで、山の持つ気の強さのようなものをお寺の敷地からも感じられます。
さらに奥には南宮大社の神体山である南宮山もあるので、余計そう感じてしまうのかも。



立派な三重塔がありました。
国指定の重要文化財となっていて、大日如来様がご本尊として祀られています。
 
 

弁天様が祀られているであろうと思われる朱色の祠が境内の池にありました。

 


龍だけでなく仏像がおられる御手洗がいかにも「お寺」って感じです。



こちらが観音堂。
十一面観音菩薩(秘仏)が祀られています。

こちらの観音堂は明治初年の神仏習合廃止によってこちらに移設されるまでは「宝珠院」と呼ばれていたそうです。
ご本尊の十一面観音菩薩は南宮山の山頂にある「高山社」の本地仏で、その仏像を祀る宝珠院は高山社とともに「南宮大社奥之院」でありました。
宝珠院が山頂にあったころは「高山観音」と呼ばれて親しまれていたそうですが、今は場所を移して朝倉山の麓にこうしておられます。
(高山社だけは今も変わらず南宮山に鎮座してます)
 
南宮大社の行き方などをネットで調べている時に偶然そのことを知ったので、こちらのお寺にもぜひとも参拝してみたかったんですよね。
数珠と経本も持ってきてたので、しっかりと手を合わせて御挨拶をさせていただきました。



石段の先にあった本地堂は、三重塔と同じく国指定の重要文化財になっています。
ご本尊は阿弥陀如来。

こちらのお寺の概要を簡単にですが紹介しますと、1300年前の創建で開基は行基菩薩。
行基菩薩が本尊である阿弥陀如来を作られたのが始まりで、当時は『象背山 宮処寺』という寺号だったそうです。
その後、勅令によって伝教大師によって南宮大社と両部習合されて、寺号も「神宮寺」に改められ地元の方々だけではなく当世の天皇からも篤く信仰されていたのだとか。
関ヶ原の合戦で兵火にかかり一旦は無くなったものの、徳川家光によって1642年に再興される運びとなりました。

更に時代が下り、明治初年の神仏習合廃止によって二十二有ったお堂や塔、坊舎を統廃合することになった際に、お寺を慕う村人の絶大な奉仕によって南宮大社内から当地にお寺を移されたのだそうです。
以来、山号も朝倉山となり、寺号も神宮寺から現在の真禅院へと変わりました。
 



格子になっている扉のガラスが2ヶ所開いていて、お堂の中の様子を窺えるようになってました。
真っ暗なので私はあまり見えなかったんですが、目がいい人ならわかるかも。



梵鐘は美濃最古の鐘(奈良時代)で、こちらも国指定の重要文化財。
文化庁のお達しで基本つけないんですが、大晦日の除夜の鐘だけは参拝者のみつくことができるようです。



こちらは護摩堂。
のぼりを見てもお分かりだと思いますが、ご本尊は不動明王。



明治の二十二堂塔坊舎統合の影響で、元最勝寺の観音堂、釈迦堂、薬師堂もこちら(真禅院)に鎮座されています。
 

一つ一つのお堂を周って御挨拶をさせていただいていると、観音堂のほうから読経が聞こえてきました。
何だろうと戻ってみたらご住職がお厨子の前でお勤めをされていて、「これはラッキー」と思い、もう一度私も手を合わせて秘仏の十一面観音様にご挨拶をさせていただきました。
 
その後、お勤めを終えられたご住職と少しだけお話をしていた時に(主にお経に関する話です)「どうぞ気兼ねせずにあげてください」とご住職に言っていただいたので、それではとお堂の前で再度天台読みの阿弥陀経をあげさせていただきました。

 
そしてお経が終わった後、なんとご住職から真禅院様のお経の本を頂きました。
十一面観世音菩薩随願即得陀羅尼経」は持っている経本には載ってなかったので、すごく嬉しかったです。
(十一面観音がご本尊のお寺を参拝する機会が最近増えたので)
本当に有難うございました…!



参拝した日が観音様のご縁日で、そして観音堂でご住職から直々に十一面観音菩薩の経本をいただけたのも、なんというか「これからも励みなさい」と背を押されているようで、なんとも不思議な気持ちになります。



なんだかんだで2時間ほどゆっくりと参拝をさせていただきました。
そして1時間に1本ほどの間隔で来る南宮大社行の巡回バスに乗って、そのまま美濃国一宮の南宮大社に。


 
 

南宮大社はまた別記事で書きますね。ではでは。