今冬は異常な暖冬である。名古屋でも例年なら1月初旬には初雪があるが、今年は大寒でも雪が降る気配は全くない。今週の後半にかけては3月中旬の温かさが続くという。とりわけ深刻なのは雪不足のスキー場である。ただでさえ若者のスキー離れが著しい昨今、このまま雪不足で滑走不可の状態が続けば、閉鎖に追い込まれるスキー場が続出することが懸念される。実は昨年と一昨年の冬も、雪不足はなかったもののシーズン全体では暖冬であった。シーズン当初の降雪の蓄えが2月からの高温状態でも滑走可能の状態を維持できたに過ぎない。雪不足で深刻な影響が出るのはスキー場だけではない。奥利根地方の雪解け水の不足で東京都などでは水不足になる。根雪がなくなれば土中の害虫が大量発生して農作物は不作となる。ニホンヤマネなどは積雪量が少ないと土中の冷気が強まり、冬眠ができずに死ぬそうだ。適度な降雪は我々の生活だけでなく、生態系にも恩恵をもたらすものである。ところで、ここ数年暖冬傾向が続いているのは間違いない。今年の冬は偏西風が日本列島の北側をかすめていくので、シベリア寒気団が南下しにくくなっていることが原因らしい。昨年までは偏西風が蛇行していたため、寒暖差の激しい冬であった。冬の気温も年々高くなっている。一年間の世界全体の平均気温をみれば、2019年は観測史上最高であった。ちなみに昭和30年代の名古屋の1月の平均気温は摂氏3度に満たなかった。同様に札幌ではマイナス6度、青森市や高山市ではマイナス3度、旭川に至ってはマイナス9度以下であった。平均気温がこれほど低いのであれば、最低気温は旭川ならマイナス30度以下、青森や高山ならマイナス15度前後もざらにあったようだ。今冬の場合、高山や青森の平均気温は昭和30年代当時の名古屋の平均気温に限りなく近いのではあるまいか。まことしやかに地球温暖化を否定する専門家も見受けられるが、近年の高温傾向は地球温暖化が顕著になってきたと言ってほぼ間違いない。2月までに一度はスキーに行ってみようと思っているが、それまでに偏西風の波乱で大雪が降るのを祈るしかない。