神社探訪 熊野久須毘命 | 邪馬台国の道標(みちしるべ)

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誓約は続き、今度は天照大御神の右手に巻かれた勾玉を譲り受けて、速須佐之男命が噛んで吹くと熊野久須毘命「くまのくすびのみこと」が生まれます。
熊野久須毘命も、天照大御神の物から生まれたので、天照大御神の子になります。

 

 

「熊野久須」は熊野の楠の木を表し、船材等に使われる防虫防腐的効果のある楠など、熊野の豊富な森林資源の伐採や植林や輸送に関わる林業の神ではないでしょうか。
新宮川(熊野川)河口にある和歌山県新宮市は、筏などによる木材の河川輸送の一大集積地になっていたようです。

 

 

 

また、新宮川の上流にある田辺市には熊野本宮大社が、新宮市には熊野速玉大社があり、いずれも熊野三山の一つで家都(津)美御子大神(速須佐之男命)などを祀った由緒ある神社です。
熊野牟(夫)須美大神(伊邪那美神)なども祀られており、倭国大乱の火元(黄泉国)となった地とすると、熊野久須毘命とは、久久能智神(大毘古命)と速須佐之男命と伊邪那美(→毘)神の3神をも指しているのかもしれません。

 

 

 

伐採した木材は新宮川を伝って流し、新宮市辺りから大阪へ海上輸送するルートが浮かび上がってきます。
このように、出雲から集まる鉄材や、熊野から集まる木材などを利用して、近畿に一大都市を築いていったのではないでしょうか。
これまで誓約で生まれた神や綿津見神を踏まえて流通の経路を整理すると、元は倭国であったと思われる熊本周辺への流通に難があることがわかります。
このことが狗奴国と敵対するようになっていった一つの要因かもしれません。

 

 

 

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島根県松江市の熊野大社も、速須佐之男命をご祭神としており、熊野に移り住んだ際にここから勧請したという説があるようです。
いずれにしろ、熊野系の神社は、熊野三山から勧請され、全国に広がっています。

 

 

 

神社 所在地 創祀 備考
熊野本宮大社 和歌山県田辺市本宮町 崇神天皇65年 主祭神は家都美御子大神(速須佐之男命)
熊野速玉大社 和歌山県新宮市 景行天皇58年 主祭神は熊野速玉大神(伊邪那伎神)・熊野夫須美大神(伊邪那美神)
熊野那智大社 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町 仁徳天皇5年 主祭神は熊野夫須美大神 (伊邪那美神)
熊野大社 島根県松江市八雲町 神代 主祭神は熊野大神櫛御気野命(速須佐之男命)