前回までと、宇佐の歴史

 前回までに、子供にまで知られる「因幡の白兎」の史実的解明をした。これによって、宇佐氏の失敗と、宇佐郡定着までを、合理的に説明してきた。まだ、宇佐地方における詳細な証明はできてないが、大勢は説明できたと思っている。

 アメブロで知り合った地元の方が、宇佐地方の歴史をブログの一部に掲載し初めている。まだ、どのように結びつくかという所には至ってないが、湯布院などの観光に行かれる人があれば、周囲は歴史の夢に溢れている。

 ぜひ、見て回られることをお勧めする。まずは、始まったばかりの下記のブログで、下調べをされるのが良いだろう。私も気になる場所や、伝承を自分のブログの下書きに残している。何時か、これらによって、宇佐の歴史に一石投じたいと思っている。

http://ameblo.jp/yesidomasuda/

 宇佐地方、宇佐神宮、宇佐氏は、普通の地域にない夢があるように思う。

  八十神の迫害

  原文

 故、其菟白大穴牟遅神、此八十神者、必不得八上比売。雖負帒、汝命獲之。
於八上比売答八十神言、吾者不聞汝等之言。将嫁大穴牟遅神。

故爾八十神怒、欲殺大穴牟遅神、共議而、至伯伎国之手間山本、云、赤猪在此山、故、和禮(われ)共追下者、汝待取。
若不待取者、必将殺汝云而、以火焼似猪大石而、転落。
爾、追下取時、即於其石所焼著而死。

爾、其御祖命、哭患而、参上干天、請神産巣日之命時、乃遣討<下虫>貝比売與蛤貝比売、令作活。
爾、討<下に虫>貝比売岐佐宜集而、蛤比売待承而、塗母乳汁者、成麗壮夫(をとこ)而、出遊行。

  現在の解釈

 かれ、其の菟(うさぎ)、大穴牟遅神に白ししく、「この八十神は、必ず八上比売を得じ。袋を負へども、汝(いまし)の命がこれを獲(え)む」ともおしき。

ここに八上比売、八十神に答え言ひしく、「吾は汝(いまし)等の言うを聞かじ。大穴牟遅神に嫁(あ)はむ」と言ひき。

 故、ここに八十神怒りて、欲殺大穴牟遅神を殺産と共に、議(はか)りて、伯伎国(ははきのくに)の手間(てま)の山本に至りて、いひしく、「赤き猪、この山に在り、故、和禮(われ)共に下に追いしなば、汝は待ち取れ」。
「若し待ち取らずは、必ず汝(なれ)を殺さむ。」と言ひて、

火をもちて猪に似る大石を焼きて、転(ころ)ばし落しき。
ここに負い下ろすを取る時、すなはち、その石に焼き著(つ)かえて死にき。

 ここに、その御祖みおや)命、哭き患(うれ)ひて、天に(まひのぼ)りて、神産巣日之命に請(まを)しし時、すなはち討<下に虫>貝(きさがひ)と蛤貝(うむがひ)比売とを、遣はし、作り活(い)かさしめたまひき。
ここに、討<下に虫>貝(きさがひ)比売、岐佐宜(きさげ)を集めて、蛤比売待ち承(う)けて、母(おも)の乳汁(ちしる)を塗りしかば、麗(うる)はしき壮夫(をとこ)に成りて、出(い)で遊行(あそび)き。

  現在の語義

汝(いまし)の命がこれを獲(え)む ウサギの予言が的中
伯伎国(ははきのくに)の手間(てま)の山本 鳥取県西伯郡会見町天万。
和禮(われ) 我ら。我ら共にの意ともとれる。 
御祖みおや)命 母の神。御母。
討<下に虫> 辞書にも無い。赤貝の擬人化。
 *この貝を削りおとして集め、母乳に似る蛤の煮汁で溶いて幹部に塗った。
 *火傷に対する古代民間療法の一つ。


 以上が、原文と現在の解釈である。この話がどのような史実を書いたものであろう?

 今の物語の解釈を読むと、古代社会の何が判るのか。何度か読み直して、これまでに説明した社会を思い出してもらうと、色々と示唆に富む無いと判る。そして、天津国との関係の一つが、明確に追加される。

 次回の宇摩説の解釈は、来週にする予定なので、じっくり気付く事を、何度でも、コメントでチャレンジしてください。

 では、また

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