愛国のリアリズム 対 売国のお花畑論 | 何かおかしいよね、今の日本。

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国際派日本人養成講座よりの転載です。

http://blog.jog-net.jp/201809/article_3.html

 

高橋洋一:アベノミクスは「雇用の確保」という本来、左派政党がやるべき事をやって、成果を出している

 

■1.「愛国的リアリズム」と「cool head, but warm heart」

 高橋洋一氏の新著『愛国のリアリズムが日本を救う』[1]が刺激的だ。氏の言う「愛国」とは「国益を守る」ということである。その「国益」とは何か。

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 国という共同体において、そこに生きる人々の雇用が確保され、生きがいを持って仕事に打ち込み、相応の賃金が確保されることは、経済政策の根本だ。相応の賃金の総和が国の豊かさであり、それを実現することが国益の追求となる。[1, p3]
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 弊誌1025号「国良し、民良し、子孫良し」の三方良し経済 ~ 高橋洋一『日本を救う最強の経済論』[a]でも述べたように、「雇用と賃金の確保」が、経済政策の究極の目的であり、貿易自由化、規制緩和、税制改革などはそのための手段に過ぎない。

「リアリズム」とは「現実を直視した政策的合理性の追求」である。上記の「国益」を目指して、経済の現状を正確に把握し、どのような政策を用いるべきかを合理的に考える。

 イギリスの経済学者アルフレッド・マーシャルは、「経済学者は、cool head, but warm heart(冷静な頭脳と温かい心)を持たねばならない」と言ったが、「愛国」が「warm heart」、「リアリズム」が「cool head」とすれば、「愛国のリアリズム」とは経済学の基本そのものである。


■2.「雇用の確保」とは、国家共同体の追求すべき究極の目標

 従来の労働者 対 資本家という枠組みでは、労働者の利益を追求するのが「左派」、資本家の利益を考えるのが「右派」であった。したがって「雇用の確保」とは「左派」的な目標であるが、弊誌は「国民の幸福を守る」というわが国の伝統的理想からしても、正当なものと考える。

 たとえば、学校を卒業して、いよいよ実社会に出ていこうとする青年が就職先が見つからない、という事ほど、残酷な仕打ちはない。「君は社会に必要とされていないよ」と言われているようなものだからである。しかも仕事は人間が成長し、「生きがい」を見つける場の一つであるから、青年にはそのような場が必要だ。

 また、仕事を持っていた人が企業倒産や解雇で失業するのも悲劇である。失業手当や生活保護で国家のお世話になって生きてはいけても、その人なりに共同体に貢献する生きがいも誇りも失われてしまう。

 逆に、子育てが終わった主婦や、定年後も健康な老人が、仕事を得られる、というのは、収入のみならず、人々と交流し、そこでの生きがいを追求できるという点で、幸福な人生を得る道である。

 この「雇用重視」の考え方が、従来の社会主義と根本的に違う点がある。伝統的な社会主義は19世紀的な貧しい社会を前提にしており、そこではとにかく物質的な保障をする事が目標だった。金銭的な保障だけなら、21世紀の豊かな社会では、失業手当や生活保護などでもよい。

 働かないでも食べていけるというのは、労働を神の罰とするキリスト教社会では理想であろう。しかし、わが国では、高天原の神々も田を耕したり、機織りをしたりして働いている。神様も人間も、一人ひとりが「処を得て」働き、それを通じて成長し、共同体に貢献する。そういう生き方が理想と考えられてきたのである。

 この理想から見ても、「雇用の確保」とは、国家共同体の追求すべき目標なのである。


■3.アベノミクスは本来は左派政党がやるべきこと

 この雇用の確保という点で、アベノミクスは成果を上げている。

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 しかし、第二次安倍政権は、経済政策の根本である失業率を減らして雇用を確保するための金融緩和政策を行い、その結果、完全失業率は2.5%(2018年4月)と1993年以来の低水準になり、2018年春の大卒就職率は98%と3年連続で過去最高を更新した。[1, p5]
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 失業率がこれだけ下がれば、当然、人手不足となり、賃金もあがる。

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 さらに、今年(2018)の春闘で労働者賃金について連合が発表した平均賃上げ率は2.16%(前年は1.98%)であり、連合会長・神津里季生(こうづ・りきお)氏は、「今後の展開にどうつなげうるかという意味で、非常に価値のある回答を引き出していただいた」と語っている。[1, p5]
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 雇用を増やし、賃金を上げる、というのは、労働者のための社会主義的政策である。

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 安倍政権が行ってきたマクロ経済政策(以下、マクロ政策)が雇用政策であることは、欧米では常識である。本来であれば左派政党が実行すべきことなのだが、保守政党が実現し結果を出しているわけだ。[1, p71]
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■4.「左派系野党の基礎的な学力と分析力、先見性がない」

 保守政党が、本来、左派政党のやるべき事をやって成果を出しているとすると、左派政党は何をやっているのだろう。彼らは1年以上もモリカケ問題で安倍内閣の足を引っ張ろうとしてきたが、そこでは国民のためになる事など、頭から考えていなかった。結果としても、大臣の首一つとれなかった。

 モリカケ問題は、国民の為を考えていないという意味で「cool heart」(冷たい心)であり、政策合理性もないという意味で「warm head」(のぼせた頭)である。

 経済政策ではどうか。高橋氏は立憲民主党の枝野幸男代表との次のような経験を紹介している。

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枝野代表は以前から「利上げで景気回復」という信じがたい意見の持ち主だった。筆者はあるテレビ番組で枝野氏と議論したことがあるが、そのトンでもぶりに驚き、・・・
 そのロジックは、金利を引き上げると年金生活者などの消費が活発になり、経済が伸びると言うのだ。[1, p148]
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 金利上昇が景気を冷やすという経済学の常識を踏まえていない点で「warm head」である。そして就職に困る学生や失業者のことは考えていない、という意味で「cool heart」であり、

 これでは「左派系野党の基礎的な学力と分析力、先見性がないとしか言いようがないから、議論しようにもできない」[1, p144]という高橋氏の指摘も宜(むべ)なるかな、と思わざるを得ない。


■5.「アベノミクスなるものへの不信感を確認できる手がかり」

 左派系の政治家がダメだとしたら、学者はどうなのか。「cool head, but warm heart」でアベノミクスを批判する学者はいないのか? 高橋氏はこう、こきおろす。

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 海外で常識となっているマクロ経済政策を理解していれば、現状を打破する道筋は自ずと決まってくる。このことを理解できない日本の経済学者は多い。・・・
・・・日本の経済学者の著作物を読んでみても、先に答えだけ述べてロジックはほぼない。本人たちは論証しているつもりなのかもしれないけれども、ただ意見を言っているだけでしかない。[1, p80]
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 いくらなんでもこれは酷評に過ぎるのでは、と思ったので、アベノミクスの批判本を探してみたところ、『偽りの経済政策-格差と停滞のアベノミクス』[2」という堂々たる書名の本が見つかった。出版元も岩波新書だし、アマゾンではカスタマー・レビューも12件、5つ星評価で3.8と、読者の評価もまずまずである。

 読者のレビューでは「アベノミクスなるものへの不信感を確認できる手がかりがここに」「日本を三流国にしてしまったアベノミクスを推進する日銀の論理を、完膚なきまでに論破しつくした論争書!」など、これまた勇ましいタイトルが並んでいる。

 著者の服部茂幸氏は京都大学で経済学博士を取得し、現在は同志社大学商学部教授というから肩書きも本格的である。そういう学者が、まさか「ロジックはほぼない」とか、「ただ意見を言っているだけ」などという事はないだろうと、この本を読んでみた。


■6.「雇用増加はみせかけ」

 アベノミクスの主眼たる「雇用の確保」について、服部教授の主張を見てみよう。教授は「第2章 雇用は増加していない」の冒頭で「雇用増加はみせかけ」との見出しを設けている。「完全失業率は2.5%(2018年4月)と1993年以来の低水準」というデータをどう「みせかけ」だと論証するのか見物(みもの)である。

 教授がまず持ち出すのは、2000年から2015年の延べ就業時間数、就業者数、労働生産性の経年グラフである。これを見ると、2012年を100として、就業者数は2014年のアベノミクス以降は増加に転じており、「これだけ見るとアベノミクスが就業者を増加させたように見える」としながら、それは「みせかけ」だという。

 まず「就業者」は週60時間働く人も、1時間しか働かない人も同じ就業者として扱われるから、「経済学の上で正しい雇用あるいは就業の指標は、延べ就業時間」であるとして、それがかつての110くらいから100前後に落ち込んでいるので、「アベノミクス期には雇用が全体として減少していることが分かる」と結論づけている。
 
 「延べ就業時間」は「経済学の上で正しい雇用あるいは就業の指標」と黄門様の印籠のように権威づけられても、「そうかな?」としか思えない。何が正しい指標かは、政策の目標によって変わってくるだろう。

 前述のように国民一人ひとりの生活と生きがいも含めた雇用確保を最終目的とするなら、失業者数が正しい指標だろう。たとえば、全体の延べ就業時間がいくら増加しても、正規社員が月何百時間も残業させられる一方で、多くの派遣社員が人員整理されているような状態では「雇用確保」の目標からみて何の意味もないだろう。


■7.「本人たちは論証しているつもりなのかもしれないけれども」

「雇用の確保」を究極の目的とするなら、失業者数を最小化することが、目標となるはずだ。直接的な人数で見れば、アベノミクス前の2013年から、昨年2017年の比較は、以下の通りである。

 (万人) 2013 2017 増分
 労働力人口  6,593 6,720 127
 就業者数   6,326 6,531 205
 失業者数   265 190 -75

 日本全体の人口が微減の中で、労働力人口が増えているのは、それだけ多くの人が仕事を求めるようになったからである。今までなら就職を諦めていた人が、求職に希望を持つようになったという良い傾向である。そして就業者は205万人も増え、失業者は75万人、減った。

 これはどう見ても、「雇用が増加している」としか言いようがないだろう。この単純なデータを示さずに、横から「延べ労働時間」を持ち出して、それが増えていないからと言って、就業者数増加は「みせかけ」であり、「アベノミクス期には雇用が全体として減少していることが分かる」と言い切る論理が弊誌には理解できない。

 しかも、その後で、「2015年以降は延べ就業時間でも微増に転じている」と言いつつ、「けれども、、、」と言い訳を続ける。高橋氏の言う「本人たちは論証しているつもりなのかもしれないけれども、、、」とは、こういう事かと疑ってしまう。


■8.愛国のリアリズムの正道

 ただ、失業率が2.5%にも低下し、大卒就職率が98%と新卒採用も難しくなって、経済界も悲鳴を上げている。安倍政権が突然、「外国人労働者受け入れ」の方針をぶち上げたのは、そのためだろう。

 外国人労働者の導入は、失業者を増やし、賃下げをもたらす政策で、本来、労働者の味方であるはずの左派政党なら大反対すべきところなのだが、わが国の左派政党からの反対の声は聞こえてこない。結局、彼らは日本の労働者の味方ではなく、近隣諸国の味方なのだろう。「愛国」ではなく、「売国」と言うべきである。

 欧米諸国は安易に外国人労働力を入れて、移民が引き起こす社会問題に悩まされ、いまや移民反対の声が大きくなりつつある時代に、それも学ばずに、半周遅れの政策をとろうとしているのは、これは「売国のお花畑論」である。

 真の愛国のリアリズムなら、どう考えるべきか。高橋氏は「労働人口減少は心配しなくて良い」という見出しで、たとえばメガバンク3行がAI(人工知能)の導入で、約3万人の業務量を減らすという動向を紹介している。

 AIまでいかなくとも、宅配の配達要員が不足しているなら、コンビニ受け取りや宅配ボックスを増やせば良い。スーパーのレジも、セルフレジ方式が導入されつつある。こういう技術革新は、人手不足で賃金が高くなるほど、加速される。

 そもそも企業の間接部門、農林水産業、介護、行政など、わが国の労働生産性は国際的に見れば、まだまだ低い。労働市場の逼迫と賃金上昇は、労働生産性を高める絶好の原動力となるはずだ。

 安易に外国人労働力に逃げることなく、企業が人手不足を直視して労働生産性向上を追求すれば、競争力も強化される。労働生産性が高まれば、賃金上昇にも耐えられる。国家は生活保護のコストを下げ、税収も増加する。この国民、企業、国家の「三方良し」こそ愛国的リアリズムの正道だろう。

 

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