「歌手2020」参戦のMISIAさん、本当にお疲れ様でした。
MISIAの最後のデュエット、みなさんは、相手が誰なのか予想したりして楽しみましたか
4月24日の総决賽(決勝)から1週間が経ち、ようやく会員以外にYouTubeの動画が公開されましたので、今回はこの決勝の第一回戦の「帮帮唱」(=ゲスト歌手とのデュエット)について書きたいと思います。
おさらいですが、MISIAとLittle Black Dressによる『再会的彼端(さよならの向う側)』の纯享版がこちら。
Little Black Dress(RYO)とのデュエット。彼女は既に第4期の『向着未来(未来へ)』でMISIAと共演していました。
帮帮唱が行われる決勝戦は、おそらく二人での練習時間が十分取れないということが一番の原因だと思いますが、ライブ中継(それまではライブ収録)ということもあり、音楽的クオリティーが低いのか通例で、これまでの「歌手」でも、名演は多くはありません。(だから、私はこの回が基本的には好きではありません。)
しかし、帮唱嘉宾(パートナーの歌手)は、かなりの大物歌手が登場することが多く、番組の狙い通りでしょうが、放送前からそれが誰なのか話題となり、結構な盛り上がりをみせます。
このわたくしも例外ではなく、「歌手2018」の時は、C-POPのススメ 今週末の「歌手2018」に注目!で紹介したように、邓紫棋(G.E.M.)が华晨宇(フア・チェンユー)のパートナーとして参加することが決まり、大いに盛り上がりました。
こちらが、番組開始前の娯楽チャンネルの映像です。
今でも話題になるG.E.M.と华晨宇の組み合わせ
映像の中で、“唯独一人成懸念”とか、“最後的懸念”と言われている通り、MISIAのパートナーだけ、直前まで明かされることはありませんでした。
しかし、巷では様々な憶測が飛び交っていたようで、その中にはこんな予想を紹介するものがありました。
こちらの映像に紹介されているMISIAのパートナーの予想は、なんと 玉置浩二 です。
C-POPのススメ MISIAが歌う玉置浩二の『行かないで』で紹介した通り、MISIAが玉置浩二の曲をカバーして披露したことが、その理由の一つです。
そうだとしたら、期待してしまうのは当然です。
そしてこちらの台湾のチャンネルでは、ほぼ確定情報として、ある大御所の名前が挙がっていました。
その大御所とは、なんと 石川さゆり です。
MISIAはかつて自身のラジオ番組で石川さゆりとセッションしており、『上を向いて歩こう』をデュエットしています。(こちら)
そんな縁があったからかもしれません。
さすがに『天城越え』は歌わないか
しかし、実際は違ったわけですから、この情報はデマだったのでしょうか
石川さゆりに“声を掛けた”とまで伝えているので、もしかしたら誤報ではなく、本当に声は掛けたけれど、何かしらの事情で変更せざるを得なかったのかもしれません。
私の勝手な憶測ですが、やはりCOVID-19が原因で、石川さゆり側が断ったのか、あるいはMISIA側が遠慮したのか、そんな類の障壁があったのかもしれません。実際、直前までパートナーが明かされなかったのは、出演者の調整にかなり難航したのだと想像できます。
何れにせよ、最終的にMISIAのパートナーに抜擢されたのは、彼女の後輩だというLittle Black Dress。小職は知らない名前でしたが、MISIAが声を掛けたのですから、相当実力のあるアーティストなのでしょう。
パフォーマンス前、司会の何炅に、“这是一位音乐才女,她现在还不到22岁,但是他已经有了100多首的原创歌曲。”(音楽の才女である彼女は、22歳にもなっていないのに、既に100を超えるオリジナル曲を持っています。)と紹介され、ハードルを上げられてしまいます。
MISIAの敗因は、決してパートナーの選定だけではないと思います。
しか彼女には大変申し訳ありませんが、MISIAのパートナーとしては、やはり知名度が低過ぎました。(そりゃあ、玉置浩二と比べられてもねぇ)
そして知名度ということでは、他の出演者やこれまでの「帮帮唱」を観てもらえば明らかでしょう。
私が少し前の投稿で、「この後、底力を見せるはず」と書いた萧敬腾(ジャム・シャオ)ですが、やはり直前の第10期では2位と順位を上げてきましたし、戦い方を知っている彼は、今回パートナーに選んだのは、誰もが認めるスーパースター、助っ人常連の林俊傑(JJ Lin)です。(正直、さすがのJJの大ファンの私も、「またか…」という印象でしたが。)
こちらが、今回の為に書き下ろした新曲『Hello』
私が「底力を見せる」と予言していたもう一人が徐佳莹(ララ・スー)です。
後半上位をキープしていましたし、MISIAも彼女のことを結構評価していました。
MISIAが、「ララちゃんの歌は耳に残って、歌い終わった後も口ずさんでしまうのよね。」とコメントしていたように、自然と観客の心をつかんでしまう魅力を持っています。
そんな彼女が選んだパートナーは韦礼安。
これまたナイスガイを選んだものです。R&Bも歌いこなすセンスあるアーティストです。
選んだ曲は、小Sのダンスで有名な、范暁萱(メイヴィス・ファン)の『管他什么音乐』という、とても明るい曲。
ララはどっか吹っ切れています。
『管他什么音乐』は、「我是歌手 第二季」 で周笔畅もカバーしていましたね。(こちら)
彼女は、2016年の「我是歌手 第四季」で、JJに“帮唱”してもらいました。
二人のキーが合わなかったこともあり、いまいちなパフォーマンスでした。残念ながら、この時は強力な助っ人を活かしきれませんでしたね。
そして、ララは、「我是歌手 第四季」で、F4の呉建豪と共に、萧敬腾(ジャム・シャオ)率いるバンド狮子合唱团(Lion)の帮唱嘉宾を務めました。
さらにJJは、「我是歌手 第二季」でも、张杰のパートナーを務めています。
JJの登場回数凄いな。
そして、张杰は、「歌手2019」で、中国でも人気のアニメ『SLAM DUNK』のエンディング・テーマとなった、『世界が終るまでは…』の中国語版『直到世界尽头』を杨坤と歌いました。
みんな助け合い精神です。(持ち回り制なのでしょうかね?)
観てもらった通り、どの歌手も、「帮帮唱」はアップテンポの曲を持ってくることが多いんですよね。
生放送だし決勝だし、後がないので勢い勝負という感じがあります。
アップテンポではないにしても、林忆莲(サンディー・ラム)が「歌手2017」で张惠妹(アーメイ)と歌った『也许明天』のように、圧倒的オーラでねじ伏せようとしてきます。
最後に、背水の陣で、当たって砕けろとMISIAに奇襲するしかなかった、ティアのパフォーマンスがこちら。
私が好きなジャンルではありませんが、奇襲を成功されるには、確かにこういったテンションが功を奏する可能性が高いでしょう。
MISIAは、奇襲された感想を聞かれ、「大好きなTIAだから嬉しい」と答えました。
番組を通してご覧になった方は感じたと思いますが、最後のMISIAのパフォーマンスから、その後の奇襲、そして結果発表と、なんという緊張感だったことか。
生放送ということもあり、本人たちだけでなく周囲の誰の表情からも、それは十分伝わってきました。
そして、MISIAの敗退の結果発表を聞いた皆の表情が、なんと切なかったことか。
誰もがMISIAの敗退を喜んではいませんでした。
そして、出来ればMISIAにも最後まで残って欲しいと思っていたでしょう。
これまで、多くの人がMISIAのパフォーマンスに感動し、彼女に敬意を表していました。
しかし、この結果は多くの人が"しょうがない"と思ったでしょう。
(因みに、この結果がおかしい、出来レースだとか言っている人がいるようです。その人は単純に、この番組を部分的にしか観ていない人なのでしょう。ちゃんと観ていれば、きっとそんなことは思いません。)
悲しいかな、上手さだけでない勢いとか、仲間とのノリみないのが必要なんですよ。決勝は。
MISIAはそのことを把握していたのかなぁって思ってしまいます。もしかしたら、把握していたのに出来なかったのかもしれません。
Little Black Dressさんも、名誉な抜擢とは言え、若いのになんという重責だったことか。
これが、残念ポイントその1でした。